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第零武将 始まりは一通のメール
2 始まりは一通のメール
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「なに人の部屋でお酒なんて飲んでんのよ」
飲んでいたお酒を奪い取るが、ベッドには空になった徳利が何本も転がっていた。
これだけのお酒を飲んでいるのでは、話が聞ける状態ではなさそうだと溜息を吐くと、またも視線を感じ振り返る。
だがここは私の部屋であり、いるのはミニ武将と私だけ。
やはり気のせいなのだろうかと思ったその時、聞きなれない声が背後から聞こえベッドへと視線を戻すと、そこには忍者姿のミニキャラが一人増えていた。
「海月の護衛ご苦労だったな」
「幸村様がいない今、仕方なくだ」
信玄と話すその忍者に兎に角状況が飲み込めず、酔っぱらい武将は放って忍び姿のミニキャラに説明を求める。
面倒くさそうに忍びは溜息を吐くと、今起こっていることを話始めた。
先ずこの忍びは真田十勇士の一人、猿飛 佐助。
自分のことをワシという、見た目は若いが年寄りのような言葉を話すのが、武田 信玄。
なんだか自分のことを俺様と言い偉そうな眼帯ミニ武将は、伊達 政宗。
そして、自分のことを私と言い丁寧な言葉で話すのが、上杉 謙信。
武将には興味がない私も高校生。
今話しで聞いた人物の名くらいは知っている。
着物を着ているためミニ武将とは思っていたものの、まさかの有名な武将ばかり。
「で、なんでその武将達がミニ武将になって私の前に現れたわけ」
ここが一番重要な事なのだが、佐助の返事は知らねぇの一言。
自分達がすでにこの世にいない人物であることは知っているようだが、突然こんな姿になり私の部屋に現れた理由はわからないらしく、ただ皆の記憶にあるのは、あのメールを送った記憶のみだという。
「でも、私がもらったメールは一通なんだけど」
「昨日の話は聞かせてもらったが、ここにいる武将達はアンタに手紙を送っている」
嘘をついているようにも見えないが、更に謎は深まるばかりだ。
だからといって自分のベッドの上で眠ったり宴会をされては迷惑なため、私は空き箱を用意すると、そこにタオルを敷き寝床を作る。
あっという間に完成した寝床箱を机に置くと、ミニ武将達が静かなことに気づき視線を向ける。
ベッドでは3人の武将が寝息を立て眠っており、この隙にと、一人ずつそっと作ったばかりの寝床に寝かせ、上に一枚掛け布団がわりにタオルを掛ける。
これでよしと思ったが、佐助の入るスペースがないことに気づき、もう一つ作ろうとする。
だが、俺はここでいいと言い、佐助は机の上に座る。
このままでは風邪を引くといけないため、せめてタオルだけでも使うように渡すと、佐助は無言のまま受け取りタオルを背中から羽織った。
机の上で眠れるのだろうかと思いながら、私は自室を出て夕食とお風呂を済ませ部屋に戻る。
箱の中ではぐっすりとミニ武将達が眠っており、箱の横では机の上に座り目を閉じている佐助の姿がある。
座りながら眠れるなんて流石忍びだなと思い見詰めていると、何か用かと声をかけられ、寝ているとばかり思っていたため驚いてしまう。
「起きてたんだ」
「気配で起きた」
忍びは気配だけでわかると何かで見たことがあるが、そっと部屋に入ったというのにわかってしまうなんて、やはり本物だけある。
その時、今日1日のことを思い出し、何故佐助は自分の護衛をしていたのか尋ねてみると、任務について話すわけがないと言われてしまった。
確か話では信玄が佐助に頼んだようだったが、いくら考えたところでわかるはずもない。
「明日も学校があるんだろ。寝たらどうだ」
「うん。そうだね」
またお母さんに怒鳴られ起こされるのは嫌なため、今日は早く寝ようと何時もより早めに布団に入る。
いろんなことが謎だらけだが、考えたところでこんな不思議な出来事の理由などわかるはずもないと諦め、その日は眠りにつく。
翌朝。
お母さんに起こされることもなく、何時もより早めに目覚めたが、全然爽やかではなかった。
何故なら、朝の4時にミニ武将達に起こされたからだ。
いくらなんでも早すぎる時間だが、ミニ武将達が寝たのは自分が眠るよりもっと早く、この時間に目覚めても可笑しくはない。
だが、あれだけのお酒を飲んで平然としていられるミニ武将達は、一体どういう体の作りをしているんだと苦笑いを浮かべる。
「これで今日は遅刻せずにすむな」
「母親にも起こされなくてすむしな」
「これからは安心して夜更かししてくださいね」
得意気の3人だが、これが毎朝続くなど安心できるはずもなく、明日からは目覚ましをかけるから起こさなくて結構と断った。
そして二度目の眠りについたが寝すぎてしまい、お母さんに怒鳴られ起こされ、またも遅刻ギリギリで学校へ行く私の姿をミニ武将達はやれやれといった様子で見送る。
「な、なんとか間に合った」
「昨日同様ギリギリだがな」
どこからか声がしキョロキョロと周りを見ると、背後から美海に肩を叩かれ、どうかした、と心配されてしまう。
何でもないと誤魔化すが、今の声は気のせいだったのだろうかと視線を前に向けると、机の上に佐助が立っており、つい驚きの声を漏らしそうになり、手で自分の口を押さえた。
誰かに見られてはいけないと思い鞄に隠そうとしたが、すでに佐助の姿は消えていた。
それからお昼時間になり、私は人気のない場所まで行くと見えない佐助に呼び掛ける。
昨日の様に信玄に頼まれ護衛をしているのだとしたら、後を着いてきているに違いない。
そしてその予想は当たり、私の前に佐助が姿を現した。
「護衛の理由は教えてくれないのはわかったけど、朝みたいなことは止めてよね。誰かに見られたらどうするの」
「ふん、そんなへまを俺がする訳ねぇだろ」
鼻を鳴らし答えると、佐助はまた姿を消してしまう。
いくら有名な忍びとはいえ、私からしたらヒヤヒヤしてしまうが、その後無事に授業を終え下校時間となった。
家へと帰るとミニ武将達が騒いでいる姿を目にし、またも怒りの声を上げる。
飲んでいたお酒を奪い取るが、ベッドには空になった徳利が何本も転がっていた。
これだけのお酒を飲んでいるのでは、話が聞ける状態ではなさそうだと溜息を吐くと、またも視線を感じ振り返る。
だがここは私の部屋であり、いるのはミニ武将と私だけ。
やはり気のせいなのだろうかと思ったその時、聞きなれない声が背後から聞こえベッドへと視線を戻すと、そこには忍者姿のミニキャラが一人増えていた。
「海月の護衛ご苦労だったな」
「幸村様がいない今、仕方なくだ」
信玄と話すその忍者に兎に角状況が飲み込めず、酔っぱらい武将は放って忍び姿のミニキャラに説明を求める。
面倒くさそうに忍びは溜息を吐くと、今起こっていることを話始めた。
先ずこの忍びは真田十勇士の一人、猿飛 佐助。
自分のことをワシという、見た目は若いが年寄りのような言葉を話すのが、武田 信玄。
なんだか自分のことを俺様と言い偉そうな眼帯ミニ武将は、伊達 政宗。
そして、自分のことを私と言い丁寧な言葉で話すのが、上杉 謙信。
武将には興味がない私も高校生。
今話しで聞いた人物の名くらいは知っている。
着物を着ているためミニ武将とは思っていたものの、まさかの有名な武将ばかり。
「で、なんでその武将達がミニ武将になって私の前に現れたわけ」
ここが一番重要な事なのだが、佐助の返事は知らねぇの一言。
自分達がすでにこの世にいない人物であることは知っているようだが、突然こんな姿になり私の部屋に現れた理由はわからないらしく、ただ皆の記憶にあるのは、あのメールを送った記憶のみだという。
「でも、私がもらったメールは一通なんだけど」
「昨日の話は聞かせてもらったが、ここにいる武将達はアンタに手紙を送っている」
嘘をついているようにも見えないが、更に謎は深まるばかりだ。
だからといって自分のベッドの上で眠ったり宴会をされては迷惑なため、私は空き箱を用意すると、そこにタオルを敷き寝床を作る。
あっという間に完成した寝床箱を机に置くと、ミニ武将達が静かなことに気づき視線を向ける。
ベッドでは3人の武将が寝息を立て眠っており、この隙にと、一人ずつそっと作ったばかりの寝床に寝かせ、上に一枚掛け布団がわりにタオルを掛ける。
これでよしと思ったが、佐助の入るスペースがないことに気づき、もう一つ作ろうとする。
だが、俺はここでいいと言い、佐助は机の上に座る。
このままでは風邪を引くといけないため、せめてタオルだけでも使うように渡すと、佐助は無言のまま受け取りタオルを背中から羽織った。
机の上で眠れるのだろうかと思いながら、私は自室を出て夕食とお風呂を済ませ部屋に戻る。
箱の中ではぐっすりとミニ武将達が眠っており、箱の横では机の上に座り目を閉じている佐助の姿がある。
座りながら眠れるなんて流石忍びだなと思い見詰めていると、何か用かと声をかけられ、寝ているとばかり思っていたため驚いてしまう。
「起きてたんだ」
「気配で起きた」
忍びは気配だけでわかると何かで見たことがあるが、そっと部屋に入ったというのにわかってしまうなんて、やはり本物だけある。
その時、今日1日のことを思い出し、何故佐助は自分の護衛をしていたのか尋ねてみると、任務について話すわけがないと言われてしまった。
確か話では信玄が佐助に頼んだようだったが、いくら考えたところでわかるはずもない。
「明日も学校があるんだろ。寝たらどうだ」
「うん。そうだね」
またお母さんに怒鳴られ起こされるのは嫌なため、今日は早く寝ようと何時もより早めに布団に入る。
いろんなことが謎だらけだが、考えたところでこんな不思議な出来事の理由などわかるはずもないと諦め、その日は眠りにつく。
翌朝。
お母さんに起こされることもなく、何時もより早めに目覚めたが、全然爽やかではなかった。
何故なら、朝の4時にミニ武将達に起こされたからだ。
いくらなんでも早すぎる時間だが、ミニ武将達が寝たのは自分が眠るよりもっと早く、この時間に目覚めても可笑しくはない。
だが、あれだけのお酒を飲んで平然としていられるミニ武将達は、一体どういう体の作りをしているんだと苦笑いを浮かべる。
「これで今日は遅刻せずにすむな」
「母親にも起こされなくてすむしな」
「これからは安心して夜更かししてくださいね」
得意気の3人だが、これが毎朝続くなど安心できるはずもなく、明日からは目覚ましをかけるから起こさなくて結構と断った。
そして二度目の眠りについたが寝すぎてしまい、お母さんに怒鳴られ起こされ、またも遅刻ギリギリで学校へ行く私の姿をミニ武将達はやれやれといった様子で見送る。
「な、なんとか間に合った」
「昨日同様ギリギリだがな」
どこからか声がしキョロキョロと周りを見ると、背後から美海に肩を叩かれ、どうかした、と心配されてしまう。
何でもないと誤魔化すが、今の声は気のせいだったのだろうかと視線を前に向けると、机の上に佐助が立っており、つい驚きの声を漏らしそうになり、手で自分の口を押さえた。
誰かに見られてはいけないと思い鞄に隠そうとしたが、すでに佐助の姿は消えていた。
それからお昼時間になり、私は人気のない場所まで行くと見えない佐助に呼び掛ける。
昨日の様に信玄に頼まれ護衛をしているのだとしたら、後を着いてきているに違いない。
そしてその予想は当たり、私の前に佐助が姿を現した。
「護衛の理由は教えてくれないのはわかったけど、朝みたいなことは止めてよね。誰かに見られたらどうするの」
「ふん、そんなへまを俺がする訳ねぇだろ」
鼻を鳴らし答えると、佐助はまた姿を消してしまう。
いくら有名な忍びとはいえ、私からしたらヒヤヒヤしてしまうが、その後無事に授業を終え下校時間となった。
家へと帰るとミニ武将達が騒いでいる姿を目にし、またも怒りの声を上げる。
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