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プロローグ
★五木万次郎のオールナイトジャパン -2
しおりを挟む―『あー、なるほど』
―『これねぇ、番組にきた質問の半数近くが、この質問なんですよね。えー、読み上げます。東京都らららんさん、北海道ねこぱっちんさん、鳥取県てびょうさん、大阪府でらうぉっちさん、神奈川県ゆんしゅんさん、栃木県あおきゃっぷさん、ほか多数のリスナーさんから、ダンナさんの番組に出る予定ありますかっていう質問に集中してました。ほかにね、少数質問にはドラマに持ち込んだ差し入れの歴代ベストお菓子は何ですかとか、台詞に苦労した作品は何ですかとかね、あるんですけど。でも圧倒的に多い質問をスルーするのは良くないと思うので敢えて取り上げましたが』
―『正直言うと、出るとも出ないとも言うのは難しいですね』
―『あはは、わかります。ぶっちゃけて言うと、ゲストに関する話って公式からの解禁がないと我々の場合、話す権限がないんですよねぇ』
―『そうなんですよね。逆に彼の個人配信には出ないっていうことだけは、ハッキリ宣言できるんですけど』
―『あ、そうなんですか? え、待って個人配信というのは、要は、ダンナさんの冠番組とはまた別になる?』
―『ええ。彼は、れこ盤っていう公式番組のチャンネルと、個人配信用のチャンネルを持ってるんですけど、個人配信の方は明確で、私は出る予定はないんですよ。今年、登録数が百万人を超えるようなんですけど、記念に出るのか良く聞かれるんですが、出る予定はないんですよね』
―『あー、なるほど。それ、アレですよね。ネットって広告というかコマーシャルが勝手に割り込んで流れるから、スポンサーの競合と被る可能性もあるじゃないですか。だから既にスポンサーが付いてるのに無暗に出演したら、角が立つというか。でも英華さんのファンの中には、恐らく出ないのは何かあるんじゃないかって思う人も少なからずいますよね。なんで敢えて私から改めて訊ねますが、ダンナさんと不仲だから出演しないってワケじゃないんですもんね?』
―『別れる時が来たら直ぐ離婚ニュースが出ますから。まぁ今ではないですね。それにしても五木さん。全部代弁してくださるんで凄く助かります!』
―『あはは。私もね。去年ね、似たようなことがあったんですよ。ラジオの番組は少人数でやってますから影響はなかったんですが、緊急事態宣言が出た去年ってキー局のドラマ制作の現場が延期になったりとかして混乱したじゃないですか。それでバラシになった撮影も結構あって時間ができたんですけど、500万を超えた人気の配信者から出演しないかって打診が来たんですよ。でも結局流れちゃって』
―『五木さんが出てたら私、見ますよ。チャンネル作られるんなら、出られるように私、全力で調整しますよ!』
―『あはは、本当ですか! あーでもね。実のところ個人チャンネルを作るか事務所内で去年、話が出たんですよ。でも世の中が感染で蔓延しても、いつかは終わりが来るじゃないですか。そうなると自分で出演を作るチャンネルを立てても、いずれは更新できなくなると思ったんですよ。将来的に運営するのが厳しくなるだろうから個人チャンネルの話も結局流れちゃいましてねぇ』
―『えーそうなんですか!』
―『それに配信を始めた事務所の後輩もいるんですが、再生回数が伸びないってよく嘆いていますよ。なんていうかTVとネットで視聴する分には似ている面もありますが、実際には全然違いますからね。芸人や俳優がネットで動画投稿を始めて初回は再生数良くても、その後が伸びないようで。でも人気の配信者が出す動画は再生回数が安定しているから、なんでTVに出てない素人の方が再生数が良いんだって愚痴も聞きます』
―『すごい。五木さん。そういう話もお詳しいのに、本当にチャンネル作らないんですか?』
―『いやむしろ個人チャンネルを作るときに色々調べて、マネージャーとよく話し合ったんですよ。だけど結局、勝負するところはTVや劇場、ラジオや雑誌とかね。ネット以外のところで活動するからネットは保留になったんです。でもいつかは僕もネットで活動する日は来るかもしれません。そのときは英華さんのダンナさんに相談させてください』
―『あはは。全然いいですよ! 私の許可なんていらないです』
―『さて早いもので、そろそろお時間です。短い時間でしたが、ご出演ありがとうございました。感染で体調不良になってしまったゲストの代打として今回は急遽ご出演いただいたのですが、本当にありがとうございます!』
―『いえいえ、とんでもないです!』
―『ということで、ラジオ放送局T8ブース・スタジオから五木万次郎のオールナイトジャパン。MC五木万次郎がお送りしました。ゲストは英華さんでした。本日は本当にありがとうございました』
―『ありがとうございました!』
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