しなずち ~転生触手妖怪 異世界侵略風味、褐色爆乳女神と現地収穫の巫女衆を添えて~

花祭 真夏

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第126話 正しい奴隷の買い方

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「ありがとうございますっ!」


 滅茶苦茶汚らしい物を見るような軽蔑の眼差しで、カラは奴隷商の頬に金貨袋を叩きつけた。

 地球でなら一部の人種にはご褒美だが、ディプカントでもそうだとは思わなかった。この商人が売っていた二十六人を金貨六百枚で買い上げ、倒れ込んだ顔の上に追撃の踵が無慈悲に襲う。

 頬骨が陥没して酷い事になっている。

 流石にやり過ぎなので治療すると、感無量の笑みが代わりに現れた。ジト目白髪白肌巨乳娘の痛打は気持ち良いか? もう変態過ぎて付き合っていられず、次の店に行こうと気持ちを切り替える。


「奴隷、見ぃ~せぇ~てぇ~」


 閉店準備をしていた隣の店に触手を伸ばす。

 露骨に視線を逸らされ、無理やり頭を掴んでこっちに向ける。恐怖で身体をガクガク震わせ、私が凶悪な魔物か何かだとでも言うのだろうか?

 生を司る神様だよ?

 そんなに怯えなくても良いじゃないか。


「か、勘弁してください! 買って頂けるのは嬉しいんですが、全部となると次回の入荷まで店を閉めないとならないんですっ!」

「リトルレディに頼んで人買いと人攫いを総動員させてるから大丈夫大丈夫。納品先はテュラック商会のバルネバ支店ね。ところで、この娘は男いるの?」

「いないし処女ですっ! 性奴目的であれば、味見がてら『滴る鮮血亭』へどうぞっ! 他の見分は後でよろしいですよね!? 良いですよね!?」

「必要ないし、全員買った。あと、この辺の売春宿は全部私の傘下なんだ。宣伝ありがと。お礼に一晩一人無料のサービス券をあげる。是非使って」

「ありがとうございますっ! ついでに許してくださいっ!」

「だ~めっ」


 店主のポケットに無料券を三枚突っ込み、足の上に金貨を詰めた袋を四つ置く。

 一袋で百枚、合計四百枚。

 人数は十五人と少なめだが、何処かの騎士崩れと思われる上玉が一人と、少し幼い将来有望な娘が四人いる。他も活きが良さそうな様子だし、相場より多少色を付けて一気に纏めて買い上げる。

 袋の上に崩れ落ちる店主を解放し、私は更に次を探した。


「アンタ、一体何をしようっていうんだ……?」


 たった今買い取った騎士崩れの女が、一歩前に出て他の者達を庇い立つ。

 無駄な事だとわからせる為、私は数十本の触手を生やして良さそうな娘四人を巻き取った。女は彼女達を助けようと体当たりを仕掛けるも、間に入ったカルに足を払われて固い石の床に叩きつけられる。

 何だか凄く悪い事をしている感覚。

 でも、凄く気持ち良い。

 今日はこの五人を頂こうと気分が向いた。無駄な正義感を叩き折る為に目の前で順番に四人を食べる。絶望に十分に染めて漬けて沈ませて、チャンスを上げると仮初の希望を見せてから太くて長いのでお腹をボコォッ。

 よくある、我慢出来たら解放してあげるって奴だ。

 最初は優しく弱点を探り、一回目は気付かなかったフリをする。二回目以降は徹底的に攻めて攻めてわざと見逃し、頭が蕩けて涙を流し出したら以降はずっとギリギリの寸止め。

 自ら堕ちると宣言するまで、また四人を目の前で頂く。

 四人は好きなだけ好きなようにさせ、我慢なんて一切させない。彼女だけ堪える事がいかに無駄か、髄の髄の髄まで深く、深く深く深くの奥まで――――。

 …………もうここで始めて良いかな?


「『しなずち様。他の店が逃げていきます』」

「あぁ、いけないいけない。『カラ、カル、手分けしてこの区画の全員を買ってきて。抵抗するなら倍値まで積んで、それでも嫌がったらわからせてあげて』」

「「『承知しました』」」

「本当に一体何なんだ!? 奴隷は物ではないのだぞ!? 命があって、不遇の中でも生きようとしているんだ! それをパン切れの様に扱って何が面白い!?」

「君達はパン切れじゃないよ」


 巫女二人を見送って、床に伏す美貌を立って見下ろす。

 戦士としては長すぎる黒髪が噴水の様に広がり、ボロボロの奴隷服の隙間から傷だらけの肌が見える。

 美味しそうな谷間がチラチラ見え――そうで見えなくて、もういいやと触手で巻いて引ん剥き晒した。

 うん。やっぱり良い。

 薄く割れた腹筋に引き締まった足腰。鍛えながらも磨かれた女の細い体は、彼女の腕と同じ太さの触手とセットで背徳の美を醸し出す。

 ここに更に雌を盛って、夜と男の欲を塗りたくる。買い物は今日で終わらないし、終わるまで毎朝毎晩可愛がってあげよう。


「私達は、北の不況と全域の品不足を両方解消しないとならない。君達はその為の大事な大事なお手伝いさんなんだ」

「手伝いだと!? こんな仕打ちをされて、大人しく従うとでも――」

「君は反抗的過ぎて奴隷らしくないね。皆と一緒にいさせるといけないから、私と一緒にいようじゃないか。あぁでも、ちゃんと君の意志を尊重するよ。君が決めて良いんだ。ただ、この娘達の行く末がちょっと変わってしまうかもしれないけど…………」

「っ!? この、外道がっ!」


 心の底から噴き出す罵倒に、胸の奥がキュンっと締め付けられる。

 いけないなぁ。

 いけないよねぇ?

 いけないよ、いけない。

 そんな言葉を向けられたら、つい触手が勝手に動いて乱暴にしちゃうかも。見せしめみたいに皆の前でぐっちゅぐちゅのたっぷたぷにされて、下からの分を上からゴボォオオオッて吐き出さないといけないかも?

 私の笑顔に、彼女の表情が恐怖を滲ませる。

 気丈に強気に振る舞いつつ、実際は怖くてたまらない。得体の知れない相手に全てを見られ、これからどうされるのか予想もついて、しかし買われた奴隷の立場から在り得る筈のない希望に縋るしかない。

 私に縋れば良いんだよ。

 じゃ、ちょっと味見を――――



「こんな所でやってないで宿に行け、宿に」

「エドル? 上はどうしたの?」

「問題発生だよ、ちくしょう……」


 支店で指揮を取っている筈の共犯者が現れ、面倒事に巻き込まれたようなため息を大きく一つ吐き出した。

 傍らには支店長を務める二つ角の魔族娘が控えている。青い肌に背が高く、爆乳で眼鏡をかけた大人っぽい娘だ。たしかエドルの愛人の一人で、首を絞められながら乱暴にされるのが大好きなドMだった。

 彼女がここにいるという事は、支店の方で何かあった?


「申し訳ございません、しなずち様っ。購入した奴隷を収容していた館が正体不明の一団に急襲され、五十三名を奪われましたっ。追跡をかけておりますが戦力が足らず、お力添えをお願い致しますっ」


 何て面倒な……。
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