【完結】転生したのは俺だけじゃないらしい。〜同時に異世界転生した全く知らない4人組でこの世界を生き抜きます(ヒキニートは俺だけ)〜

カツラノエース

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第3章2部【ソルクユポ編】

第77話【当日の朝〜作戦の説明〜】

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 『5日後に魔大陸で漆黒龍ブラックドラゴンを召喚する』

 エイブ・シュタイナーがそう言い残してから5日後。
 あの時に言っていた事が本当なら今日召喚されるという日に、俺たちは帝都ティルトル剣術祭の開催場所でもあるベイユ競技場前の広場に集まっていた。

「とうま、数日前に私たちが街の人たちに言っていた通り、少しづつベイユ競技場前広場ここに集まりだしてるわ。」
「了解だ、スザク!冒険者は集まって来てるか?」
「あぁ、大方な。一応来てない冒険者を集める為にも、各ギルドにミラボレアやラゴを行かせてある。」

 俺の問いかけに対して、少し離れた場所で冒険者の数を数えていたスザクはそう返した。

 (エイブ・シュタイナー……あいつの言っていた事が本当だとしたら遂に今日か……)

 あれから5日が経ったが、宣言通り漆黒龍ブラックドラゴンは召喚されておらず、見張ってもらっている魔族たちからも連絡は来ていない。

 まさか……本当に宣言通りの日に召喚するってか?
 どんだけ自信あるんだよ、まるで「どんな邪魔が入ろうと関係ない」そう言ってるみたいだな。

「っし、じゃあそろそろ今回の作戦の最終確認を行うとするか。みさと、ちなつ、くるみ。3人は今集まっている冒険者たちに作戦の説明をすると声を掛けてくれ」
「了解よ」「うん!分かった!」
「でもよとうま……?まだ来てないやつらもいるんだぜ?もう説明始めるのか?ミラボレアやラゴも各ギルドに向かってて居ないしよ」
「あぁ、ミラボレアやラゴは作戦会議の時その場に居たから大丈夫だ。それに後から来た冒険者にもその時に軽く説明すれば良いしな。」

 とにかく――漆黒龍ブラックドラゴンの召喚は何時起きてもおかしくないんだ、出来るだけ早く動かないとな。

 ---

「オッケーよ、みんなには伝えて来たわ。」
「ありがとな、じゃあ始めるか。」

 それから数分後、俺は冒険者たちに一通り伝えたというみさとのセリフ聞き、作戦の説明に入る事にした。しかし、そこで、

「――おいとうま」
「ん?なんだよ?」

 横からスザクが話しかけて来る。
 いや、まじでなんなんだ?俺はこれからみんなに作戦を話すというチョー大切な事をするとこなんスけど。
 まさか今になって、「やっぱり作戦内容変更だ」とか言わねぇよなぁ?
 だとしたら流石の俺でも怒っちまうぞ?

 しかし、次の瞬間にスザクの口から放たれたセリフを聞き、俺はそんな事より怒りたくなった。

「いや、今から作戦をみんなに説明するんだろ?お前喋るの苦手そうだし代わりに俺が説明しなくて良いか?」
「は、はぁ?」

 舐めとんのかワレェ?俺だって確かに今はこんなだが昔は2chをブイブイ言わせてた論破王だったんだぞ?全く……
 ――だが、冗談はこれくらいにしておいて実際のところ俺はコミュニケーション能力が低い。

 それに、万が一作戦の説明を理解出来なかった者が現れるのも面倒だからな、仕方ない。しゃあなしだからな?

「――はぁ……ったよ、じゃあスザクが説明してくれ。」
「あぁ、任せておけ。――――では!只今より今集まっている冒険者たちに今回の作戦を説明するッ!!」

 こうしてスザクは集まった冒険者たちに作戦の内容を話し始めた――――と、じゃあこの間に語り部である俺の使命を果たす為、説明するか。って言っても、内容は意外とシンプルなんだが。

 まず、今回は主に2つのチームに分かれる。
 片方は今俺たちがいる中央大陸を守るチーム。そしてもうひとつは直接魔大陸へ行き、魔族たちと共にソルクユポの召喚を止めに行くチームだ。

 最初の方には主に今作戦を聞いている冒険者たちと、ラゴやみさとと帝都ティルトル剣術祭で戦ったオルガ。同じくちなつと戦ったスリードや俺と戦ったディザードがいる。
 そして、直接乗り込むのは俺たち4人とレザリオ、スザク、ミラボレアの少数精鋭だ。

 分かってる、「普通攻める人数を増やした方が有利だろ」だよな?
 確かにそうだ、実際漆黒龍ブラックドラゴンが召喚されるのも魔大陸で、戦いが起きるのは明らかにあっち。こっちにはモンスターの1匹も来ない可能性があるからな。

 でも、海を渡る魔法氷結の道フリーズ・ザ・ロードをあそこまで長時間使えるのが中央大陸にもミラボレアくらいしかいないから早く大人数で行くとなると色々と問題が起こりそうな点や、ラゴはともかく中途半端な力の冒険者を魔大陸に連れて行っては余計に死者が増えるという点でこうなった。
 
 ――まぁこれでも俺たちなりには色々考えたんだよ。
 途中で中央大陸にある他の街に助けを求めるという考えも出たが、どうせ話しても本気にする人間はいないだろうという考えが過半数で無くなったしな。

 とりあえず、大雑把にはこんな感じだ。(てかこれじゃ作戦の説明ってより役割発表だな……)
 
 でも本当に詳しくは決まってないんだよ。
 魔大陸の地形やソルクユポの本拠地の正確な位置が分かっていない以上、その場に行ってから決めるしか無いしな。(おそらく魔王城の更に西側だろうと魔族の人達は言っていたが)

 すると、そこでスザクも作戦の説明が終わったのか口を閉じると、俺の方に向かってこう言ってくる。

「よし、説明が終わったぞ。みんなも分かってくれたみたいだ。」
「そうか、良かった良かった」

 正直まともに聞いてくれるか心配だったんだが……杞憂だったかね。
 だってよ?普通の冒険者からしたら漆黒龍ブラックドラゴンが召喚されて世界が滅ぶなんて「厨二病乙!!」の一言で片付いてしまうようなぶっ飛んだ事じゃん?

 そこで俺は作戦を説明された冒険者たちの方へ耳を傾ける。

「なんかまだ現実味がない話だな」
「でも、あのスザクが言ってるんだ、嘘じゃないだろ」
「とりあえずあれだろ?俺たちはこの街を襲うモンスターを返り討ちにすれば良いって事だろ?そんなの何時してる事と同じだ!楽勝だぜ!」

 なんか良い感じに気持ちが乗ってくれてるみたいだな。(今のセリフを聞いた感じもし俺が説明してたら信じて貰えなかったんじゃね?良かったぁスザクパイセンに説明してもらって)

「よし、じゃあ俺たちもミラボレアたちが戻って来たら浜辺に移動するか」
「だな」

 こうして俺たちは最終準備を始めた。
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