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始まりの章 女神領の決闘 編
第六話 領主カイザンと代理女神〜決闘〜
しおりを挟む曰く、ミルヴァーニは女神領で二番手の実力者らしい。そんな奴に決闘を挑まれた。ある意味では好都合、エイメル並みの余裕は持ってそうだ。
女神領の掟において、挑まれた決闘に相手側が同意した場合、正式な原則の下に勝利した際の条件を課せることが可能。いや、それが一般的である。
ミルヴァーニの出した条件は、カイザンの追放とそれに伴うエイメルの女神領領主復帰。
決闘はカイザンが呑まなければ、危険を冒すことなく今の地位は変わらないまま。会って早々に決闘を申し込むようなふざけた無礼者を追い出すことすらできる。
そうしないのは、こいつを利用するため。
・・・君子危うきに近寄らず、って言うけどさ。あくまで挑んできたのは、ミルヴァーニの方、利用しない選択肢はないよな。
さっきアミネスは、カイザンとエイメル、二人の決闘を観た多くの女神種が従っていてくれているのだと言っていた。それは所詮、全女神種の半数にも及ばない数である。さらに、その大半は従ってくれていればあわよくばの昇進あるかもと期待を抱く表面上の忠誠心に過ぎない。
見れば、周囲には今の時点で相当数が居る。
ここで改めてカイザンが力を証明すれば、忠誠心は絶対的な服従となり、また新たな信頼を勝ち取ることができるのは必然的。そして、これは正式で平等な決闘だ。ミルヴァーニが勝利した際の条件を提示するならば、こっちにだってその権利はある。
一対一の決闘で負ける気なんてさらさらしない。行った先に利益しかないのなら、領主になって利己主義者になったカイザンが断る理由などある訳がない。
「いいぜ、その決闘。面白そうだから受けてやるよ」
.....面白そう。この決闘でカイザンが求めているのは、結局はそこかもしれない。つまらない領主生活に舞い降りた最高の暇潰しと言える。
カイザンの承諾にミルヴァーニは、無意識か安堵の表情を浮かばせていた。条件を聞かない状態なら当然の反応と言えよう。
それを覆してやるため、カイザンは指を二本立てて条件を提示する。
「俺が勝った際に求める条件は二つ程ある。....俺とアミネスが旅に出ている間、お前には女神領領主としての仕事を代わりにこなしてもらう。加えて、旅の中での転移要員に任命する」
・・・一石二鳥どころの話じゃないよな。ネギ背負った鴨を手掴みで捕まえたくらいの。
例えがよく分からないのはさておき、この条件をミルヴァーニがどう受け取るか。
もし負けてしまえば、条件内容も含め、領主の権限で一生働かされる可能性だってある。
エイメルへの忠誠や忠義より、自分のこれからを取るべきだ。
カイザンは、エイメルを決闘で倒し、今の地位に在るのだから。
示された条件に、ミルヴァーニは事態を重く捉えていた。
「.....今、何と?」
空間が凍てつくような感覚が脳を強く刺激した。
鼓膜が受け取った振動は、数秒前とは一変、とても低く冷淡な色を持っていて。
さすがに、余裕にあったカイザンも身震いで何歩か下がるレベル。込められた感情は怒り、それ以上の動揺で間違いないだろう。
何故に?の疑問を心で必死に噛み砕いて、相手の感情を抑えようと聞かれた通りに答える。
「だから、アミネスと旅に出るから.....」
そこまで言った時点で確信を得たミルヴァーニの理性は、理解不能のまま一時的に崩壊した。
何か言葉が口から溢れ出そうとし、真冬の如く両の唇が猛烈に震える現象に。
「ああああああああああアミネスと、二人っきりで旅に出ると言うのですかあああああああああ?」
「ごめん、'あ'しか聞き取れない」
・・・一部、音声に不具合が生じてるんだけどっ!?
言い終わった後にも'あ'が漏れ出ている。たぶん、ミルヴァーニってハイゼル並みに面倒なタイプだと思う。
発言から考えれば、よくいるだろうアミネス大好き野郎の一人。女性のロリコンだ。いろいろと反応は無視して決闘を終わらすのが吉。..............そんなつまらないこと、カイザンがすることなど、断じて否。
誰かさんを真似て、徹底的にいじる。もとい、からかう楽しさを知りたい。
「いやー、たぶんね。旅さ、何年くらいは余裕で超えると思うんだよ。もちろん、アミネスと一緒にな。お前には、俺とアミネスが二人仲良く旅している間、頑張ってもらいたいよね」
特にアミネスの名前を強めに言ってみた。名の本人は今、カイザンへの不満げを露わにしつつ、無言でじっと見つめている。....睨んでる?
・・・まあ、後で謝ればいいこと。さて、ミルなんとかの反応はどうだ?
「ふっ、ふざけないでもらいたい。成人も超えていない異性が二人で永くを共にするなどっ!!」
ミルヴァーニの赤面を理解するのに、数秒費やした。それと同時、カイザンの顔も急に赤くなって、
「おっおおおおおおお前、何考えてくれたんだよおっ!!しっししししし神聖な暇潰しを汚すんじゃねぇよ、こここっの変態っ!!」
「ななななななな。くぅ........貴様ごときが領主など、あってはならない。あっていいはずがないのだ。...私が、貴様を追放してやる」
濡れ衣の羞恥と長い髪で怒髪天を衝きそうなくらいの憤怒が影響して、無礼な敬語から思いっきり一転した。
・・・普通に怒り口調以上じゃん。なんか、化けの皮が剥がれたみたいな。つか、アミネスのこと好きすぎだろ。
ミルヴァーニの怒号が耳に響いてくれたお陰で、カイザンはさっきまでの羞恥心を全部改善しての通常運行に成功。もはや忘れている。
ミルヴァーニがここまで爆発してしまった以上、ここからは優しく、余裕だけで喋っていこう。
「言っておくけどさ、女神領領主としての女神領領主な俺に引導を渡すのはまだまだ早いぜ。随分と年取って腰がゴリゴリになるまで現役でやったるからな。目指せ、健康百歳だ」
「前後半、よく意味が分からないのですが」
カイザンがまたよく分からないことを言うもので、今度はミルヴァーニが正気に戻ってアミネスみたくツッコミを入れてきた。最初と同じ空気に戻っただけだ。
・・・さっさと終えた方が宜しそうだな。
「条件を増やすんだけどさ。その決闘、呑んでやる代わりに、始まりはここで今すぐってどうだ」
この提案的命令要求の意図は、現在カイザンにある有利さを保つため。
これさえ受けてくれれば、勝利を掴んだもの同然。
「.....分かりました。条件を呑みましょう。貴方には、決闘の同意者側の権限もあることですしね」
・・・しゃあっ!!こんで、後は改ざんしちまえばいいだけだな。
心の中までに留まらず、喜びを全身と声でも表現する。ガッツポーズをミルヴァーニに見られた。恥ずかしい瞬間をアミネスから生温かい目で見られた。
カイザンがここまでの勝利を確信できたのは、シンプルに負ける要素がどこにもないからだ。
ウィル種の特殊能力[データ改ざん]は、一定範囲内という限定的距離制限がある。その長さは、約五メートル以内。多数の魔法を使いこなす女神種なら、遠距離での攻撃で距離を空けたまま相手を一掃するなど、赤子の手を捻るのと同じこと。
つまりは、もし、特殊能力をミルヴァーニが知ってしまった場合、距離を取られるのは確実。さらに、外交官ともなれば、少しの時間で特殊能力を知るのなんてのは造作もないことで。
......それを防ぐためか、全領地には共通したルールがある。[両者、互いの種を既知であること]、ミルヴァーニに種族を言わないことは、このルールに反するため、言わなくてはならない。
・・・大丈夫。アミネス曰く、五千年前の種族戦争で数多の種族が絶滅した。ウィル種もその内に入っているらしいし、特殊能力を知ってはずがないんだよ。
「ルールに従って、俺の種族を教えてやるよ」
この世界で種族を見極める方法はいくつかある。
その中で最も信用性が高く、簡単な方法は一つだけ。
それは、首元に刻まれた種の紋章である。
人は種として生まれた時点で首元にその種族を表す唯一無二の紋章が刻まれ、他領地に入る際の検問所などで種族を示すことに利用される。
他種族同士の決闘では、これを公開する代わりに、口頭で真実を述べるのがルールである。
要は、種族の知識が深ければ深いほど、決闘での勝率は格段に高くなるということ。
アミネスやエイメルすら知らなかった[データ改ざん]は、この駆け引きでは最強だ。
「この私に種族を名乗るなど、特殊能力を教えるのも同然の行為にあると思うべきです」
相変わらずの自信に満ち溢れている。偉そうに、さあさあ言ってみなさい風の口調だった。そんなにエイメル歴が偉いのか?と嫌味的に問いたくなる。
「はいはい、知る訳ないから。自分でハードル上げちゃうと、足引っかかって恥ずかしいのと痛い思いをするだけだぞ。.....なーんて注意をしつつ、本当に特殊能力は言わないからな。種族名だけで我慢しろよな」
「笑止、私の知らない特殊能力など存在しないと、何度言えば分かるのですか?エイメル様の下でどれだけ尽くしてきたことか。四千年前、全ての補佐を担当してきたのですよ。役に立とうと、どれだけ知識を深めたことか。どれだけ神話を復唱したことか。さあ、名乗るがいいです。後悔の始まり・・・」
「ウィル種ね」
話が長くなりそうなので、遮るように自己紹介。でも、実は終わろうとしていたのにオチを邪魔した形に。
今までのちょっとした会話からしたら激怒してくると思われる行為だ。それなのに何故、沈黙が訪れたか。
「・・・・・・・・・・・・は?」
・・・ホント、理由は明白だよな。
「やっぱり、知らないよな」
「かぁっ」
ため息混じりに落胆の意を乗せて言ってみた。
どんどんとミルヴァーニの顔が熟していくのがよく分かる。そりゃそうだ。あれだけ傲慢に語った後なのだから。
ここで一つ、感想を申し上げたい。
・・・ヤバイくらいにスゴく楽しい。
アミネスから一方的にされる側からの転換、謎の快感が気持ちいい。高揚感とも言える。
本心から言えば、ずっとこのままでいる方の選択肢を選びたいのだが、グッと抑えて状況を進行させなければ。
「んじゃまあ、お前は女神種で特殊能力は[魔力増幅]、俺はウィル種って分かったところで、始めますかっ」
すぐにでも始めようとするせっかちなカイザンを、ミルヴァーニが慌てて引き止めようとする。
「まっ待ってください。せめて、特殊能力だけでもお教え願いたいのですが」
急に正しい敬語に戻り、下手に回って出て交渉を始めてきた。
然しものミルヴァーニも焦る。一応はエイメルを倒した種族。当初は卑怯な手でも使ったんじゃないかとの推測も、カイザンの特殊能力が不明とあればどうしようもない。
・・・せめて特殊能力だけって、その交渉は特殊能力が全てだろうよ。
カイザン的結論は、もちろん教えないに決まっている。男が一度言ったら有言実行。女性にも理解してほしいものだ。
「知ってるから不要とかって言ってたのはお前だろ。それに、このルールに強制力は存在しないらしいな。なら、時間は有限、あれだけ自信があったんだし、さっさと始めちまおうぜ」
「ああああああいやあのその、私の特殊能力は知られていて、カイザン様の特殊能力を知らないのはどうかと。ああ、ももちろん、身勝手な要求であることは理解しています。それでも、お教え願いたいのです」
あの反応があって以来、カイザンの上から目線とミルヴァーニの下から目線への変化はとても著しい。借金の取り立て人と返済者と言ったら、誰もが信じる光景だ。
このままだと、一向に話が進まない気がする。...側から見てそう思った少女が一人。
「あの、カイザンさん」
無意味な口論交渉の中、仲介するようにアミネスが割り込んだ。
ミルヴァーニが一瞬だけ久しぶりの再会で乙女な顔になり、カイザンが何の用?と眉尻を少し下げる。
両方からの違う反応に挟まれ、原形を留めたままの顔で答えた。
「早くしてもらえませんか?」
・・・急にシンプルなの。
言葉に一切の工夫がない。これはどうしたものか。
普通に返すべき、との答えに至るまで脳内感覚一分、現実で二秒を費やした。
「俺だってさっさと終わらせたいんだよ。それなのに、こいつがいつまでも駄々をこね続けるから困ってんだよ」
・・・自分で教えなくていいって言ったのにやっぱり教えろとか、どんだけ傲慢なんだよ。女神領領主か?ってんだよ。
そんなことを大罪抜きでしていいのは、全大陸で一人だけだ。
「私はただ、平等な条件で決闘を行いたいと言っているだけで」
「ほら、こねてる」
「どこがですか?」
ミルヴァーニが言い返すよりも早く、アミネスが反射的にツッコミを入れた。
いつも通りの変わらぬ通常運行。勝てる気が益々倍増した気分に。
一方でミルヴァーニは、先程の指摘を真摯に受け止めて。
「ぬぅ・・・・・分かりました。全てを語らなくていいと申し上げたのは確かに私です。それに、同意者側の権限もあることですし、仕方がありません。このままで始めましょう」
悔しそうに顔を顰め、小鼻を膨らます。テンションだだ下がり、二人きりの個室でされたら言葉が出ないくらいに。
・・・なんか、敗北を受け入れたみたいな。...まあ、それはそれで良いんだけど。
さっきから同意者側の権限がどうとか言っていたけど、たぶんカイザンにとって良いこと。
「一応聞くけど、本当にいいんだよな?」
「はい」
交渉と言える交渉はなかったが、何とか秘密は守り抜けた。
こういう時、人は安心して何故だか現状報告を口にするものだ。
「ふぅー、やっと負けてくれたか」
「えっ、私、負けたんですか?」
「交渉に関してですよ」
明らかにミルヴァーニの言語理解が狂い始めている。
本気で聞いてきたもんだから笑いそうになった。あと少しで哄笑していたかもしれない。
何にせよ、ミルヴァーニが負けるという事に対して敏感になっている証拠。アミネスがフォローを入れてなければ、カイザンはそういうことにしていただろう。誰も嘘なんてついてないからね。
「そうだ、丁度良かったよ。アミネス、決闘には、細かい原則とかあったりするのか?」
アミネスと仲良いアピールのため、ミルヴァーニには聞かない。
その意図に薄々気付きながら、
「重要なのだと、審判が一人だけ必要であるとかそういうのくらいです。あとは、両者の準備が出来次第、開始です。....あぁ、私は審判しませんから」
二人の視線から何かを感じたのか、アミネスが前もって役を断った。
カイザンが小さく舌打ちしたのが微かに聞こえた。
「そうか。原則の下とか言っても、意外と自由極まりないんだな」
自由と言っても、審判が必要なことが面倒であることに変わりはない。結局は第三者に勝敗を決められるからだ。
・・・審判、か。いよいよ何かの試合みたいだな。
そう思って周りを見てみれば、カイザンたちが転送されてから未だにあたふたと慌てているハイゼルはとりあえず置いておくとして、他の女神種たちが中央広場を囲むように見守っている大観衆状態になっていた。
あの時の同じ、いや、それ以上の数。まったくもって、計画通り。これならカイザンの支持者はあり得ないくらい多くなってくれるはずだ。記憶力的な問題もあるが、周囲の者たちのほとんどが初めて見る顔ばかり。この決闘に勝つだけで、一体、一石何女神だというのだ。
・・・まあ、条件で言っちゃえば、領主の座を賭けた決闘だもんな。集まらない筈がないか。.....そういや、あん時ってハイゼルが審判やってたっけか?
怖いけど、任せてみよう。
そう思って、あたふた放心状態のハイゼルの両肩を叩いて、目の焦点を合わせる応急処置を施してみる。案の定、よく分からないけど、成功したみたい。
「じゃあ、ハイゼル。審判を頼む」
「・・・・・・・えっ。あっ、はい」
・・・応急処置、失敗か?
点一個につき約二秒の沈黙あり。本当に性格が掴めない。
ちゃんと確認しとかないと、
「おい、俺が何役を頼んだか言ってみろ」
「神官です」
「ダレトクなんだよ、その立場は」
自身たっぷりの元気さで返答されても、ツッコミ免除にはならない。
・・・ミルヴァーニへの条件にハイゼルの教育も含めないとマズイな。終わるよ、この女神領。
審判の件は、アミネスに説明させた。
「では、カイザン様とミルヴァーニ様の決闘の審判、私ハイゼルが担当させていただきます」
文面では分からない震えた声でぎこちなく審判を始めた。エイメルとの時はこんなんじゃなかったのに。
ハイゼルの尋常じゃない異常による掠れた指示に従って広場の中心で二者間の距離を取ろうとした時、
「ハイゼルの審判で大丈夫なのですか?」
不意に本気で心配するように聞いてきた。もちろん、ミルヴァーニから。ハイゼルへの音漏れ防止か、とても声量が小さい。ほとんど予想で内容を推測する。
何でだ?と顔だけで聞き返すと、前屈みになって声をさらに小さくしてきた。釣られて、カイザンも右足を前に出して倒れる姿勢ギリギリで音を拾いにいく。アミネスから見れば、普通に会話すればいいだろうに。の一言で切り捨てれる光景だ。
ミルヴァーニの疑問には納得しかないが、一応長年の理由ってのも聞いておこう。今後の教育方針にも繋がる。
「彼女はですね。働く時にはとても真面目でしっかり者。なのですが、予定が狂ったり、予想外の出来事が連続して起こるとストレスで放心する癖があるんですよ。正に今がそうでしょう」
明らかなる問題点を、ほんと困りましたねと笑みをこぼしながら語るミルヴァーニ。まるで、知っていながら経過を見守るという言い訳で放置したゆとり世代風な。ちょっと、イラッとした。
「その、放心するって、そんな述語的扱いになるくらいヤバイの?」
「はい、公私ともに認める程の」
・・・自分で認めてんならアウトだよ。データ改善の余地なしの重症患者、問題児。
責任者ミルヴァーニの堂々たる態度に言い返す言葉が見当たらず、結果的に審判への不安を増大させて話は終了した。
まあ、大丈夫だろうと信じる他ない。もし、第一審に不服があれば、控訴とか上告をしてしまえばいいさ。その際、アミネスには裁判員として出席してもらおう。これは民事ではなく、刑事裁判ってことで。
そろそろ二人が定位置に着かないとハイゼルがおかしくなるかもなので、近かった距離を決闘基準分に空けて、そそくさと移動を終わらせる。ギリギリで平常心を保させることに成功した。
今から領主の座を賭けた決闘です感の抜けまくった現場の空気は、観覧へと戻ったアミネスを筆頭に、傍観者たる女神たちがそれっぽく雰囲気作りを開始し始め、周辺から中心へと修正が完了している。
・・・んじゃ、良い感じな訳ね。....さっ、違った意味で公私ともに準備万端ってことで。
「じゃあじゃあ早速、始めようか」
緊張とはかけ離れた、気の抜けた声で開始宣言がされた。
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