最弱スレイヤーがその身に神を宿しました。〜神社で徳を積んでたら神の力使えるようになったんだが〜

カツラノエース

文字の大きさ
上 下
14 / 39

スレイヤー武道会③

しおりを挟む

災害獣解放ビーストモード!」
めいは身体を起こしながらそう叫んだ瞬間、
「な...!?」
身体が何倍にも膨らんでいき、服は破け、身体は毛で覆われ、鋭い猫耳が生えた。
「これが私の奥義、災害獣解放ビーストモードよ!」
めいはさっきまでの声からは想像もつかない獣の声でそう言った。

「狂気の化け猫と言われていた意味がやっと分かったわ」
みずきは化け物になっためいを見ながらそう言い、ニヤリと笑った。そして、
「はぁー!」
再び、身体に青き稲妻ブルーインパルスを纏わせ、めいに突進して行った。

「ギギャャャャ!」
めいは突進してくるみずきを巨大な手で叩き潰そうとするが、青き稲妻ブルーインパルスで避けられる。
そして再び背中を取られ、

「もう一撃叩き込んであげるわ!伏雷ノ霆霹ふくらいのいがずち!」
みずきはめいの巨大な身体を斬り裂いた。

はずだった。
「なッ!?」
なんとみずきの一撃はめいの背中に弾かれたのだ。
そしてめいはいきなりの出来事に動揺し、上手く着地出来ていないみずきを巨大な腕で吹き飛ばした。

「ぐっ……はぁ!?」
みずきは何とか王刃剣おうがとうでめいの一撃を防ぐが、吹き飛ばされ、ビルに身体を叩きつけられた。

「私が奥義を使えば、A級スレイヤーも敵じゃ無いわね」
めいは膝を着きながらも起き上がろうとしているみずきに対してそう言った。
「言ってくれるじゃない...」
ここで負ける訳には行かない。みずきはこの舞台に立てなかったかんたの思いも背負っているのだ。だから、
「はぁー!!」
絶対に勝つ。その思いを胸に、みずきはめいに立ち向かって行った。

風の爪エアカッター!」
めいはそれを向かい撃つ様に両手から風の爪エアカッターを放つ。今までとは威力も速さも桁違いの一撃だ。

しかしみずきは回避せずに、
雷の波紋サンダーウェーブ!」
王刃剣おうがとうで空を斬り、雷の衝撃波を飛ばし、風の爪エアカッターを斬り裂いた。更に衝撃波は止まらず、
「うがッ!?」
めいの身体の中でも柔らかい部分である腹を衝撃波で斬り裂いた。そしてみずきはその隙を見逃さなかった。

青き稲妻ブルーインパルスで一気にめいの前まで加速し、「伏雷ノ霆霹ふくらいのいかずちッ!」
今度こそめいを斬り裂いた。

「うぎゃぁぁぁぁああああ!」
叫び声と共に元のサイズまで戻り、地面にひれ伏した。

それを確認した実況は、
「今回のスレイヤー武道会で初参戦の東雲みずきが去年準優勝の高野めい選手を倒しました!よって高野めい選手失格になります!」
その実況と共に大歓声が起こった。

「やったわよ!かんた!」
みずきも実況を聞き、自分が勝った事を実感した。

「強いですねみずきさん。優勝も狙えるんじゃないですか」
「そうだな、でもみずきの力はこんなもんじゃないさ。」
護衛側にいたかんたとれいらも開始早々前回準優勝者を倒したみずきに拍手をした。

「貴方、強かったわ。まだまだ強い奴が居るから頑張るのよ」
「ありがとう、貴方の思いの分まで頑張るわ」
めいは去り際にそうみずきと会話を交わした。

「さぁ早速1人目の脱落者が出ました!次は誰が脱落するのでしょうか!?」
めいが運ばれて行った後、実況はそう言いフィールド全体を見回した。すると、
「おっと!他の戦いも始まっている様です!あそこでは第2スレイヤー育成学校同士で戦っています!」

「なかなか良い動きするやないか!」
「武さん、やっぱり貴方は桁違いだ!」
そこでは前回優勝者、岩崎武と今回初参戦のB級スレイヤー、信条しんじょうつかさが戦っていた。

「はぁ!」
「まだまだ攻撃があまあまやで!」
つかさは自身の武器である銀色の細長い剣を振るうが、武は全て軽く交わす。武はまだ武器を具現化すらそして、
「ふん!」
「ぐはぁ!?」
武は大きく空振りをしたつかさにパンチを入れた。

「はぁはぁ...」
相手は武器無しで戦っている、おそらく舐められているだろう、つかさはそんな現状が嫌だった。
勝ち負け関係無く、全力でぶつかり合いたい。
それがつかさの考えだった。だから、
「武さん、そろそろちゃんと戦って下さい。ずっとそんな戦い方されると、勝ち負け関係無しで気分が悪いです。」
武にちゃんと戦うように言った。

「それはかんにんかんにん笑俺やて舐めてる訳やないんや、軽いアップをしてただけやから。」
武は軽く謝り、
「じゃあそろそろ武器使おかな」
首をゴキゴキ鳴らしながらそう言った。

その途端、その場の空気感が変わり、
「でもつかさ、後悔すんなよ?」
武はつかさを嘲笑うかの様にそう言った。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

巻添え召喚されたので、引きこもりスローライフを希望します!

あきづきみなと
ファンタジー
階段から女の子が降ってきた!? 資料を抱えて歩いていた紗江は、階段から飛び下りてきた転校生に巻き込まれて転倒する。気がついたらその彼女と二人、全く知らない場所にいた。 そしてその場にいた人達は、聖女を召喚したのだという。 どちらが『聖女』なのか、と問われる前に転校生の少女が声をあげる。 「私、ガンバる!」 だったら私は帰してもらえない?ダメ? 聖女の扱いを他所に、巻き込まれた紗江が『食』を元に自分の居場所を見つける話。 スローライフまでは到達しなかったよ……。 緩いざまああり。 注意 いわゆる『キラキラネーム』への苦言というか、マイナス感情の描写があります。気にされる方には申し訳ありませんが、作中人物の説明には必要と考えました。

ここは貴方の国ではありませんよ

水姫
ファンタジー
傲慢な王子は自分の置かれている状況も理解出来ませんでした。 厄介ごとが多いですね。 裏を司る一族は見極めてから調整に働くようです。…まぁ、手遅れでしたけど。 ※過去に投稿したモノを手直し後再度投稿しています。

日本列島、時震により転移す!

黄昏人
ファンタジー
2023年(現在)、日本列島が後に時震と呼ばれる現象により、500年以上の時を超え1492年(過去)の世界に転移した。移転したのは本州、四国、九州とその周辺の島々であり、現在の日本は過去の時代に飛ばされ、過去の日本は現在の世界に飛ばされた。飛ばされた現在の日本はその文明を支え、国民を食わせるためには早急に莫大な資源と食料が必要である。過去の日本は現在の世界を意識できないが、取り残された北海道と沖縄は国富の大部分を失い、戦国日本を抱え途方にくれる。人々は、政府は何を思いどうふるまうのか。

マインドファイターズ

2キセイセ
ファンタジー
"心物(しんぶつ)" 選ばれた人だけが持っているそれは、心の写し身であり、何かしらの特殊な力がある不思議なものである。 その心物に選ばれた、少年。 アルス・ターネスト。 ある朝。アルスが目覚めた時、自分の記憶を無くしていた。なおかつ外には死しか待ち受けていないという絶望的な状況。 その状況を、近くにいた、心物に選ばれた男共に何とか振り切ったアルスは自分と同じ、心物に選ばれたものだけが集う溜まり場で、様々な事件に巻き込まれ、様々な困難に立ち向かってゆく………。

貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。

黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。 この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。

セクスカリバーをヌキました!

ファンタジー
とある世界の森の奥地に真の勇者だけに抜けると言い伝えられている聖剣「セクスカリバー」が岩に刺さって存在していた。 国一番の剣士の少女ステラはセクスカリバーを抜くことに成功するが、セクスカリバーはステラの膣を鞘代わりにして収まってしまう。 ステラはセクスカリバーを抜けないまま武闘会に出場して……

枯れない花

南都
ファンタジー
 作者コメント:12月29日に完結しますので、目安にしていただけると幸いです。         ご愛読なさってくださっている方、感謝いたします!  物語の主人公に憧れる青年がいた。  しかしその青年は何度苦境に抗おうとも、良い結果を掴み取ることができずにいた。彼はいつから物語を読もうとも、脇役に感情移入をするようになっていた。  そんな青年の前に一人の女性が現れる。その女性は首元に花の入れ墨を持っていた。彼女は青年を前に「紫苑の花がある」と首元をなぞり、去っていく。 それから数日後、彼は状況がわからないままに不可思議な争いに巻き込まれていく。

【完結】捨て去られた王妃は王宮で働く

ここ
ファンタジー
たしかに私は王妃になった。 5歳の頃に婚約が決まり、逃げようがなかった。完全なる政略結婚。 夫である国王陛下は、ハーレムで浮かれている。政務は王妃が行っていいらしい。私は仕事は得意だ。家臣たちが追いつけないほど、理解が早く、正確らしい。家臣たちは、王妃がいないと困るようになった。何とかしなければ…

処理中です...