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第一章 ソシャゲの課金を止めるには?
#16:休憩! - 3
しおりを挟む「先輩はソシャゲやったことあります?」
「ソーシャルゲーム? うーん、ないな。知ってはいても、俺の人生に携帯でゲームしたことはない」
おそらく先輩のように、ソシャゲをやらないリスナーは確実にいるだろう。ソシャゲに課金してまで熱中するプレイヤーのことは理解し難い。だからこそ、お金がなきゃソシャゲに課金できないわけで、それで終わらせられる、と思っている。
「残念ながら、それは甘いんすよ。先輩」
「え、甘いって?」
「ソシャゲは無課金で始めても、いとも簡単に課金できてしまう仕組みがあるんです。うまくゲーム内で誘導されて少額課金をしてしまう。始めると、どんどん膨らむ。だから、やがて重課金まで及んでしまう。アプリを消しても、またダウンロードしてしまうから、ソシャゲ中毒者は有効じゃない。今回は未成年なので親に伝えることができれば、対処もしようはありますが、携帯没収された場合には緊急時の連絡ができなくなりますからね」
「やっぱ今日の相談は難しいのか。それじゃあ課金しない未来はないのか」
「いや、そもそも課金なんて一切できなくなる究極の答えを、俺は知ってますけどね」
後ろに寄りかかって腕組みをしていた先輩が、腕を解いて体を前のめりに身を乗り出した。
「え。答えあるのかよ? 究極の答えって?」
「そりゃあ事故れば、ゲームができなくなる。脳死状態ならできません」
「おいおい。怖いこと言うなよ!」
「まぁ、冗談ですけどね。でも歩きスマホでソシャゲやって事故るケースもあるから、できればソシャゲとの距離を考えてプレイできるユーザーではありたい」
「ソシャゲとの距離?」
「今回の場合、友達の家で遊んだりすることがあるとか言ってたけど、恐らく電車とかでも移動中にやったりしてると思う。だから、助言次第で、スマホのスクリーンタイムを減らせられるアドバイスってやつが、今日の要になる」
「スマホのスクリーンタイム?」
パティシエはカウンターの内側で再び腕を組みながら、目をパチパチと瞬いた。ピンと来ないらしい。
「さぁて。後半戦をやっていきますか!」
流していたフリーBGMを止めた。休憩を挟むときだけ、音楽を流しているのだ。凸者との会話中のときは話が真剣になることもあり、その間BGMは流していない。
俺は自分の声を、消音から外した。流れるコメントには〈お!〉〈きた!!!!!!〉〈おかえり〉〈待ってた〉〈早よ〉〈待ちくたびれた!〉〈おか~〉と、さまざまな声が流れた。
「おつおつおつおつおつ。さてさて鉈チャンネルの前半は、カズキくんからの悩みを重点的に聞いてきました。《ソシャゲの課金を止めるには?》という悩みの質問です。で、後半に入る前にですね、ここで、スペシャルゥ~なっゲストのご紹介コーナーに入ります! 今回は、事前に収録してきました。コメは見ながら自由に打ってくれ。それでは配信画面に映像を流しまぁす! こちらをどうぞ!」
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