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第一章 獣領の騒乱 編
第九話 旅の始まりは獣耳で〜二人の関係〜
しおりを挟む「見えてきましたね」
下を向き、黙々と歩いていたカイザン。
隣で並走するアミネスの声に反応して首を上げれば、今いる高所から巨大な壁に囲まれた領地の一望が覗けた。
特殊能力[強調五感]を持つ獣種が制する領地、東大陸に属する獣領だ。
一見するに一般的な面積だが、領の外へと広がる畑地帯を含めた総面積があの領地の全て。
普通の領地と違った点では、やはりあの巨壁の他ない。
アミネス曰く、過去に悪魔種の襲撃を恐れて作り上げたとか。所謂、城塞ってやつだろうか。実際、何年前に悪魔種と衝突したらしいから、あって損はないと思う。
前にエイメルから聞いた話によると、種族戦争は起こること自体珍しいことだが、悪魔種の侵略は例外らしい。
女神領が何年も費やして領地を山々に囲ませ、それを含めて絶対領域としたのも、悪魔種のことを考えてとエイメルは言っていた。
全種族の共通認識は、悪魔種が絶対的な悪であること。貪欲の象徴と戒められる存在になった。
獣・女神領の他、全領地でも彼らに対するそう言った取り組みが行われたために、悪魔種に並ぶ高位種族の天使種が撃退を名乗り上げ、見事に領地を陥落させることに成功するも、多くの犠牲者に加えて、生き残りの復讐に遭ったり、逆に領地を奪われたなんて話もある。
・・・普通な感想として、会いたくないね。うん。...あっ、もちろん最強種族としてはどんと来いって言うか、普通に余裕ってかさ。うん、そう。なんだよ。
しかし、そう対策する一方で獣領の巨壁は高過ぎて、獣種でも全力を出してすら越えられない者がほとんどというのが現実。
巨壁もそうだが、獣領自体がとても綺麗な円形をしていて、それを中心とした同心円状に畑地帯が広がっている。
近くには川も流れているようだ。
ちなみに、この世界には海という概念が存在していない。
全ての領地がそれぞれの方角にある四大陸に散らばっており、それを囲む水を永水と呼んでいる。
これに関しても、調査に向かった大陸の代表者たちが永水を渡ったきり、数十年の歳月が経った今尚戻ってきてはないとか。...怪談ではありません。
そんな話はさておき、見える領地の感慨にふける少年は小さく、ほんの少し不満げに呟く。
「思いの外、近いもんだな。地図ではもっと遠いと思ってたけど。あっさり着けちゃったよ。旅感に欠けるな」
・・・女神領の決闘でミルヴァーニを転移要員に任命した訳だけど、いきなり使うのも面白くないと思って歩いた現状。....つまんな。
旅に出発してから数時間も立っていない頃、旅先の領地がもう見えてしまっている。正しくは、そこまで近くから見ているのではなく、高くから見下ろしている状況。
カイザンたちの居る高所とは、女神領付近の山々の一つ。坂道の外れ、崖からただ見下ろしているようなもの。後はゆるやかな坂道を下り、少し歩くだけで着きそうだ。
嬉しさの反面、高校入学のようなちょっとした緊張もある。
そう言った感覚をアミネスにも一緒に感じて欲しいと思うが、
「数十年前の事です。四大災害の一つである黒龍がここらで厄災を振り撒いたために、地形変動が起こったんですよ。ですから、その地図はあまり正確ではないんですよ」
先程こぼしたちょっとしたQに、Aを真っ当に返すのみ。
・・・もっと、感情豊かに話を発展してもらいたいね。全肯定は諦めたからいいよ、もはや否定された方が話が長続きしてるしさ。....なんだ、この関係。
気になる単語がいくつも登場していたり、関係に対する不満改善なんてのは、後でどうにかすればいいこと。....覚えていれば。
今はそれよりも、早る鼓動と歓喜の祝福を抑えきれずにはいられない。
だって、ここに、この領に来た理由は、その種族は。
「獣種だぁーーーっ!!」
何の前触れも溜めもなくカイザンが叫んだ。
前触れがなかったために空気も吸わなかったので、そんなに長くは息が続かなかった。
カイザンたちが一番最初に選んだ領地(と言いつつも、アミネスの意見は一切反映されず)は、獣種が棲まう獣領。領地史上、最も先に向かうべき領地だとカイザンが強く推したため。それ以外に向かう領地なんてないと。
とにかく、叫ぶのも当然。
となると、アミネスの反応も当然。
「急に何ですか?そんな大声で隣から叫ばれたら驚くんですけど。考えてください、領主なら。今のは帝王の行いも同然ですよ」
「んぁ、ごめん。....てか、そんなに驚いてなくない?」
内容とは真逆に冷静なツッコミを入れるアミネス。内容だけは勢いが凄いのに。
一般的な「わぁっ」とか、期待しちゃう「きゃっ」とかの音は全く出なかったし。
アミネスは時に辛辣とはいえ、感情がない訳ではない。たまに笑顔は見せるし、嫌な顔だってカイザンに対しては表に出す。
と言うことはおそらく、お得意の心を読みぃの、からの回避。何の素振りも見せずに。
逆にそれらの要素を総じてのが、アミネスのヒロイン力なのかもと思い始めている今日この頃。
「驚かないのも当然ですよ。カイザンさん、さっきまでずっと叫ぶ気満々でしたもん。言葉にはしてませんでしたけど」
「心を読んでましたって認めた方が早いだろ、それ」
・・・もう、なんかこの感じ落ち着くわ、逆に。
こう思ったのは、何も今日だけの事ではない。
前にも一度、それについて言いたいことがあった。
「なあ、アミネス。前に俺が何か言おうとしたところで、運悪くお前の声と被ったことあっただろ?」
「ありましたっけ?」
「まあ、あったんだよ。あん時に提案しようと思ってたんだよ、俺らの関係性の改善を」
場面は、ミルヴァーニとの対面前の事。ハイゼルが転移魔法で迎えに行った後だ。
あの時は久しぶりの状況に翻弄されてアミネスに発言権を譲ったから、言いたいことが言えなかった。
なので、今こそは言いたい。旅が始まった今だから。
「主従を逆にするんですか?」
「俺に何の利益があるんだよっ」
そう、これがきっとアミネスのヒロイン力と自分へ必死に暗示する。してなきゃやってられない。
...その結果、こう思うのだ。
「俺たち、旅のパートナーにならないか?」
もともとよく分からない関係だった二人。
旅が始まった。これを機に終止符を打ち、新たな関係性を創り上げることが必要だと女神領で考えていた。
多分、アミネスなら受け入れてくれると思う。何となく、そんな確証があった。
カイザンの提案に、アミネスは一瞬だけ何かを思い出したように目を見開く。それからすぐに我へと返って、首を傾げる。
「ぱーとなー。って、どういう意味ですか?」
魔法や特殊能力と違い、英語を通常会話として使うと何故だか言いにくそうになる異世界の人たち。
確か、アミネスの、創造種の特殊能力は[万物創成クリエイト]、パートナーくらい言えるだろうに。
異世界七不思議に認定だ。
「発音は、パートナー。意味は...そうだな。簡単に言うと、相棒だな」
「相棒.....へぇー、良いかもしれませんね。その、ぱーとなー」
どうやら気に入ったご様子。または、今までの待遇が嫌だったか。前者と信じたい。
発音の方は厳しいようだけど。頑張れ、マイ・パートナーと言いたいところだが、無理強いのようにはしたくない。
「言いにくいなら、惜しいけども相棒とかでもいいんだぜ。肩書きだけ変えれば...」
「いえ、私たちは、ぱーとなーですっ」
若干食い気味の了解。言えてないけど。
・・・まあ、アミネスがそれでいいと言うのなら。
秘書またはお手伝いさん。改めて、パートナー。または、ぱーとなー。
これで、やっとカイザンの求める暇潰しの旅が本格的に始まった。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「にしても、でっけぇーーーーもんだな」
あれから数十分で高所から降りたカイザンたちは、遠目に見ていた獣領のすぐ近くにまで来ていた。
畑地帯に入る前、既に感じられる巨壁の威圧さに圧倒されて足を止めている。
高さは優に約百メートルを超えているだろう。カイザンの空間把握能力の無さは対ミルヴァーニ戦で明らかになっていることから、約八十メートルといったところか。
最初はこの壁について聞いた時、獣領はとても暗い場所だと思っていた。二つの意味で。
しかし、この世界には太陽のような光源が二つあるため、影に関してはあまり気にする必要がないのだ。壁に囲まれるのだって、性格が暗いからではない。
「カイザンさん、足止めてないで急いでくださいよ。日が落ちるまでに済ませたいことが山ほどあるんですから」
前方から叱り付ける声が。神の声ではない。
巨壁に見惚れて人気漫画を思い出すカイザンを置いて、一人先へと進んで行ったマイ・パートナーからだ。
・・・山ほどの予定って、女神領にガイドブックでも出回ってんのか?
「せっかくの旅なんだから、そう、かっかすんなって。ゆっくり行こうぜ。俺は別に、野宿でも構わないと思ってるし」
「私は嫌ですよ。外で寝たいなら、お気の済むままお一人でどうぞ。スリにあっても知りませんから。私はカイザンさんの持っているお金の分まで、高級な所に泊まりますね」
「まず、お前からスリされてんじゃん、俺」
対等な関係が聞いて呆れる。
毒舌の切れ味は治まるどころか、増すばかり。舌にやすりでも仕込んでいるのだろか?
・・・さっきのパートナー宣言はどこに行ったんだよ。というか、対等の意味分かってます?俺のパートナー関係を。
「提言します。私基準のぱーとなー関係ですから」
「訂正する。俺基準でのパートナー関係だよ」
関係性を変えた意味はあったのか?と、過去の自分を早くも全否定するカイザン。
よく考えたら、表面上での関係性変更では、根本は何も変わらない事に気付いた。結局、中身に変化がなければ、意味はない。
このパートナー構造の盲点と言える点を考え、自分にため息を吐くカイザン。気付くと、前にいた筈のアミネスに追い付いていた。待っていてくれたのだろうか?
いや、待っていたことに変わりはないが優しいからとかじゃないと思う。
「予定の件。逆にお聞きしますけど、カイザンさんにはご予定やご計画がお有りで?...ないですよね、カイザンさんですし」
「決め付けから入るなよ。...そりゃ、もちろん、無計画だけど。俺ですしー」
・・・だって、女神領にあった本とか、文字読めねぇし。俺、純粋な日本人だし.....あっ。
テキトーに言い訳を探したから、文字の一件をあまり考えずに言ってしまった。
こんなこと言ったら、なら文字覚えろよと夜な夜な勉強させられてしまう。嫌だ、俺は暇潰しがしたいんだ。と暗闇に嘆く毎日に。
アミネスの返答がどうなるのか。
「....でしたら、コロッセオという闘技場でボコボコにされてみてはどうですか?」
・・・やったー、文字についてなかっ....。
聞き捨てならない提案をスルーした気がする。
よく聞こえなかったから、もう一度。
「...もう一回、どうぞ」
「でしたら、コロッセオという闘技場でボコボコにされてみてはどうですか?」
「うん、まず、それについて、お兄さんに利益というものを教えてもらおうか」
いつもの声音でしれっと旅のご予定を入れてきた。
普段通り過ぎて内容に耳がついて行かなかったくらいに。
・・・まったく、恐ろしいパートナーだよ。
提案内容の第一印象では当然ながら不利益しか感じない。無論、利益があったとしてもやらないが。
・・・天下の最強種族がボコボコにされていい訳がないのだよ諸君。
「つーか、獣種ってのは身体能力が凄いんだろう、王道的展開的に。かすり傷で済むのか?」
「それはもちろんのこと、アザ以上に何本か折れますね」
「知ってて提案したのかよ」
・・・嫌だよ、何本もパッキリいかれるのなんて。パキパキ良い音鳴るくらいだったら、ASMRに録音してぇよ。
自分を抱きしめて身を守るカイザン。アミネスって意外と狂気的なのかもしれない。
そんな疑問を肯定してしまうのが、アミネスの悪戯で意地悪なところ。
「パッキリというか、下手すれば、ぽっくりいきますね」
「それ、死んでない?」
言った後、堪えきれずに微笑のこぼれるアミネス。
....これだから、本気で憎めないんだよ。
と思ってもすぐに。
「というか、あれだけ旅に出たがっていたというのにですよ。どうして予定を立ててないんですかね、失望とかの諸々を隠せません。隠す気もありません」
「オブラートの包み方教えてあげようか?......っていうか、予定ってそもそも何だよ。観光地巡りでもするってのか?.....それよりか、不利益がボコボコポッキリぽっくりの利益についてを話したまえよ」
何度も言うが、利益があったとて実行はしない。
・・・聞くには聞くけど。
実のところ、コロッセオだけには興味がある。闘技場なんて言われたら尚更のこと。
表面では隠しつつ、心の中では犬のように尻尾をフリフリするカイザンに、アミネスが「では、お聞きしたいことがあります」と続けた。
「次の質問には、カイザンさんの主観ではなく、客観的な立場からお答え下さいね」
「国語かよ」
途中で客観的な感想を述べたら、口答えした奴に向ける瞳で見られたから黙ることにした。
それを見届けると、満足気に話を進める。
一応補足すると、さっきから歩きながらの会話です。
「今や、女神領の新領主、異名すら持たなかった新たなる最強種族の出現は、各領地にとって恐怖の象徴となろうとしています。というか、もうなってるかもですね。...そんな中、自分たちの領に突然カイザンさんがひょんっと現れたらどう思うでしょうか?...さあっ、諸悪の根源たる帝王のカイザーさん、お答え下さい」
ぱーとなー地位を活かし、少し高圧的な態度で質問を投げかけてくる。終始、笑顔を崩さず。
一ヶ月前のカイザンでは、一言一言に物怖じしてしまいそうな。年下の少女にですよ。
アミネスの言う諸悪の根源は正にその通り。ここ最近で東大陸の領地が慌ただしかったというのは、女神領領主として嫌でも情報が耳に入ってきたから覚えている。誰のせいかって、言うまでもない。
そこを口撃されたら、カイザンは一発で意気消沈する。
「それはその.....万全なる警戒態勢だろうな。疑わしきは罰せよ、ってか?」
こんなこと、アミネスに言われるまで思いもしなかった。
改めて、悪い意味で最強種族、帝王という者の存在について考えてみる。'疑わしきは罰せよ'。皆、自種を守るためにそういう判断を取らざるを得ないことだって十分可能性の範囲内。
自分は東領地の爆弾なのだと。そう理解した。
「まあ、そこまではいかないにしても、警戒態勢はかなりのものです。...実は、獣領にはあの巨壁の下、このまま進んだ先に関門があって、そこを通るには紋章を見せる必要があります」
自分を見つめ直して早数秒、いきなりの第一関門に遭遇してしまうらしい。
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