1 / 39
いつもの昼下がり
しおりを挟む
誰が想像できただろう?これから主人公になる男がヒロインに速攻蹴り飛ばされる物語を
「スレイヤー」それは街に突如として出現する災害獣を討伐する為に作られた職業。
そんなスレイヤーにも当然底辺は居る。そう曽木かんたの事だ。「はぁ、依頼こないなぁ」スレイヤーになって早1ヶ月。曽木かんたの元には災害獣討伐の依頼は1つも来ていなかった。それも当然だろう。スレイヤー試験は合格点ギリギリ、曽木かんたの武器である「神威」は名前こそ強そうだが特に能力が付いている訳でもない、何一つ特徴がないのだ。「面白くねぇーの」そう呟きながら公園の外に目をやった途端、道路のアスファルトが吹き飛んだ。
それと同時に地面から巨大なムカデのような化け物が飛び出した。「災害獣!?」クソったれ、急に現れるんじゃねえよ、でも俺はスレイヤーだ。やるしかないだろう「行くぞ!神威」そう叫び自身の武器である黄金の刀身を持つ日本刀を具現化させる。そして、「うぉりゃー!」かんたは災害獣に向かって走り出し、神威を振り下ろそうとした途端、「邪魔よ!どきなさい!」どこからか飛んできた美少女に蹴り飛ばされた。
「ぐはぁ!?」蹴り飛ばされた意味も分からないままかんたは吹き飛び、アスファルトに叩きつけられた。
「雑魚は引っ込んでなさい」水色の髪の毛、ツインテール、水色の瞳。そんでもって超絶美人。(可愛い...)頭から血を流している事も気がつかないくらいにはかんたは彼女に釘漬けだった。
「こんな雑魚、一瞬で真っ二つにしてやるわ。行くわよ、王刃剣」そう言い、自身の武器である大剣を具現化させた。それと同時に「ギガガガガ!」災害獣は彼女に飛びついた。その途端、災害獣は真っ二つに割れた。
彼女の武器、王刃刀が青い稲妻を刀身に纏わせ、災害獣を叩き割ったのだ。「早すぎだろ...」かんたが引き気味にそう呟いた。「街中に急に出てきた割には弱いわね」彼女はつまらなそうにそう呟いた。
真っ二つになった災害獣はぷしゅーと言う音と共に消えていった。
消え終わった事を確認すると彼女は、「さっきはいきなり蹴ってごめんね笑私は東雲みずき。A級スレイヤーよ」そう言った。
「痛ててて...たく、いきなり人様を蹴り飛ばすんじゃねえよ...俺は曽木かんた。よろしくな」血が出た頭を押さえながらかんたは愚痴を吐き、自己紹介した。「まぁこれっきりの関係になるでしょうけどよろしくね」みずきがウインクをしながらそう言うと、
「なんでこれっきりなんだよ。俺はもうみずきと人生歩む気満々だぜ?」かんたはニヤリとにやけながらこう言った。その途端、「ぐはぁ!?」バチーンとみずきの右ストレートがかんたの顔面に炸裂し、「気持ち悪い事言わないでよね!」そう吐き捨てた。「ご、ごべん」鼻に血が溜まって、上手く話せないがかんたは謝った。
「まぁでも蹴ったのは私だし、病院くらいならついて行くわ」みずきはそう言うと、アスファルトに倒れているかんたに手を差し伸べた。(全く、蹴ったり殴ったり手を差し伸べたり忙しい奴だな)そう思いながらかんたは「着いてきてくれ」そう言った。
地面の損傷が激しかったので警察に連絡だけしておき、2人はその場を離れ、病院へと向かった。
歩きながらみずきはかんたに質問した。「ねえ、かんたはどうしてスレイヤーになったの?」そう聞くとかんたは「俺は昔災害獣に両親を殺されているんだ。だからもう誰にもそんな辛い思いして欲しくなくてスレイヤーになったんだ。まぁ俺弱いから誰も守れないけどな笑だからさっきの件で俺決めた、スレイヤー辞めるわ。」かんたは少し寂しそうにそう呟いた。
「なんで辞めちゃうの?まだスレイヤーになったばかりでしょう?ここからよここから!」みずきは大袈裟に慰める。それはかんたがスレイヤーを辞めると言い出した理由はさっき自分がかんたに雑魚と言ってしまった事が原因だと思い、みずきも責任を感じていたためだ。
「慰めてくれてありがとう。でも俺はE級スレイヤーだ。まともに戦うこともできない」それを聞いたみずきは何も言えなかった。E級スレイヤーなんて聞いた事がない、要するに最弱だ。それは諦めるのも仕方ない。そんな事を考えていた時、かんたが立ち止まった。何やら神社を眺めているようだ。
「何かあるの?」みずきがそう聞くと、「俺は毎日ここに来てお参りをしていたんだ。みんなを守れるスレイヤーになれますようにってな」かんたがそう悲しそうに静かに呟くと、「最後にもう一度お参りしても良いか?」かんたはみずきにそう言った。「ええ、お参りしましょう」こんなの断る理由がない、みずきはかんたにそう言い、ついて行った。
神社は古いが綺麗だった。「ここ、俺が掃除してるんだよ。神主さんにはいつも感謝されてる笑」かんたがそう言うと、(かんたって結構良い人なのよね、なのにかんたは言っちゃ悪いけど凄く弱い。神様は不平等ね)なんて考えて考えていると、社に着いた。
「じゃあ手合わせて来る」そう言うとかんたは社に近ずくと手を合わせた。みずきは後ろで待っていた訳だが、途中でかんたの異変に気づいた。グズグズ、かんたは泣いていた。
「クソ、なんでだよ...俺は人を守れないってのかよ...神様、俺に力をくれよ」泣きながらにかんたはそう願った。誰よりも強くなりたいと願った。みんなを守れる強いスレイヤーになりたいと願った。その瞬間、かんたにある声が聞こえた。
「いつも掃除をしてくれている心優しき青年よ、ならば我が貴様に力を貸してやろう」そう誰かが呟いた途端、
かんたに光が集まりだした。
「なんだ?どうなってるんだよ!?」
そして光はかんたの身体の中に吸い込まれていった。「大丈夫!?かんた!!」みずきが目の前で起きた現象に理解が追いつかず何も言えなかったが、我に戻りそう言うと、
「俺にも分からない...けど」「けど...?」不自然な終わり方をしたかんたの言葉に疑問を抱きそう聞くとかんたは身体の奥底から滾って来る力を噛み締めながらこう言った、
「誰にも負けない気がする」
「スレイヤー」それは街に突如として出現する災害獣を討伐する為に作られた職業。
そんなスレイヤーにも当然底辺は居る。そう曽木かんたの事だ。「はぁ、依頼こないなぁ」スレイヤーになって早1ヶ月。曽木かんたの元には災害獣討伐の依頼は1つも来ていなかった。それも当然だろう。スレイヤー試験は合格点ギリギリ、曽木かんたの武器である「神威」は名前こそ強そうだが特に能力が付いている訳でもない、何一つ特徴がないのだ。「面白くねぇーの」そう呟きながら公園の外に目をやった途端、道路のアスファルトが吹き飛んだ。
それと同時に地面から巨大なムカデのような化け物が飛び出した。「災害獣!?」クソったれ、急に現れるんじゃねえよ、でも俺はスレイヤーだ。やるしかないだろう「行くぞ!神威」そう叫び自身の武器である黄金の刀身を持つ日本刀を具現化させる。そして、「うぉりゃー!」かんたは災害獣に向かって走り出し、神威を振り下ろそうとした途端、「邪魔よ!どきなさい!」どこからか飛んできた美少女に蹴り飛ばされた。
「ぐはぁ!?」蹴り飛ばされた意味も分からないままかんたは吹き飛び、アスファルトに叩きつけられた。
「雑魚は引っ込んでなさい」水色の髪の毛、ツインテール、水色の瞳。そんでもって超絶美人。(可愛い...)頭から血を流している事も気がつかないくらいにはかんたは彼女に釘漬けだった。
「こんな雑魚、一瞬で真っ二つにしてやるわ。行くわよ、王刃剣」そう言い、自身の武器である大剣を具現化させた。それと同時に「ギガガガガ!」災害獣は彼女に飛びついた。その途端、災害獣は真っ二つに割れた。
彼女の武器、王刃刀が青い稲妻を刀身に纏わせ、災害獣を叩き割ったのだ。「早すぎだろ...」かんたが引き気味にそう呟いた。「街中に急に出てきた割には弱いわね」彼女はつまらなそうにそう呟いた。
真っ二つになった災害獣はぷしゅーと言う音と共に消えていった。
消え終わった事を確認すると彼女は、「さっきはいきなり蹴ってごめんね笑私は東雲みずき。A級スレイヤーよ」そう言った。
「痛ててて...たく、いきなり人様を蹴り飛ばすんじゃねえよ...俺は曽木かんた。よろしくな」血が出た頭を押さえながらかんたは愚痴を吐き、自己紹介した。「まぁこれっきりの関係になるでしょうけどよろしくね」みずきがウインクをしながらそう言うと、
「なんでこれっきりなんだよ。俺はもうみずきと人生歩む気満々だぜ?」かんたはニヤリとにやけながらこう言った。その途端、「ぐはぁ!?」バチーンとみずきの右ストレートがかんたの顔面に炸裂し、「気持ち悪い事言わないでよね!」そう吐き捨てた。「ご、ごべん」鼻に血が溜まって、上手く話せないがかんたは謝った。
「まぁでも蹴ったのは私だし、病院くらいならついて行くわ」みずきはそう言うと、アスファルトに倒れているかんたに手を差し伸べた。(全く、蹴ったり殴ったり手を差し伸べたり忙しい奴だな)そう思いながらかんたは「着いてきてくれ」そう言った。
地面の損傷が激しかったので警察に連絡だけしておき、2人はその場を離れ、病院へと向かった。
歩きながらみずきはかんたに質問した。「ねえ、かんたはどうしてスレイヤーになったの?」そう聞くとかんたは「俺は昔災害獣に両親を殺されているんだ。だからもう誰にもそんな辛い思いして欲しくなくてスレイヤーになったんだ。まぁ俺弱いから誰も守れないけどな笑だからさっきの件で俺決めた、スレイヤー辞めるわ。」かんたは少し寂しそうにそう呟いた。
「なんで辞めちゃうの?まだスレイヤーになったばかりでしょう?ここからよここから!」みずきは大袈裟に慰める。それはかんたがスレイヤーを辞めると言い出した理由はさっき自分がかんたに雑魚と言ってしまった事が原因だと思い、みずきも責任を感じていたためだ。
「慰めてくれてありがとう。でも俺はE級スレイヤーだ。まともに戦うこともできない」それを聞いたみずきは何も言えなかった。E級スレイヤーなんて聞いた事がない、要するに最弱だ。それは諦めるのも仕方ない。そんな事を考えていた時、かんたが立ち止まった。何やら神社を眺めているようだ。
「何かあるの?」みずきがそう聞くと、「俺は毎日ここに来てお参りをしていたんだ。みんなを守れるスレイヤーになれますようにってな」かんたがそう悲しそうに静かに呟くと、「最後にもう一度お参りしても良いか?」かんたはみずきにそう言った。「ええ、お参りしましょう」こんなの断る理由がない、みずきはかんたにそう言い、ついて行った。
神社は古いが綺麗だった。「ここ、俺が掃除してるんだよ。神主さんにはいつも感謝されてる笑」かんたがそう言うと、(かんたって結構良い人なのよね、なのにかんたは言っちゃ悪いけど凄く弱い。神様は不平等ね)なんて考えて考えていると、社に着いた。
「じゃあ手合わせて来る」そう言うとかんたは社に近ずくと手を合わせた。みずきは後ろで待っていた訳だが、途中でかんたの異変に気づいた。グズグズ、かんたは泣いていた。
「クソ、なんでだよ...俺は人を守れないってのかよ...神様、俺に力をくれよ」泣きながらにかんたはそう願った。誰よりも強くなりたいと願った。みんなを守れる強いスレイヤーになりたいと願った。その瞬間、かんたにある声が聞こえた。
「いつも掃除をしてくれている心優しき青年よ、ならば我が貴様に力を貸してやろう」そう誰かが呟いた途端、
かんたに光が集まりだした。
「なんだ?どうなってるんだよ!?」
そして光はかんたの身体の中に吸い込まれていった。「大丈夫!?かんた!!」みずきが目の前で起きた現象に理解が追いつかず何も言えなかったが、我に戻りそう言うと、
「俺にも分からない...けど」「けど...?」不自然な終わり方をしたかんたの言葉に疑問を抱きそう聞くとかんたは身体の奥底から滾って来る力を噛み締めながらこう言った、
「誰にも負けない気がする」
0
お気に入りに追加
8
あなたにおすすめの小説
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
ここは貴方の国ではありませんよ
水姫
ファンタジー
傲慢な王子は自分の置かれている状況も理解出来ませんでした。
厄介ごとが多いですね。
裏を司る一族は見極めてから調整に働くようです。…まぁ、手遅れでしたけど。
※過去に投稿したモノを手直し後再度投稿しています。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
最後に言い残した事は
白羽鳥(扇つくも)
ファンタジー
どうして、こんな事になったんだろう……
断頭台の上で、元王妃リテラシーは呆然と己を罵倒する民衆を見下ろしていた。世界中から尊敬を集めていた宰相である父の暗殺。全てが狂い出したのはそこから……いや、もっと前だったかもしれない。
本日、リテラシーは公開処刑される。家族ぐるみで悪魔崇拝を行っていたという謂れなき罪のために王妃の位を剥奪され、邪悪な魔女として。
「最後に、言い残した事はあるか?」
かつての夫だった若き国王の言葉に、リテラシーは父から教えられていた『呪文』を発する。
※ファンタジーです。ややグロ表現注意。
※「小説家になろう」にも掲載。
枯れない花
南都
ファンタジー
作者コメント:12月29日に完結しますので、目安にしていただけると幸いです。
ご愛読なさってくださっている方、感謝いたします!
物語の主人公に憧れる青年がいた。
しかしその青年は何度苦境に抗おうとも、良い結果を掴み取ることができずにいた。彼はいつから物語を読もうとも、脇役に感情移入をするようになっていた。
そんな青年の前に一人の女性が現れる。その女性は首元に花の入れ墨を持っていた。彼女は青年を前に「紫苑の花がある」と首元をなぞり、去っていく。
それから数日後、彼は状況がわからないままに不可思議な争いに巻き込まれていく。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
日本列島、時震により転移す!
黄昏人
ファンタジー
2023年(現在)、日本列島が後に時震と呼ばれる現象により、500年以上の時を超え1492年(過去)の世界に転移した。移転したのは本州、四国、九州とその周辺の島々であり、現在の日本は過去の時代に飛ばされ、過去の日本は現在の世界に飛ばされた。飛ばされた現在の日本はその文明を支え、国民を食わせるためには早急に莫大な資源と食料が必要である。過去の日本は現在の世界を意識できないが、取り残された北海道と沖縄は国富の大部分を失い、戦国日本を抱え途方にくれる。人々は、政府は何を思いどうふるまうのか。
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。
侯爵令嬢に転生したからには、何がなんでも生き抜きたいと思います!
珂里
ファンタジー
侯爵令嬢に生まれた私。
3歳のある日、湖で溺れて前世の記憶を思い出す。
高校に入学した翌日、川で溺れていた子供を助けようとして逆に私が溺れてしまった。
これからハッピーライフを満喫しようと思っていたのに!!
転生したからには、2度目の人生何がなんでも生き抜いて、楽しみたいと思います!!!
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?
青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。
最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。
普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた?
しかも弱いからと森に捨てられた。
いやちょっとまてよ?
皆さん勘違いしてません?
これはあいの不思議な日常を書いた物語である。
本編完結しました!
相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです!
1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる