最弱スレイヤーがその身に神を宿しました。〜神社で徳を積んでたら神の力使えるようになったんだが〜

カツラノエース

文字の大きさ
上 下
37 / 39

最終決戦⑦

しおりを挟む

何が……起きた……?
 俺は今災害獣を召喚しようとしていた。
 しかし、俺の視界は……闇に…………

「弱いんだよ」
 かんたは地面に倒れた地場雷にそう言う。

 なるほど……俺は負けたんだな……
 まぁ良い……いくら強くても「主様」には……勝てない……

 
「なるほど……貴方も加護の授与ギフトを手にしたのですか。」
 かんたが地場雷を倒したのと同時刻、武は月宮・グングニルと対峙していた。

「残念やがあんたは俺に勝たれへんで」
 武は、挑発的な態度でそう言う。身体には信条つかさの風の覇者タイフーンキングを彷彿とさせる風が纏われていた。

「確かに強いでしょうね。貴方の身体から溢れているオーラでそれは十分伝わっています。ですが貴方、」
 そこまで言って月宮・グングニルは呆れた様な表情に変わり、こう続けた。
「自分の今の状況を理解していますか?」

 そう言われ、武は周りを見る。
 周りには何体もの月宮・グングニルの分身が自分を囲んでいた。
「確かに傍から見たら絶望的な状況やな。」
 みずきは月宮・グングニルの分身達と戦っている、れいらは負傷しているし、ほたるもそのれいらを守っている。武の援護に回れる人間はここにはいなかった。

 しかし武は冷静に、
 「でも、それがどうした?」
 そう言った。

「はぁ……身の程知らずとは貴方の様な人の事を言うんですよ。じゃあ絶望させてあげます。」
 月宮・グングニルはそう呆れる様に言い、片手を前に伸ばした。
その途端、武の周りを囲んでいた月宮・グングニルの分身達が一斉に武に襲いかかった。

 この時、月宮・グングニルは自身の勝利を確信していただろう。しかし、

「なんや?まだ攻撃せんのか?」
 月宮・グングニルの分身達は武に触れた瞬間、自分の攻撃が跳ね返り、全員が自滅をした。

「これは……どういう事……」
 その光景を見た月宮・グングニルは初めて表情が出る。

「どうや?風の逆襲セカンドタイフーンの味は。」
 武は、自滅して行った月宮・グングニルの分身達を鼻で笑いながらそう言う。
 そして明らかに動揺している月宮・グングニルに対してこう言った。

「もっかい言ったる。あんたは俺には勝たれへん。」
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

父が再婚しました

Ruhuna
ファンタジー
母が亡くなって1ヶ月後に 父が再婚しました

1001部隊 ~幻の最強部隊、異世界にて~

鮪鱚鰈
ファンタジー
昭和22年 ロサンゼルス沖合 戦艦大和の艦上にて日本とアメリカの講和がなる 事実上勝利した日本はハワイ自治権・グアム・ミッドウエー統治権・ラバウル直轄権利を得て事実上太平洋の覇者となる その戦争を日本の勝利に導いた男と男が率いる小隊は1001部隊 中国戦線で無類の活躍を見せ、1001小隊の参戦が噂されるだけで敵が逃げ出すほどであった。 終戦時1001小隊に参加して最後まで生き残った兵は11人 小隊長である男『瀬能勝則』含めると12人の男達である 劣戦の戦場でその男達が現れると瞬く間に戦局が逆転し気が付けば日本軍が勝っていた。 しかし日本陸軍上層部はその男達を快くは思っていなかった。 上官の命令には従わず自由気ままに戦場を行き来する男達。 ゆえに彼らは最前線に配備された しかし、彼等は死なず、最前線においても無類の戦火を上げていった。 しかし、彼らがもたらした日本の勝利は彼らが望んだ日本を作り上げたわけではなかった。 瀬能が死を迎えるとき とある世界の神が彼と彼の部下を新天地へと導くのであった

ここは貴方の国ではありませんよ

水姫
ファンタジー
傲慢な王子は自分の置かれている状況も理解出来ませんでした。 厄介ごとが多いですね。 裏を司る一族は見極めてから調整に働くようです。…まぁ、手遅れでしたけど。 ※過去に投稿したモノを手直し後再度投稿しています。

転生して捨てられたけど日々是好日だね。【二章・完】

ぼん@ぼおやっじ
ファンタジー
おなじみ異世界に転生した主人公の物語。 転生はデフォです。 でもなぜか神様に見込まれて魔法とか魔力とか失ってしまったリウ君の物語。 リウ君は幼児ですが魔力がないので馬鹿にされます。でも周りの大人たちにもいい人はいて、愛されて成長していきます。 しかしリウ君の暮らす村の近くには『タタリ』という恐ろしいものを封じた祠があたのです。 この話は第一部ということでそこまでは完結しています。 第一部ではリウ君は自力で成長し、戦う力を得ます。 そして… リウ君のかっこいい活躍を見てください。

マインドファイターズ

2キセイセ
ファンタジー
"心物(しんぶつ)" 選ばれた人だけが持っているそれは、心の写し身であり、何かしらの特殊な力がある不思議なものである。 その心物に選ばれた、少年。 アルス・ターネスト。 ある朝。アルスが目覚めた時、自分の記憶を無くしていた。なおかつ外には死しか待ち受けていないという絶望的な状況。 その状況を、近くにいた、心物に選ばれた男共に何とか振り切ったアルスは自分と同じ、心物に選ばれたものだけが集う溜まり場で、様々な事件に巻き込まれ、様々な困難に立ち向かってゆく………。

巻添え召喚されたので、引きこもりスローライフを希望します!

あきづきみなと
ファンタジー
階段から女の子が降ってきた!? 資料を抱えて歩いていた紗江は、階段から飛び下りてきた転校生に巻き込まれて転倒する。気がついたらその彼女と二人、全く知らない場所にいた。 そしてその場にいた人達は、聖女を召喚したのだという。 どちらが『聖女』なのか、と問われる前に転校生の少女が声をあげる。 「私、ガンバる!」 だったら私は帰してもらえない?ダメ? 聖女の扱いを他所に、巻き込まれた紗江が『食』を元に自分の居場所を見つける話。 スローライフまでは到達しなかったよ……。 緩いざまああり。 注意 いわゆる『キラキラネーム』への苦言というか、マイナス感情の描写があります。気にされる方には申し訳ありませんが、作中人物の説明には必要と考えました。

悪意のパーティー《完結》

アーエル
ファンタジー
私が目を覚ましたのは王城で行われたパーティーで毒を盛られてから1年になろうかという時期でした。 ある意味でダークな内容です ‪☆他社でも公開

枯れない花

南都
ファンタジー
 作者コメント:12月29日に完結しますので、目安にしていただけると幸いです。         ご愛読なさってくださっている方、感謝いたします!  物語の主人公に憧れる青年がいた。  しかしその青年は何度苦境に抗おうとも、良い結果を掴み取ることができずにいた。彼はいつから物語を読もうとも、脇役に感情移入をするようになっていた。  そんな青年の前に一人の女性が現れる。その女性は首元に花の入れ墨を持っていた。彼女は青年を前に「紫苑の花がある」と首元をなぞり、去っていく。 それから数日後、彼は状況がわからないままに不可思議な争いに巻き込まれていく。

処理中です...