最弱スレイヤーがその身に神を宿しました。〜神社で徳を積んでたら神の力使えるようになったんだが〜

カツラノエース

文字の大きさ
上 下
21 / 39

スレイヤー武道会⑩

しおりを挟む

「遅せぇよ雑魚」
その声には、スレイヤー武道会で起きた異常事態の全ての元凶である雷に対する確かな殺意が込められていた。

「な!?」
いかずちはいきなり後ろに瞬時に移動した対して驚きを隠せない。更に、
「ぐはぁ!?」
雷は目にも止まらぬ速さでかんたに腹を切り裂かれた。

雷はかんたに切り裂かれた腹を腕で押さえ、傷口を完治させた。
それを見たかんたは感心したように、
「なるほど、お前の能力を使えば腕を再生するみたいに腹の傷も治すことが出来るんだな。」
と言った。

一方雷は、
(こいつ早すぎる...俺はA級のスレイヤーだぞ!?)
と、かんたの驚くべき実力に圧倒されていた。

「どうした?凄く焦っているようだが」
かんたはそんな雷を煽るようにそう声を掛けた。

(クソッタレが...)
雷はそう思いながら状況を把握する事にした。

(俺が今戦っている男はまだ力を全然出していない、対して俺は全力で戦っている。おそらく負けるのは時間の問題だ。更に相手の男の仲間であろう水色の髪の女は俺が召喚させた災害獣を全て倒し、手が空いている。恐らく相手の男が不利になったら戦いに割り込んで来るだろう...これはどう考えても負けるな...)
しかし、雷は焦ってはいなかった。
(だが、俺に出されたは、目の前にいる男や水色の髪の女を絶対に殺せという訳では無いしな。今回の奇襲で1人の学生スレイヤーは、引くとするか)
そこまで考え、雷は自分に殺意を向けて来ているかんたにこう言った。

「今回はここまでだ。また会おうじゃないか」
それを聞いたかんたはもちろん、
「あ?逃げる気か?俺が逃がす訳ないだろ」
そう言い、逃げられない様に雷を斬るために前に踏み込む、そして一瞬の内に雷の前まで近ずき、斬ろうとした。しかし一刀は、雷には届かなかった。

「な!?お前は...!?」
、かんたさん。」
なんとかんたの刀は2人の間に突如として割り込んできた月宮・グングニルの武器である黒い太刀「酷龍丸こくりゅうまる」に受けられていた。

「貴方...!?」
その光景を見ていたみずきはそう声を荒らげる。

「貴方はあの時の。生きていたんですね。」
みずきの声を聞いた月宮・グングニルはそう淡々と言う。

「なんでこんな所にいるんだ!」
かんたはいきなり現れ、雷を守った月宮・グングニルにそう強く聞く。

すると月宮・グングニルは淡々とこう言った。
「我々は我が主であるの命令でこの攻撃をしたんです。雷はその実行約、私は護衛という所ですかね」

それは最悪の始まりに過ぎなかった。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

【完結】徒花の王妃

つくも茄子
ファンタジー
その日、王妃は王都を去った。 何故か勝手についてきた宰相と共に。今は亡き、王国の最後の王女。そして今また滅びゆく国の最後の王妃となった彼女の胸の内は誰にも分からない。亡命した先で名前と身分を変えたテレジア王女。テレサとなった彼女を知る数少ない宰相。国のために生きた王妃の物語が今始まる。 「婚約者の義妹と恋に落ちたので婚約破棄した処、「妃教育の修了」を条件に結婚が許されたが結果が芳しくない。何故だ?同じ高位貴族だろう?」の王妃の物語。単体で読めます。

ここは貴方の国ではありませんよ

水姫
ファンタジー
傲慢な王子は自分の置かれている状況も理解出来ませんでした。 厄介ごとが多いですね。 裏を司る一族は見極めてから調整に働くようです。…まぁ、手遅れでしたけど。 ※過去に投稿したモノを手直し後再度投稿しています。

マインドファイターズ

2キセイセ
ファンタジー
"心物(しんぶつ)" 選ばれた人だけが持っているそれは、心の写し身であり、何かしらの特殊な力がある不思議なものである。 その心物に選ばれた、少年。 アルス・ターネスト。 ある朝。アルスが目覚めた時、自分の記憶を無くしていた。なおかつ外には死しか待ち受けていないという絶望的な状況。 その状況を、近くにいた、心物に選ばれた男共に何とか振り切ったアルスは自分と同じ、心物に選ばれたものだけが集う溜まり場で、様々な事件に巻き込まれ、様々な困難に立ち向かってゆく………。

父が再婚しました

Ruhuna
ファンタジー
母が亡くなって1ヶ月後に 父が再婚しました

最後に言い残した事は

白羽鳥(扇つくも)
ファンタジー
 どうして、こんな事になったんだろう……  断頭台の上で、元王妃リテラシーは呆然と己を罵倒する民衆を見下ろしていた。世界中から尊敬を集めていた宰相である父の暗殺。全てが狂い出したのはそこから……いや、もっと前だったかもしれない。  本日、リテラシーは公開処刑される。家族ぐるみで悪魔崇拝を行っていたという謂れなき罪のために王妃の位を剥奪され、邪悪な魔女として。 「最後に、言い残した事はあるか?」  かつての夫だった若き国王の言葉に、リテラシーは父から教えられていた『呪文』を発する。 ※ファンタジーです。ややグロ表現注意。 ※「小説家になろう」にも掲載。

巻添え召喚されたので、引きこもりスローライフを希望します!

あきづきみなと
ファンタジー
階段から女の子が降ってきた!? 資料を抱えて歩いていた紗江は、階段から飛び下りてきた転校生に巻き込まれて転倒する。気がついたらその彼女と二人、全く知らない場所にいた。 そしてその場にいた人達は、聖女を召喚したのだという。 どちらが『聖女』なのか、と問われる前に転校生の少女が声をあげる。 「私、ガンバる!」 だったら私は帰してもらえない?ダメ? 聖女の扱いを他所に、巻き込まれた紗江が『食』を元に自分の居場所を見つける話。 スローライフまでは到達しなかったよ……。 緩いざまああり。 注意 いわゆる『キラキラネーム』への苦言というか、マイナス感情の描写があります。気にされる方には申し訳ありませんが、作中人物の説明には必要と考えました。

悪意のパーティー《完結》

アーエル
ファンタジー
私が目を覚ましたのは王城で行われたパーティーで毒を盛られてから1年になろうかという時期でした。 ある意味でダークな内容です ‪☆他社でも公開

日本列島、時震により転移す!

黄昏人
ファンタジー
2023年(現在)、日本列島が後に時震と呼ばれる現象により、500年以上の時を超え1492年(過去)の世界に転移した。移転したのは本州、四国、九州とその周辺の島々であり、現在の日本は過去の時代に飛ばされ、過去の日本は現在の世界に飛ばされた。飛ばされた現在の日本はその文明を支え、国民を食わせるためには早急に莫大な資源と食料が必要である。過去の日本は現在の世界を意識できないが、取り残された北海道と沖縄は国富の大部分を失い、戦国日本を抱え途方にくれる。人々は、政府は何を思いどうふるまうのか。

処理中です...