27 / 39
長官の提案
しおりを挟む4人は長官室の前に着くと、れいらが一歩前に出て長官室の扉をノックし、開けた。そして4人は長官室に入った。そこには、
「お疲れ様です。壇ノ浦長官。2人を連れて来ました。」
「あぁ、すまないな」
ガタイの良い、中年の男が部屋の中にある大きな椅子に座っていた。
「貴方が、この国のスレイヤーをまとめる長官なの...?」
その男にみずきは恐る恐るそう聞いた。すると男は貫禄のある声で、
「あぁ、すまない。わざわざ来て貰っておきながら挨拶がまだだったな。俺はスレイヤー第一本部長官の壇ノ浦 玄武だ。」
そう軽い謝罪を入れながら自己紹介をした。その意外に謙虚な姿勢に戸惑いながらもみずきは、
「ご、ご丁寧にどうも...」
と返し、続けて、
「私の名前は」
と、みずきも玄武の様に軽く自己紹介をしようとすると、
「君たちの事はもう知っている。」
と、玄武は口を挟みこう続けた。
「君はA級スレイヤーのみずきくん、そして横にいるのはE級スレイヤーながらスレイヤー武道会テロ事件で相当な功績を上げたかんたくん。」
と、みずきとかんたの方を見ながらそう言った。それに対してかんたは、
「で、俺達にどんな様なんだ?」
と、今回ここにみずきとかんたが呼ばれた理由を玄武に聞いた。それに対して玄武は、
「あぁ、その事何だが、」
と、真剣な表情をして今回の要件を話し出した。
「簡単に言うと、2人には政府専属のスレイヤーになって貰いたいんだ。」
それを聞いたみずきは
「どう言う事?」
と、聞く。この時みずきもかんたも政府専属のスレイヤーと言うものをよく分かっていなかった。しかしその疑問が吹き飛ぶ程、次に言った玄武のセリフは2人にとって衝撃的だった。
「簡単に言うと、君たち2人にはスレイヤー育成学校を辞めてもらい学生スレイヤーでは無く、プロのスレイヤーとして政府に務めて貰いたいんだ」
それを聞いたみずきとかんたは途端に顔色を変え、みずきは、
「学校を辞めるなんて意味のわからない事を言わないで!」
と、声を荒らげた。だが、それに対して玄武は表情を変えずに冷静に、
「もちろん強制では無い。君たち2人が無理と言うなら政府に務めず、今まで通りスレイヤー育成学校に通ってくれても構わない。だが、」
と、この要件を断っても良い事を2人に認識させた上で玄武はこう続ける。
「第二スレイヤー育成学校の武くんはもう政府のスレイヤーになっている。」
それを聞いたかんたは、
(昨年のスレイヤー武道会の優勝者が学校を辞める程...か、
これはやはりただ事では無いんだな)
改めて事態の重大さを感じた。
0
お気に入りに追加
8
あなたにおすすめの小説
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
最後に言い残した事は
白羽鳥(扇つくも)
ファンタジー
どうして、こんな事になったんだろう……
断頭台の上で、元王妃リテラシーは呆然と己を罵倒する民衆を見下ろしていた。世界中から尊敬を集めていた宰相である父の暗殺。全てが狂い出したのはそこから……いや、もっと前だったかもしれない。
本日、リテラシーは公開処刑される。家族ぐるみで悪魔崇拝を行っていたという謂れなき罪のために王妃の位を剥奪され、邪悪な魔女として。
「最後に、言い残した事はあるか?」
かつての夫だった若き国王の言葉に、リテラシーは父から教えられていた『呪文』を発する。
※ファンタジーです。ややグロ表現注意。
※「小説家になろう」にも掲載。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
ここは貴方の国ではありませんよ
水姫
ファンタジー
傲慢な王子は自分の置かれている状況も理解出来ませんでした。
厄介ごとが多いですね。
裏を司る一族は見極めてから調整に働くようです。…まぁ、手遅れでしたけど。
※過去に投稿したモノを手直し後再度投稿しています。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
『悪役』のイメージが違うことで起きた悲しい事故
ラララキヲ
ファンタジー
ある男爵が手を出していたメイドが密かに娘を産んでいた。それを知った男爵は平民として生きていた娘を探し出して養子とした。
娘の名前はルーニー。
とても可愛い外見をしていた。
彼女は人を惹き付ける特別な外見をしていたが、特別なのはそれだけではなかった。
彼女は前世の記憶を持っていたのだ。
そして彼女はこの世界が前世で遊んだ乙女ゲームが舞台なのだと気付く。
格好良い攻略対象たちに意地悪な悪役令嬢。
しかしその悪役令嬢がどうもおかしい。何もしてこないどころか性格さえも設定と違うようだ。
乙女ゲームのヒロインであるルーニーは腹を立てた。
“悪役令嬢が悪役をちゃんとしないからゲームのストーリーが進まないじゃない!”と。
怒ったルーニーは悪役令嬢を責める。
そして物語は動き出した…………──
※!!※細かい描写などはありませんが女性が酷い目に遭った展開となるので嫌な方はお気をつけ下さい。
※!!※『子供が絵本のシンデレラ読んでと頼んだらヤバイ方のシンデレラを読まれた』みたいな話です。
◇テンプレ乙女ゲームの世界。
◇ふんわり世界観。ゆるふわ設定。
◇ご都合展開。矛盾もあるかも。
◇なろうにも上げる予定です。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
巻添え召喚されたので、引きこもりスローライフを希望します!
あきづきみなと
ファンタジー
階段から女の子が降ってきた!?
資料を抱えて歩いていた紗江は、階段から飛び下りてきた転校生に巻き込まれて転倒する。気がついたらその彼女と二人、全く知らない場所にいた。
そしてその場にいた人達は、聖女を召喚したのだという。
どちらが『聖女』なのか、と問われる前に転校生の少女が声をあげる。
「私、ガンバる!」
だったら私は帰してもらえない?ダメ?
聖女の扱いを他所に、巻き込まれた紗江が『食』を元に自分の居場所を見つける話。
スローライフまでは到達しなかったよ……。
緩いざまああり。
注意
いわゆる『キラキラネーム』への苦言というか、マイナス感情の描写があります。気にされる方には申し訳ありませんが、作中人物の説明には必要と考えました。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
マインドファイターズ
2キセイセ
ファンタジー
"心物(しんぶつ)"
選ばれた人だけが持っているそれは、心の写し身であり、何かしらの特殊な力がある不思議なものである。
その心物に選ばれた、少年。
アルス・ターネスト。
ある朝。アルスが目覚めた時、自分の記憶を無くしていた。なおかつ外には死しか待ち受けていないという絶望的な状況。
その状況を、近くにいた、心物に選ばれた男共に何とか振り切ったアルスは自分と同じ、心物に選ばれたものだけが集う溜まり場で、様々な事件に巻き込まれ、様々な困難に立ち向かってゆく………。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
異世界に転生した社畜は調合師としてのんびりと生きていく。~ただの生産職だと思っていたら、結構ヤバい職でした~
夢宮
ファンタジー
台風が接近していて避難勧告が出されているにも関わらず出勤させられていた社畜──渡部与一《わたべよいち》。
雨で視界が悪いなか、信号無視をした車との接触事故で命を落としてしまう。
女神に即断即決で異世界転生を決められ、パパっと送り出されてしまうのだが、幸いなことに女神の気遣いによって職業とスキルを手に入れる──生産職の『調合師』という職業とそのスキルを。
異世界に転生してからふたりの少女に助けられ、港町へと向かい、物語は動き始める。
調合師としての立場を知り、それを利用しようとする者に悩まされながらも生きていく。
そんな与一ののんびりしたくてものんびりできない異世界生活が今、始まる。
※2話から登場人物の描写に入りますので、のんびりと読んでいただけたらなと思います。
※サブタイトル追加しました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる