8 / 39
その後
しおりを挟む月宮・グングニルというスレイヤーがみずきを襲ってから3日が経った。
あれから毎日、みずきが入院している病院にはかんたがお見舞いに来てくれていた。
かんたの話によると、未だに月宮と名乗るスレイヤーは何故みずきを襲ったのかは謎のままらしい。更に、かんたが倒した2人の月宮は本体の分身に過ぎないらしい。
その証拠として、みずきが襲われた現場には1部、砂が落ちている事が確認された。
だが、そんな事よりもみずきはまず背中に負った傷を治さなければならない。「不甲斐ないわ」みずきはあの時、負けてしまった事を根に持っていた。
もっと強くならなければ、そう思っていると、
コンコンと、病室の扉がノックされた。
「どうぞ」みずきはそう言うと、北条れいらが入ってきた。
れいらは扉を閉め、すぐに謝ってきた。
「本当に申し訳ない事をしました。あの時、わたし達が月宮がみずきさんを狙っていた事に気が付いていれば...」
れいらは申し訳なさそうにそう言ったが、あんなの誰も気づく事はできない。そう思い、「謝らないで。れいらが悪い訳じゃないわ、私があの時、あいつに勝てていればねよかったのよ...」とみずきはれいらは悪くないと励ました。
しかしれいらは「いえ、私とほたるはずっと月宮を追っていたんです。」と、これまでずっと月宮を追っていたという事を明かした。
「私とほたるは3日前、月宮の情報がないかを聞く為にスレイヤー育成学校に訪れたんです。」その時に、れいらとほたるはかんたの模擬戦を見た訳だ。
「それで、私とほたるが、その場を離れた直後に現れたものですから、本当に申し訳なくて...」そう言い、こう続けた。
「私とほたるは政府のスレイヤーです。だから私とほたるはスレイヤーを何人も殺している月宮をずっと追っているんです。」
「何のために月宮はスレイヤーを殺しているの?」みずきは何故月宮はスレイヤーを殺しているのか疑問に思った。
そうみずきが聞くとれいらは「月宮は主が殺せと言ったスレイヤーを殺しているんです」そう返した。
それを聞いてみずきは月宮がその様に言っていた事を思い出し、「主っていうのは誰の事なの?」月宮の主は誰なのかを聞いた。
するとれいらは「それはまだ分かっていないんですよ」と、
まだ分かっていない事を教えた。
「謎に包まれたままって訳ね...」
「そうゆう事です」
「そういえば今日はほたると一緒じゃないの?」みずきは不意にそう思い、れいらに聞いた。
するとれいらは、「ほたるは今3日前に現れた月宮について警察の方たちと共に手がかりを探しています。」そう言った。
それを聞いたみずきは「れいらは手がかりを探さなくても良いの?」と、ほたるだけに任せておいて良いのかを聞いた。
それに対してれいらは「その事は大丈夫です。私とほたるは役割が違いますから。」そう言い更にこう続けた「ほたるは相棒の様なものなんです。ほたるが見つけて、私が倒す。その様な役割があるんですよ」
それを聞き、みずきは「そうだったのね」と納得した。
「だとしても、私だけこの様にサボっていてはダメですね。少し長居し過ぎました。それではゆっくり身体を休めてください。」そう言い、れいらは病室を後にした。
同時刻、かんたの寮部屋にて、
かんたは今日やっと自分の寮の部屋を貰い、ベットで寝転んでいた。
その時、かんたは3日前あった事を思い返していた。
あの時、かんたは使った事もない技を思いつきで使えた事に驚いていた。(ほんとにあの時夢に出てきた、雷や火を使う事が出来た、俺はやっぱり神の加護を受けていたんだ)
E級スレイヤーであるかんたは神の加護を手にし、一気に強豪達の仲間入りを果たしたのだ。
まだ実感が湧かないが、とりあえずみずきのお見舞いに行こうと思った。みずきはもうただのスレイヤー仲間では無い。
ライバルであり恋人なのだ。
だから早く会いに行こうと寮部屋の扉を開き、みずきの入院している病院に足を運んだ。
その数日後にみずきは無事退院し、平和な日常が続いていた。
そんなある日、
かんたはみずきにある提案をした。それは「なぁみずき、俺たちが恋人になった時はみずきが怪我をしていたから行けなかったけどさ、みずきも退院したんだし、デートとか、行ってみる...?」
それを聞いたみずきは「良いわねそれ!私友達と遊んだりとかあまりして来なかったから楽しみだわ!」と嬉しそうに言った。
「じゃあ明日近くのショッピングモールで色々買い物とかするか」
「明日ね、分かったわ!」
こうして2人の良い意味でも、悪い意味でも、記憶に残る初デートが始まるのだった
0
お気に入りに追加
8
あなたにおすすめの小説
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
【完結】徒花の王妃
つくも茄子
ファンタジー
その日、王妃は王都を去った。
何故か勝手についてきた宰相と共に。今は亡き、王国の最後の王女。そして今また滅びゆく国の最後の王妃となった彼女の胸の内は誰にも分からない。亡命した先で名前と身分を変えたテレジア王女。テレサとなった彼女を知る数少ない宰相。国のために生きた王妃の物語が今始まる。
「婚約者の義妹と恋に落ちたので婚約破棄した処、「妃教育の修了」を条件に結婚が許されたが結果が芳しくない。何故だ?同じ高位貴族だろう?」の王妃の物語。単体で読めます。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
ここは貴方の国ではありませんよ
水姫
ファンタジー
傲慢な王子は自分の置かれている状況も理解出来ませんでした。
厄介ごとが多いですね。
裏を司る一族は見極めてから調整に働くようです。…まぁ、手遅れでしたけど。
※過去に投稿したモノを手直し後再度投稿しています。
隣国は魔法世界
各務みづほ
ファンタジー
【魔法なんてあり得ないーー理系女子ライサ、魔法世界へ行く】
隣接する二つの国、科学技術の発達した国と、魔法使いの住む国。
この相反する二つの世界は、古来より敵対し、戦争を繰り返し、そして領土を分断した後に現在休戦していた。
科学世界メルレーン王国の少女ライサは、人々の間で禁断とされているこの境界の壁を越え、隣国の魔法世界オスフォード王国に足を踏み入れる。
それは再び始まる戦乱の幕開けであった。
⚫︎恋愛要素ありの王国ファンタジーです。科学vs魔法。三部構成で、第一部は冒険編から始まります。
⚫︎異世界ですが転生、転移ではありません。
⚫︎挿絵のあるお話に◆をつけています。
⚫︎外伝「隣国は科学世界 ー隣国は魔法世界 another storyー」もよろしくお願いいたします。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
マインドファイターズ
2キセイセ
ファンタジー
"心物(しんぶつ)"
選ばれた人だけが持っているそれは、心の写し身であり、何かしらの特殊な力がある不思議なものである。
その心物に選ばれた、少年。
アルス・ターネスト。
ある朝。アルスが目覚めた時、自分の記憶を無くしていた。なおかつ外には死しか待ち受けていないという絶望的な状況。
その状況を、近くにいた、心物に選ばれた男共に何とか振り切ったアルスは自分と同じ、心物に選ばれたものだけが集う溜まり場で、様々な事件に巻き込まれ、様々な困難に立ち向かってゆく………。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
巻添え召喚されたので、引きこもりスローライフを希望します!
あきづきみなと
ファンタジー
階段から女の子が降ってきた!?
資料を抱えて歩いていた紗江は、階段から飛び下りてきた転校生に巻き込まれて転倒する。気がついたらその彼女と二人、全く知らない場所にいた。
そしてその場にいた人達は、聖女を召喚したのだという。
どちらが『聖女』なのか、と問われる前に転校生の少女が声をあげる。
「私、ガンバる!」
だったら私は帰してもらえない?ダメ?
聖女の扱いを他所に、巻き込まれた紗江が『食』を元に自分の居場所を見つける話。
スローライフまでは到達しなかったよ……。
緩いざまああり。
注意
いわゆる『キラキラネーム』への苦言というか、マイナス感情の描写があります。気にされる方には申し訳ありませんが、作中人物の説明には必要と考えました。
枯れない花
南都
ファンタジー
作者コメント:12月29日に完結しますので、目安にしていただけると幸いです。
ご愛読なさってくださっている方、感謝いたします!
物語の主人公に憧れる青年がいた。
しかしその青年は何度苦境に抗おうとも、良い結果を掴み取ることができずにいた。彼はいつから物語を読もうとも、脇役に感情移入をするようになっていた。
そんな青年の前に一人の女性が現れる。その女性は首元に花の入れ墨を持っていた。彼女は青年を前に「紫苑の花がある」と首元をなぞり、去っていく。
それから数日後、彼は状況がわからないままに不可思議な争いに巻き込まれていく。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる