最弱スレイヤーがその身に神を宿しました。〜神社で徳を積んでたら神の力使えるようになったんだが〜

カツラノエース

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最終決戦⑥

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「れいら!大丈夫ですの!?」
 みずきと武が月宮・グングニルの分身達との戦いを始めた頃、ほたるは必死にれいらの傷口を治療していた。

「ほたる……私の事は良いから、今戦ってる二人の援護をして下さい……」
 れいらはほたるにそう言いながら心配させまいと、笑顔を作る。しかし、れいらの右手は既に無く、傷口は痛々しい物だった。だから明らかに無理をしているれいらに対してほたるは、

「ほたるはれいらを見捨てる事は出来ませんわ!貴方が死んでは皆が悲しみますわ!だからまずは自分を優先してくださいまし!」
 そう力強く怒鳴った。
 その声を聞いたれいらは、ほたるに気圧され、
「……ッ!分かりました。では、私の事を少々守って下さい。」
 そう、ほたるに助けを求めた。
 そしてそれに対してほたるは当然、
「当たり前ですわ!」
 力強く笑い、そう言った。

 これまで一度もほたるの助けを求めなかったれいらが、ほたるに助けを求めた。その事が、ほたるは限りなく嬉しかった。

 その頃みずきと武は大量の月宮・グングニルの分身達と戦っていた。
「はぁぁぁ!」
 武の一振りで5、6体の月宮・グングニルの分身達が吹き飛ぶ。
「やはり貴方も力をあげていましたか。」
 本体の月宮・グングニルは、自分に危害が加わらない少し離れた所で武にそう言う。
「お前らか?スレイヤー武道会の時に大量に災害獣を召喚したんわ。」
「えぇ、そうですよ。まぁ、災害獣を召喚したのは地場雷さんですが。」

「そうかそうか……お前らがつかさを……」
 武はそう言い、強く自身の武器であるラグナロクを握りしめる。そして、
「まずはお前からや。。」
 月宮・グングニルを指差しそう言った。
 その瞬間、武の身体に風が纏われていく。武はグングニルを握り直しこう言った。
亡き友の風タイフーンキング!!」


 
 その頃かんたは、月宮・グングニルや地場雷が言っていた「主様」を探していた。
「はぁぁぁ!」
 前に立ち塞がる月宮・グングニルの分身達を神威で吹き飛ばす。すると、また新しい月宮・グングニルの分身が後ろからやってくる。さっきからこれをずっと繰り返していた。

 しかし、しばらくそれを続けていると、月宮・グングニルの分身達は追いかけて来なくなった。
 すると目の前に一人の男が立ちはだかる。
「よくここまで来たな。」
「地場雷...!」
 かんたの目の前に立ち塞がったのは地場雷だった。
「お前らの親玉はどこだ?」
 かんたは雷にそう聞く。
「俺の奥だよ。進みたければ俺を倒すんだな。」
 雷はかんたを挑発する様にそう言った。するとその瞬間、かんたは視界から消え、
「邪魔だ、どけ。」
「ぐぁ!?」
 一瞬にして雷の首を飛ばした。
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