112 / 204
ターニングポイント
★109:盤さんにプライベートなことも根ほり葉ほり聞いちゃうぞ!特別収録 in パワレコ
しおりを挟む―『もう仕方ないですね。良いでしょう。ご質問に付き合ってあげます。さぁ、なんでもどうぞ』
―『ずばり聞くんですけど、英華さんって家ではまったくゲームをしないんですか?』
―『ついに来ましたね?』
―『来ましたとは?』
―『困ったときの奥の手。僕が答えづらそうな質問をして困らせたいんでしょ?』
―『いえいえ。さっきの仕返し、とかではないですから!』
―『絶対そうだ』
―『答えたくないなら別にスルーでも構いませんが』
―『いえ。大丈夫です。ばっちりハッキリ答えられます!』
―『なんだ。答えられるんじゃないですか。もう~。それで、盤さん。どうなんです?』
―『彼女は家でゲームを』
―『ゲームを?』
―『ときどきやってます』
―『えっ!』
―『ちなみに新情報です』
―『ええ。私の知る範囲では、家でゲームをしないって』
―『それは結構前のテレビで言ってたことじゃないかな。だから超最近の話じゃないと思うけど』
―『ゲームしてたのを実際に見たってことですか!』
―『見ましたよ。ソシャゲやってました』
―『つまり、スマホゲームですか!』
―『だって聞かれましたから。課金はどうやるのって』
―『なんか意外ですね!』
―『意外というか…まぁそうですね。レアかもしれないですね。初課金に立ち会いましたから』
―『正直、本当に意外なお話です。では別の角度から再び、ご質問をさせていただきます』
―『なるほど。まだ続くんですね。どうぞ、どうぞ。何でも聞いてください』
―『盤さんが今まで生きてきた人生の中で、意外だなって思ったケースを教えてください』
―『え。人生の中で?』
―『そうです。ご年齢31歳でしたよね?』
―『そうです、けど…31年間の中で、ですか…』
―『あらら。ご質問、難しかったかしら?』
―『ちょっと面を喰らっただけですから』
―『なるほど。難しい質問にも答えられると!』
―『難しくはないですよ。そうですね、うーんと、ちょっと昔の話をしてもいいですか?』
―『昔の話ですか?』
―『僕が高校生の頃の話です。ちょっと長くなるかもしれませんが』
―『大丈夫です。時間はあるので、ぜひ聞きたいです』
―『実は隣の家のお子さんの面倒をみてた時期がありまして』
―『へぇ。それって、ずばりゲームして一緒に遊んだりしてたんですか?』
―『察しが良いですね。まさに、その通りなんですけど、ハッとさせられたことがあるんですよ』
―『ハッとする?』
―『今では古のゲームと言われるエルムスター外伝というタイトルのゲームなんですけど、とにかく謎解き要素がたくさん盛り込まれていたゲームなんですね』
―『それ知ってます! 私の弟が凄くハマってたゲームです!』
―『あ、そうなんですね! 野世さんもプレイ済ですか?』
―『いえ。未プレイです』
―『ちょっと真顔で返さないでくださいよ!』
―『すみません。私は、謎解きとか苦手なので、そういうゲームはやらなかったんです。盤さんは、そのお子さんと結構ハマってプレイしてたんですか?』
―『僕がハマるというよりかは、面倒みてた子供の方がハマってプレイしてましたね。だから、あるとき難しい謎解きに直面して、お兄ちゃんどうすれば解けるか聞かれたんです』
―『なるほど。それは答えないといけない場面ですね?』
―『そうなんですよ。でも僕も謎解きは結構得意な方なんですよ。ちょっと頭捻れば解けるだろうと思って考えてたら、お兄ちゃん解けたよって言われました』
―『先に、お子さんが問いちゃったんですね!』
―『嬉しそうに僕に謎解きの解き方を教えてくれるんですけど、今まで出来なかった謎解きを僕が教えてあげてたのに、まさか先に越されるとは思わなくて。逆に子供の閃きを目の当たりにして、凄いっていうか軽く衝撃を受けた感じでした』
―『子供の成長って、びっくりしますもんね』
―『そうなんですけど、時間を掛ければ解けない謎はない、って、ちょっとそういう上から目線的な自信が、どこかで自分にはあったんですよね。当時の僕は、言っちゃあなんだけど成績も悪くなかったから、どこか余裕ぶってたところもあったんです。でも子供の閃きのスピードには勝てない。直ぐに解けなかった自分にショックも受けたし、逆に驕ってた自分に気付けたというか』
―『ターニングポイントだったんですね?』
―『そうとも言いますね。そのことが、あってからは死ぬほど更に勉強したんですよ。絶対ムリだろうなって思ってた大学に受かって、在学中に動画投稿を始めるようになったんですけど、社会人のときは広告代理店に勤めながら、家で配信活動をやるようになって、結局は仕事辞めて配信メインになりましたけどね。だから、こういう未来になるとは自分でも思ってなかったので、振り返って考えてみるときに意外だなって思うことがあります』
―『凄い。盤さんの人生に、かなり影響する出来事だったんですね。ちなみに、そのお子さんは今どうしてるんですか?』
―『えっと、どうなんでしょうか。僕は引っ越してしまったので、どんな風に成長したのか殆ど知らないんです。でも、また会えたら改めてゆっくり聞いてみたいですね』
41
お気に入りに追加
48
あなたにおすすめの小説
【完結】今後の鉈枠は、
ほわとじゅら
BL
高校時代に知り合う先輩後輩:
ちょっとワケありパティシエ(31歳・先輩)x傾聴力に長けた人気の相談系配信者(29歳・後輩)
▶配信活動7年目を迎える求宮宗武(もとみやむなたけ)は、自身で立ち上げた鉈(なた)チャンネルの配信者・鉈ちゃんという活動名で、今日も凸者(とつしゃ)からの悩みや相談事に耳を傾けていた。
凸者とは、配信にやってくる者を指すネット用語の一つである。宗武はMC鉈ちゃんとして、鉈のリスナー(通称:鉈リス)や、ときに鉈リスではない一般人または配信者自身からの悩みや相談事を取り上げる相談系配信者で活動していた。いまや登録者数、50万人へと到達目前だった。
そんなある日、高校時代の先輩である近江大(おうみまさる)と再会する。二つ年上の近江は、近所にあるライブキッチンで、イートインで美味しいスイーツが食べられる2か月限定の店舗OUMI・PÂTISSERIES(オウミ・パティスリー)をオープンした。
卒業以来となる近江先輩と再会祝いに飲み明かした日、宗武は酔いつぶれた先輩を家に送り届けるが、部屋に入った瞬間、そこには宗武のキャラクターが、びっしりと埋まる部屋!?
高校時代から淡い恋心を持っていた宗武は、まさかのガチ恋リスナーに変貌していた近江先輩に驚愕するとき、二人の距離感は加速度的に変化していく――リスナーx配信者の物語。
★は、リアルな配信アーカイブのエピソードです
※本作は完全フィクションのオリジナル作品です
男だけど女性Vtuberを演じていたら現実で、メス堕ちしてしまったお話
ボッチなお地蔵さん
BL
中村るいは、今勢いがあるVTuber事務所が2期生を募集しているというツイートを見てすぐに応募をする。無事、合格して気分が上がっている最中に送られてきた自分が使うアバターのイラストを見ると女性のアバターだった。自分は男なのに…
結局、その女性アバターでVTuberを始めるのだが、女性VTuberを演じていたら現実でも影響が出始めて…!?
ポメラニアンになった僕は初めて愛を知る【完結】
君影 ルナ
BL
動物大好き包容力カンスト攻め
×
愛を知らない薄幸系ポメ受け
が、お互いに癒され幸せになっていくほのぼのストーリー
────────
※物語の構成上、受けの過去が苦しいものになっております。
※この話をざっくり言うなら、攻めによる受けよしよし話。
※攻めは親バカ炸裂するレベルで動物(後の受け)好き。
※受けは「癒しとは何だ?」と首を傾げるレベルで愛や幸せに疎い。
【BL】国民的アイドルグループ内でBLなんて勘弁してください。
白猫
BL
国民的アイドルグループ【kasis】のメンバーである、片桐悠真(18)は悩んでいた。
最近どうも自分がおかしい。まさに悪い夢のようだ。ノーマルだったはずのこの自分が。
(同じグループにいる王子様系アイドルに恋をしてしまったかもしれないなんて……!)
(勘違いだよな? そうに決まってる!)
気のせいであることを確認しようとすればするほどドツボにハマっていき……。
学祭で女装してたら一目惚れされた。
ちろこ
BL
目の前に立っているこの無駄に良い顔のこの男はなんだ?え?俺に惚れた?男の俺に?え?女だと思った?…な、なるほど…え?俺が本当に好き?いや…俺男なんだけど…
強制的にダンジョンに閉じ込められ配信を始めた俺、吸血鬼に進化するがエロい衝動を抑えきれない
ぐうのすけ
ファンタジー
朝起きると美人予言者が俺を訪ねて来る。
「どうも、予言者です。あなたがダンジョンで配信をしないと日本人の半分近くが死にます。さあ、行きましょう」
そして俺は黒服マッチョに両脇を抱えられて黒塗りの車に乗せられ、日本に1つしかないダンジョンに移動する。
『ダンジョン配信の義務さえ果たせばハーレムをお約束します』
『ダンジョン配信の義務さえ果たせば一生お金の心配はいりません』
「いや、それより自由をください!!」
俺は進化して力を手に入れるが、その力にはトラップがあった。
「吸血鬼、だと!バンパイア=エロだと相場は決まっている!」
【完結】気が付いたらマッチョなblゲーの主人公になっていた件
白井のわ
BL
雄っぱいが大好きな俺は、気が付いたら大好きなblゲーの主人公になっていた。
最初から好感度MAXのマッチョな攻略対象達に迫られて正直心臓がもちそうもない。
いつも俺を第一に考えてくれる幼なじみ、優しいイケオジの先生、憧れの先輩、皆とのイチャイチャハーレムエンドを目指す俺の学園生活が今始まる。
【完結】私立秀麗学園高校ホスト科⭐︎
亜沙美多郎
BL
本編完結!番外編も無事完結しました♡
「私立秀麗学園高校ホスト科」とは、通常の必須科目に加え、顔面偏差値やスタイルまでもが受験合格の要因となる。芸能界を目指す(もしくは既に芸能活動をしている)人が多く在籍している男子校。
そんな煌びやかな高校に、中学生まで虐められっ子だった僕が何故か合格!
更にいきなり生徒会に入るわ、両思いになるわ……一体何が起こってるんでしょう……。
これまでとは真逆の生活を送る事に戸惑いながらも、好きな人の為、自分の為に強くなろうと奮闘する毎日。
友達や恋人に守られながらも、無自覚に周りをキュンキュンさせる二階堂椿に周りもどんどん魅力されていき……
椿の恋と友情の1年間を追ったストーリーです。
.₊̣̇.ෆ˟̑*̑˚̑*̑˟̑ෆ.₊̣̇.ෆ˟̑*̑˚̑*̑˟̑ෆ.₊̣̇.ෆ˟̑*̑˚̑*̑˟̑ෆ.₊̣̇.ෆ˟̑*̑˚̑*̑˟̑ෆ.₊̣̇
※R-18バージョンはムーンライトノベルズさんに投稿しています。アルファポリスは全年齢対象となっております。
※お気に入り登録、しおり、ありがとうございます!投稿の励みになります。
楽しんで頂けると幸いです(^^)
今後ともどうぞ宜しくお願いします♪
※誤字脱字、見つけ次第コッソリ直しております。すみません(T ^ T)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる