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第95話 今更な事実と女神の腹案(下)

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 廊下に仰向けに倒され、両手両足にヴィラの神術が課せられる。

 対象物を固定座標に繋ぎ止めるタイプのそれは、肉体を好きに変化できる私には何の意味もない。やるなら一片の肉片も漏らさずやる必要があり、そうでないのであれば、他に悟られたくないメッセージを伝える時しか使わない。

 今回は多分、『大人しくしていろ』か?


「しなずち。創造神はお前に『神』になれと言ったのか?」

「ぅ……」

「やはりそうか。神化すれば、尖兵の約はより上位の約により解消される。私を傷付けまいと黙したか? 愛い奴め」


 私の身体に覆い被さり、『褒美だ』と柔らかな肌と唇を重ねられた。

 昂らせる為の吸い付きと侵入、簒奪、熱と猛りの交換が行われる。

 当然続きがあるものと身体を起こそうとし、固定された四肢のせいで思うようにいかない。視線で解除を懇願するが、重なりを解かれて人差し指を代わりに当てられてしまった。

 ここまでやって、お預けは苦しいんだけど……?


「――――であれば、信仰の規模を考えるに、お前は私達より上位の神に列される。今も増え続けるお前への信仰は、私達四柱を纏めても更に上だからな。格の一つか二つは違いが出るから、属神を何柱か頂く事になるだろう」

「ぞ、属神……?」


 未知の言葉の出現に、私は困惑をヴィラに向ける。

 悪の参報を思わせる声でヴィラは笑い、立ち上がってキサンディアに歩み寄った。前を隠すシーツを力ずくで一気に剥ぎ取り、隠そうとする手と足に神術をかけて隠せないように固定する。

 ブルンッダプンッと跳ね揺れる乳房を前に、何をさせられるのか何となくわかった。


「ヴィ、ヴィラッ! 何をするのですかっ!?」

「属神は所謂『正室』だ。王家のように序列はないが、主神との交わりで様々な代物を生み出し、世界に供給する。新たな神、新たな食物、新たな大地、新たな種族などなど、生み出される物は多岐にわたり、創造神はそれを当てに中位以上と下位の神を分けて任ずる」

「聞きなさい、ヴィラッ! しなずち、こっちを見てはいけませんっ!」


 隠しようのない上をおいしそうに揺らすキサンディアは、内股を閉めてずぶ濡れの秘所を隠そうと試みる。

 だが、それは全くの逆効果だ。

 雄の猛りを欲しがり、入り口をヒクつかせて涎を垂らすピンクの割れ目。自分の意志で未だ味わった事のない極上の女体にこうも煽られては、見るなと言われて見ないわけにはいかない。むしろ、今すぐに組み敷いて、三十回くらい膣内射精してボテ腹にしたい。

 告白すれば、前世の初恋は看護師姿のキサンディアだった。

 幼心に胸の高鳴りを覚え、共に育む愛を妄想したのは片手できかない。雨で濡れて透けた下着に目が離せず、真冬に諌められた時は恥ずかしさから泣きそうになったのを覚えている。

 滅茶苦茶に、したい。

 ぐちゃぐちゃに、犯し尽したい。


「アーウェルにはダイキ、クロスサにはアガタがいる。私にはお前がいて、キサンディアには誰もいない。なぁ、しなずち? お前の初恋が、この世界のよくわからん輩に孕まされるのを許せるか? 未だ自分の意志で抱けていない、知女神の雌が二度と味わえないのを我慢できるか? 出来ないよなぁ?」


 私を煽るような言い方で、ヴィラはキサンディアに囁いた。

 うまく隠せない脚の代わりに、雌の口を手で隠して指の隙間からチラチラ見せる。それがわかっている青の女神は顔だけ赤の女神に変わってしまい、羞恥に耐え切れず涙を流した。

 劣情が血潮を猛らせる。

 私は拘束されたまま数百の触手を生やし、床を這わせて向かわせた。

 木床から足の親指に乗って、足甲、足首、脛、太腿までをソフトクリームのように渦巻き進む。終点は褐色の手に覆われた子作り女淫。勢いをそのままに一思いに貫こうとして――――侵入まで数ミリの所で、ヴィラにペシンッと叩かれる。

 こちらに向く目が語るのは、『そうじゃないだろう?』。

 今更ちゃんと段階を踏めと? 抑えきれない本能的快楽の爆発で心を引き裂き、治しながら隙間に私を流し込んで依存させるプランは却下なのか?

 いや、もうどうでも良いから早くやらせて。

 目の前にご馳走を置いてお預けはストレスにしかならないから。我慢できなくて触手が子犬みたいにプルプルしてるんだから、いっそヴィラごと食べちゃえば良いや良いよ良いってあははははははははぁ――――っ!


「ふむ……この辺で良いか」

「何が良いんですか!? しなずちを主神に祀り上げて、私達でサポートする第三プランではないのですか!? 属神なんて古い契約を持ち出して、一体何が目的でなんです!?」

「多少でも理性が残っていると、お前が口八丁で切り抜けるってのが一つ。属神にでもならないと、お前はしなずちに全部委ねられないってのが二つ。たまには欲の限り貪られるのも良いかと思ったのが三つ。――――我儘でも良いって言ったよな? 一緒に堕ちる所まで堕ちようじゃないか」

「待ちなさい、待って! お願い、ヴィラッ! 順番があるの! ノーラより先に抱かれるわけには――――」

「強情に過ぎるぞ? しなずち。まずはキサンディアの相手をしてやれ。中途半端は許さんぞ? 全部平らげて染めて塗って、キサンディアをお前で上書きしろ。知の女神の『知』を、しなずちの『ち』に塗り替えてやれ」

「待――――っ!?」


 ヴィラが鳴らした指の音を合図に、私の拘束と制止が解かれた。

 未通の触手をそのままに、私は三本追加して残りの脚と両腕を抑える。全部を真横に開くと特上豊満が左右に開き、直下の浸水した採掘場からはポタポタポタポタ漏水が絶えない。

 もう、無理。

 細い胴に抱き着いて開いた谷間を舐め回し、下の猛りは女淫の奥へと『ずぷぅぅっ』と呑ませた。

 ひだで埋め尽くされた膣道は、膣肉そのもの物理的狭さから新鮮な肉感摩擦を提供する。意識無意識関係ない生膣の抵抗と収縮は凄まじく、まるで数十数百の唇に吸い付かれているかのようだ。

 もっともっと味わいたくて、子種の吸い口に当たっても尚押し尚押す。

 腰を左右にぐりぐり回し、右に二回、左に三回、右に四回、左に五回。子宮口が弱点のキサンディアは嬲り続けに耐えられず、叫んで喚いて四肢と上半身を跳ねて捩って暴れて暴れる。その激しさに陰茎が半ばまで抜かれてしまい、大人しくさせる為に激しく前後に叩き付けた。

 確たる絶頂に、恥肉が雄に吸い付いて抑えつける。

 だが駄目だ。今日、キサンディアは私の女に堕とす。私だけの雌になると誓わせて、心も身体も魂すらも屈服させる。

 絶対。

 ぜったいっ。


「だ、め――っ、しな――ち――っ、の――ら――――っ」

「いい加減素直に楽しめ、キサンディア。心配しなくても、しなずちはノーラも貰ってくれるぞ? 今のお前みたいに、膣も子宮も卵管もたっぷり可愛がってくれる」

「だ――――ぇ?」

「しなずち、やってやれ」


 沈み切った理性に、主神の命が鈍く反響する。

 私は陰茎を二十本の触手束に分裂させ、中央の数本を子宮口に突っ込んだ。そして更に内側で枝分かれを繰り返し、全周くまなくと卵管の口を激しく小突く。

 並みのセックスで体験できない性刺激に、絶え絶えの女体がまた跳ね上がった。

 竿一本で得られる快楽は一つだけ。耐えられる量と数も似たようなもので、同時に十か所以上の性感帯刺激を受ければこうもなる。背を反らし、目を見開き、声を通り過ぎて息しか吐けない孕ませ雌穴一歩手前。

 人間なら、既にイキ狂って絶命している。

 命の心配がない女神だからこそ、余す事無く受け止めてくれる。私は転生前の初恋を転生後の愛欲で塗りつぶすべく、生の両手で腰を掴んだ。種付け性処理と同じ要領で根元と膣口を押し付け重ね、膣内の触手乱舞で湧き上がる射精感に心身を委ねる。

 付け根から枝分かれする二十本に、子種汁が上がっていく。

 入り口からきつさが増していく感覚に、私もキサンディアもその時を察した。首を振って涙を散らす青の女神は可愛らしい。思わず唇を奪って舌を捻じ込み、隙間なく覆って吸い付いて――――


「ん゛ん゛――――っつつつ!」


 愛の限り、私はキサンディアに全てを吐き出した。
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