しなずち ~転生触手妖怪 異世界侵略風味、褐色爆乳女神と現地収穫の巫女衆を添えて~

花祭 真夏

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第96話 本日の地獄は終了いたしました。天国に行きやがってください。

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「これで、私とキサンディアはお前の属神に確定だ。嫌だと言ってももう遅いぞ? ちゃんと責任を取ってもらうから覚悟しておけ」


 中出し精液でぽっこり膨らんだ腹を擦り、ヴィラとキサンディアは左右から私にしな垂れかかって挟んで締める。

 完全に理性を飛ばして、滅茶苦茶良かった事以外覚えていない。何をして何をされて何をどうしてこうしたのか、身にも頭にも覚えがなく、ただただ結果のみを押し付けられて私の退路は断たれていた。

 いや、もう覚悟は決めたけど。

 挑戦的な笑みを浮かべるヴィラと、恥ずかしさに頬を染めて俯くキサンディア。愛しさしかない二柱を触腕で抱き寄せ、私は順番に唇を重ねる。

 重なりを解くと、キサンディアが私を睨み付けた。

 不満気だが怒っている様子はなく、甘酸っぱい未熟さを表情に纏って唇を尖らせる。普段の妖艶な大人の女はどこへやら。今目の前にいるのは身体だけ育ちに育った初夜後の乙女だ。

 何て可愛らしいのだろう。


「……しなずち。ノーラを眷属に迎えなさい。そうすれば、私は貴方の女になりましょう」

「ノーラノーラと、お前は何かとノーラの事ばかりだな? いくら尖兵の筆頭だからといって、気にかけ過ぎではないか?」


 キサンディアの課した条件に、ヴィラは往生際が悪いと苦言を呈する。

 私からすれば、ノーラに手を出す許可が下りたような物。歓迎こそすれ、変に詮索して取り消されたらたまったものではない。

 気が変わらない内に、さっさと契約にしてしまおう。


「わかりました、キサンディア様。次に会った時にノーラを眷属にします。――ヴィラ。キサンディアはノーラを娘のように思っているから、一緒にいたくなるのは当然だよ」

「娘? 娘か? お前らセフレだろう?」

「少しお黙りなさい、ヴィラッ! それと、最初はちゃんと二人っきりで愛を交わす事! 私のように無理矢理滅茶苦茶に乱暴したりしない事! ヴィラに唆されてなんて以ての外です!」

「大丈夫だよ、キサンディア。もう契約は成った。お前もノーラも幸せにするから信じて委ねて」

「……え? 契約? し、しなずち? 契約ってどういうことです? ちょっと? しなずち?」


 困惑するキサンディアをよそに、私は身体を肉人形に戻し始める。

 ヴィラに触れて重ねて交わし、ズタズタだった私の心は癒され安定した。今の内に暴走するシムナとシムカを取り押さえて、全員を連れて社に戻って神界会議の準備をしないとならない。

 あと、レスティと帝国の件も確認しないと。

 アンジェラが無事かも気掛かりだ。


「それじゃ、向こうに戻る。一度帝国に寄るから、帰りは七日程度を見ておいて」

「了解だ。ほら、キサンディア。愛する夫の出陣だぞ? 見送りの挨拶くらいしておけ」

「ぅ…………お、お待ちして……ます……」


 視線を逸らして脚をもじもじ。

 計算して誘っているのか天然なのか今一わからないが、帰って一番にする事は今決まった。

 そこまで期待されては仕方ない。脳が焼き切れるほどに全力で応え、呆けて脱力するまで止めたりしない。今の身重は注いだ分を溜めてあるだけだから大丈夫だけど、帰るまでに出来ていたらほんの少し自重しよう。

 二人の頭を撫で、目を閉じる。

 今の夢から新しい夢へと移るような、意識と世界を乗り換える魂の移動。両手の感覚から二人が消え、代わりに張りのある柔らかな感触が伝わり始める。

 肌の心地から誰の物かが何となくわかり、先に向かって絞る様に揉みしだく。

 聞き覚えのある悲鳴が聞こえ、懇願が聞こえ、少しの高さから落ちる衝撃を正面に感じる。移動に成功した事を確信して目を開き、視界一杯の黒髪のカーテンから、自分が彼女におぶさっていたのだと理解した。

 子供のように。

 大事に大事に。

 守ってくれていたのだと一方的に確信し、身体を解して前に回る。前にも同じようにしたことがあったか? いや、アレはリタの方だ。彼女を襲おうとして止められそうになり、背後にすり抜けて二人一緒に頂こうとした。

 まだ一ヶ月経っていないのに、酷く懐かしく思える。

 私は全霊の愛を舌先に集め、斬り潰された左目を下から上に舐め上げた。強すぎる刺激に両膝を着いた身体が跳ねあがり、後ろに倒れて丁度良いから覆い被さる。

 無事でよかった。


「愛してる、アンジェラ」

「こんの……っ! 坊や、後で覚えてろっ!?」
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