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妖精魔法学校の女神と先生《騎士》/テーマ:私にしか出来ないこと
1 妖精魔法学校の女神と先生《騎士》
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私が十八歳で通うことになった精霊魔法学校。
初日である今日は、精霊と契約をする。
魔法学校に入って精霊を召喚するまで、自分が何属性に適しているのか知ることはできない。
契約を終えたあとは、その属性に適したクラスに振り分けられ勉強をするわけだが、そんな初日の精霊召喚で、私はとんでもない事態になっていた。
皆が次々と契約していく中、私の番がきて召喚したら、何故か精霊が六人出てきた。
一人は風、一人は火、一人は水、一人は土、一人は闇、一人は光。
先生の話では、召喚される精霊は一人で、中には二つの属性の精霊が出ることもあると言っていたけど、その場合は片方の精霊と契約すると言っていた。
だが、私の前にいるのは六人全ての属性をつかさどる精霊。
「先生、これはどうしたら……」
「と、兎に角全精霊と契約をしなさい」
そう言われ私は、六人全ての精霊と契約を結んだ。
勿論周りはザワザワしだすし、先生もまだ驚いているのか固まっている。
よくわからないが、六人の精霊が召喚されるのはそんなに珍しいことなんだろうか。
それに、一人につき一体の精霊契約ではなかったのか。
モヤモヤとしながら考えていると、その場にいた属性ごとの担当の先生が皆のクラスを分け教室に向かう中、私だけが残された。
一人その場にポツンとしていると、一人の男性がこっちに来た。
生徒にしては年上な気がするし、先生にしては若い。
「おい貴様、黙ってついてこい」
そう言ってスタスタと歩く男性の後をわけもわからないままついていく。
こんな粗暴な口調の人が先生とも思えないし、一体何者なのか。
先生にあの場で待つように言われたけど、この人についていっていいんだろうか。
「あの、私先生にあの場で待つように言われていて」
「黙ってついてこいと言ったはずだ」
話すらきかないし態度も悪い。
もし先生にあとから言われても、全部この人のせいだと言ってやると考えているうちに、男性の足が止まる。
どうやら目的の場所についたようだ。
この目の前の扉の先がそうなんだろう。
男性が扉を開け中へ入ったので、私も後に続く。
「凄い……」
部屋の中を見て、私はつい言葉を発する。
中は凄くゴーカで、お金持ちの部屋といったイメージ。
まさかこの男性はどこぞのお金持ちなんじゃと視線を向けると、バチリと目が合う。
サッと目を逸らすと、男性は豪華なソファにボスっと座り、向にあるソファに私も座るよう促してきた。
言われた通りソファに座ると、男性は淡々と話し出す。
その内容は私には理解できず、一体なんの話なのか尋ねれば、男性は溜息を一つ吐き口を開く。
この世界には四つの国があるのは知っているが、その各国の国には一人女神が存在する。
初めてきく女神という存在に、私は黙って男性の話に耳を傾けた。
女神となる人物は全属性を操ることができ、その国を守る者とされてきた。
だがその女神がいつ誕生するかはわからない。
わかっていることは二つ。
女神が現れたとき、他の国にも女神が同じく誕生する。
そして一番の問題が、女神が誕生すると災いが起こるとされていること。
「もう知ってるヤツも少ねえ。昔の書物によれば、女神現れしとき、黒き魔物が世界を覆うと記されてる。んで、貴様がその女神ってわけだ」
「つまり、今他の三国にも私と同じ様に全属性と契約した人が誕生していて、それは災いがやってくる事を意味してるわけですね」
話はわかったけど、何か自分が思っていたよりとんでもないことになってる。
女神だとか黒き魔物とか、私は普通に魔法使いとして入学しただけなのに何でこんなことになるのか。
私なんかより絶対にもっといい人がいたはず。
「ところで、こんな話を知ってるアナタは何者何ですか?」
「俺はこれからお前に魔法を教える担当教師のワルダーだ。いつ女神が誕生するかわからねーから、代々俺の家系が女神がいつ誕生してもいいように備えてたんだ」
こんな人が先生、それも私の担当かと思うと正直溜息が漏れそうになる。
最初からずっと態度も口調も悪くて、こんな人に何を教われというのか。
初日である今日は、精霊と契約をする。
魔法学校に入って精霊を召喚するまで、自分が何属性に適しているのか知ることはできない。
契約を終えたあとは、その属性に適したクラスに振り分けられ勉強をするわけだが、そんな初日の精霊召喚で、私はとんでもない事態になっていた。
皆が次々と契約していく中、私の番がきて召喚したら、何故か精霊が六人出てきた。
一人は風、一人は火、一人は水、一人は土、一人は闇、一人は光。
先生の話では、召喚される精霊は一人で、中には二つの属性の精霊が出ることもあると言っていたけど、その場合は片方の精霊と契約すると言っていた。
だが、私の前にいるのは六人全ての属性をつかさどる精霊。
「先生、これはどうしたら……」
「と、兎に角全精霊と契約をしなさい」
そう言われ私は、六人全ての精霊と契約を結んだ。
勿論周りはザワザワしだすし、先生もまだ驚いているのか固まっている。
よくわからないが、六人の精霊が召喚されるのはそんなに珍しいことなんだろうか。
それに、一人につき一体の精霊契約ではなかったのか。
モヤモヤとしながら考えていると、その場にいた属性ごとの担当の先生が皆のクラスを分け教室に向かう中、私だけが残された。
一人その場にポツンとしていると、一人の男性がこっちに来た。
生徒にしては年上な気がするし、先生にしては若い。
「おい貴様、黙ってついてこい」
そう言ってスタスタと歩く男性の後をわけもわからないままついていく。
こんな粗暴な口調の人が先生とも思えないし、一体何者なのか。
先生にあの場で待つように言われたけど、この人についていっていいんだろうか。
「あの、私先生にあの場で待つように言われていて」
「黙ってついてこいと言ったはずだ」
話すらきかないし態度も悪い。
もし先生にあとから言われても、全部この人のせいだと言ってやると考えているうちに、男性の足が止まる。
どうやら目的の場所についたようだ。
この目の前の扉の先がそうなんだろう。
男性が扉を開け中へ入ったので、私も後に続く。
「凄い……」
部屋の中を見て、私はつい言葉を発する。
中は凄くゴーカで、お金持ちの部屋といったイメージ。
まさかこの男性はどこぞのお金持ちなんじゃと視線を向けると、バチリと目が合う。
サッと目を逸らすと、男性は豪華なソファにボスっと座り、向にあるソファに私も座るよう促してきた。
言われた通りソファに座ると、男性は淡々と話し出す。
その内容は私には理解できず、一体なんの話なのか尋ねれば、男性は溜息を一つ吐き口を開く。
この世界には四つの国があるのは知っているが、その各国の国には一人女神が存在する。
初めてきく女神という存在に、私は黙って男性の話に耳を傾けた。
女神となる人物は全属性を操ることができ、その国を守る者とされてきた。
だがその女神がいつ誕生するかはわからない。
わかっていることは二つ。
女神が現れたとき、他の国にも女神が同じく誕生する。
そして一番の問題が、女神が誕生すると災いが起こるとされていること。
「もう知ってるヤツも少ねえ。昔の書物によれば、女神現れしとき、黒き魔物が世界を覆うと記されてる。んで、貴様がその女神ってわけだ」
「つまり、今他の三国にも私と同じ様に全属性と契約した人が誕生していて、それは災いがやってくる事を意味してるわけですね」
話はわかったけど、何か自分が思っていたよりとんでもないことになってる。
女神だとか黒き魔物とか、私は普通に魔法使いとして入学しただけなのに何でこんなことになるのか。
私なんかより絶対にもっといい人がいたはず。
「ところで、こんな話を知ってるアナタは何者何ですか?」
「俺はこれからお前に魔法を教える担当教師のワルダーだ。いつ女神が誕生するかわからねーから、代々俺の家系が女神がいつ誕生してもいいように備えてたんだ」
こんな人が先生、それも私の担当かと思うと正直溜息が漏れそうになる。
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