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命を狙う者
しおりを挟む「嘘、でしょ...?」みずきは自身の斬撃を受けながら無傷で立っている相手が信じられなかった。
すると無傷の相手は口を開いた「私は主の命令により貴方を殺しにきたスレイヤー。月宮・グングニルと申します」
「貴方一体何が目的なのよ!?」みずきはそう声を荒らげるが、月宮は淡々とこう告げた。
「私はただ主に殺せと命令されたため殺しにきただけです」
その途端月宮は手に持った黒い太刀を構え、みずきに斬りかかった。
しかしそんな単調な攻撃ではみずきを捉える事は出来ない。
みずきはすぐさま青き稲妻を見に纏わせ、攻撃を避けた、はずだった。
「ぐはぁ!?」なんと月宮は目の前に居るのに黒い太刀に後ろから背中を引き裂かれたのだ。
致命傷は免れたが、これは嫌な展開だ。みずきは痛みを何とか我慢し、青き稲妻を使い月宮との距離をとる。そして少し離れ、みずきが月宮の方を見ると、
月宮は2人居た。
「何で2人居るのよ...」みずきは目の前の絶望的な状況を見て、こう思った。(私、こいつには勝てない)と、
まず、1対1でも何とかなのに、その相手が2人もいる。
更にみずきは背中に怪我を負っていた。
まさに絶望的。だが諦めた訳じゃない。
「分身できるって言うの...?」少しでも食らいつけるように、
少しでも勝ちに近づく為に、みずきはまず目の前に同一人物が2人いるという謎を解こうと思った。
すると2人の月宮は声を合わせてこう言った。
「正解です。まぁ正確には分身の加護ですが。」
「貴方も加護を持っているのね...」みずきは背中の傷の痛さに持っていかれそうになる意識をなんとか留め、そう言った。
「まぁ貴方はもう死にますし、特別に教えてあげましょう。」みずきが今にも倒れそうなのを見て取った月宮はみずきに能力を明かした。
「私の能力は砂の剣豪。砂を操る能力です、なので粉々にならない限りは私の身体は砂により、再生されます。これが私の能力です。」
それを聞くなりみずきは何で自分の攻撃が効いていない様に見えたのかが、分かった。
みずきの攻撃は効いていたのだ。しかし月宮の砂の剣豪により、再生されていた。そういうカラクリだったのだ。
それを聞きみずきは「じゃあ...私が、貴方を...粉々に...してやるわ...」そう言うと同時に、地面に膝を着いた。
やはり背中の傷による出血で体力が奪われる。
みずきは今にも意識が飛びそうだった。
それを見た2人の月宮は「苦しむのも嫌でしょう。一瞬であの世に送ってあげますよ」そう声を合わせてそう言い、
1人の月宮は地面に膝を着いているみずきの胸ぐらを掴み、
女子学生寮にみずきを放り投げた。
みずきは女子学生寮の壁に強く当たり、その影響で女子学生寮の壁が、崩れた。
「きゃあ!?」中にいた学生スレイヤー達はA級スレイヤーであるみずきがやられているのを見て逃げ出して行った。
「はぁ...はぁ...」みずきは壁を突き破り、瓦礫の上で血を吐きながら、倒れていた。(A級スレイヤーの私が、なんてザマなのよ...)みずきは消えそうな意識の中でそう呟いた。
「では終わりです。」そのみずきに向かって2人の月宮がトドメを刺そうとしたその時、
「うぉぉぉぉ!!!!!」荒々しい叫び声と共に1人の月宮はあるスレイヤーに切り裂かれた。
みずきは落ちそうな意識の中それを見た。「かん、た...」そう呟き、みずきの意識は闇に落ちて行った。
1人の月宮がいきなり切り裂かれたためもう1人の月宮は距離を取ろうとする。しかしかんたはそれを許さない。
かんたは自身の武器である神威と反対の手に力を入れる。
すると固く握った拳に黄色い稲妻が纏われた。
かんたはその拳で距離を取ろうとしている月宮を、
「オラァァァァァァ!!」木っ端微塵に粉砕した。
木っ端微塵になった月宮は再生する事はできない。
もう1人の切り裂かれた月宮も身体を再生し、かんたに斬りかかりにいくが、
「火の奥義 火竜の咆哮!!」火を纏った神威により、木っ端微塵に吹き飛ばされた。
一瞬にして2人の月宮を倒したかんたは神威の具現化を解き、
半壊している女子学生寮の方に、目をやった。
そこでかんたは「みずき!!」血を流して気を失っているみずきを見つけた。
「ここは...?」みずきが目を開けるとそこは病室だった。
「みずき!大丈夫か?」その声のする方をみずきが見ると、
そこには心配そうにしているかんたの姿があった。
「かんた...私...」みずきは自分が生きている事を理解すると、自分が月宮に負けたという事を思い出し、
「ごめん...私、負けちゃった...」A級スレイヤーという大きな肩書きを背負いながら負けてしまった自分の情けなさに涙が出てきた。
その言葉にかんたは「違う。みずきは負けてない、みずきがあれだけ粘ってくれなかったら俺は助けに行けなかった。もしかしたら死人も出ていたかもしれない。でも死人は出なかった。それはみずきがいたからだ。」そうみずきを励ました。
その言葉を聞きみずきはかんたと入ればもっと強くなれると思った。だからみずきはかんたにずっと言いたくても言えなかった気持ちを伝えた。
「私はかんたと居ればもっと強くなれる。そう思ったわ、だから、その、」そこまで言ってみずきは頬が赤くなる。
だがここで止める訳にはいかない。かんたに想いを伝えるのだ。その覚悟を決め、
「私と、付き合って...欲しいです...」これからもかんたとずっと一緒に居たい。その気持ちをかんたに伝えた。
それを聞きかんたは一瞬驚いた様な表情をしたが、
すぐに微笑み「俺もみずきとずっと一緒にいたい。だから、よろしくお願いします」
かんたはそう言い、その時から2人はライバルであり恋人という関係性になった。
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