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最終決戦⑧
しおりを挟む「これは……どういう……」
自分の分身達が動いてもいない武に倒されたのを見て、月宮・グングニルは明らかに動揺していた。
「どうした?さっきまであんなに上から物言ってた癖にえらい動揺してるやん」
一方武は月宮・グングニルを煽る様にそう言う。
「私が……負けるはずが……ありません!!」
武の煽りを受けた月宮・グングニルは、今までの無表情からは想像も出来ないような形相でそう言い、
「悪魔の軍団!!」
十人程の分身を出現させ、武に突撃させた。
一方武はため息混じりに
「そんな数じゃ相手にもならへんわ」
そう言う。月宮・グングニルのこの行動は意味が無い。
武はそう思っていた。
実際その通りだ。
加護を手にした岩崎武に十体程度の月宮・グングニルの分身では太刀打ちは出来ない。しかし、
そんな事は月宮・グングニル自身分かっていた。
月宮・グングニルの分身達が武にぶつかるくらいまで迫った時、月宮・グングニルは声を荒らげてこう言った。
「砂の爆発ッ!!」
その途端――
「……ッ!」
武に迫っていた月宮・グングニルの分身達が全員大爆発を起こした。
「これでどうです……!」
その光景を見ながら月宮・グングニルはそう呟く。
しかし次の瞬間――
「いきなり物騒な事すんなや、びっくりしたやんけ」
「ぐあぁ!?」
武は瞬間移動した様に月宮・グングニルの前に現れ、片腕をラグナロクで吹き飛ばした。
片腕をやられた月宮・グングニルは直ぐに武から離れ、斬られた片腕を砂の力で再生する。
「はぁはぁ……どうなってるんですか貴方……」
月宮・グングニルは肩で息をしながら武にそう言う。
「爆発する直前に風を身に纏わせてあんたの前まで一気に移動しただけや」
「な……」
あたかもその動きが簡単かのように言う武に月宮・グングニルは恐怖を覚えた。そして心の中でこう呟いた。
私では……勝てない
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