スライムすら倒せない底辺冒険者の俺、レベルアップしてハーレムを築く(予定)〜ユニークスキル[レベルアップ]を手に入れた俺は最弱魔法で無双する

カツラノエース

文字の大きさ
上 下
27 / 98
第一章[ミリゴ編]

解放の条件

しおりを挟む

「じゃあお前が我との勝負に勝ったら解散してやろう!」
 レグル山賊を解散してくれと言った俺に、ローズオーラはそう返した。

 勝負?一体何するって言うんだよ。
「勝負って何するんだ?」
 俺は両手を腰に当てて、(  ¯﹀¯  )こんな顔をしているローズオーラにそう聞く。

 するとローズオーラは元気良く、
「追いかけっこ!」
 そう言った。
 完全にガキじゃねぇか……
「ルールは?」
「我に一度でもタッチ出来れば、そっちの勝ち、レグル山賊は解散してやる!でもタッチ出来なかったら我はレグル山賊を続ける。どうだ?」

 ……なるほど、確かに追いかけっこだな。ルール的にも問題は無いが――
「そんな簡単な事でレグル山賊を解散させても良いのか?」
 俺はそう思っていた事を言った。
 だって自分がリーダーである組織を追いかけっこの勝敗程度で解散させなきゃいけないかもしんないんだぜ?普通そんなハイリスクな条件出さんだろ。

 しかしローズオーラは、
「簡単?残念だが我に触れるのは至難の業だぞ!」
 相変わらずのドヤ顔でそう言った。

 まぁ、相手が良いなら俺は大丈夫だが。
「よし、じゃあさっさと始めるぞ!」
 俺は気合いを入れ、そう言う。
 すると、そのセリフを聞いたローズオーラは、
「よし、じゃあスタート!何時でも良いよ!」
 そう言った。
 こうして俺とローズオーラの[レグル山賊解散を賭けた追いかけっこ]が始まったのだった。

「テツヤ~!さっさと終わらせちゃって!」
 公園の入り口辺りで、呑気にそう言うセリヤ。
 くそ、相手が子供だった瞬間、男と一緒に遠くで見守りやがって!ちょっとは手伝えよ!
「はぁ……」
 まぁ良い、さっさと終わらしてやる!

「行くぞ!」
 俺はそう声を上げると、地面を力一杯蹴り、ローズオーラに向かって走り出した。
 しかし、俺が近づいているというにも関わらず、ローズオーラは、何故か俺から逃げようとはしなかった。

 ん?なんでだ?マジでタッチしちまうぞ?
 俺はそのままローズオーラの目の前まで来て、手を伸ばす。
 しかし、やはりローズオーラは逃げようとしなかった。
 まぁ、コイツが何を考えているのかは知らんが、勝負は勝負だ。遠慮なくタッチさせて貰うぜ!

「もらったぁぁぁぁ!」
 俺はそう声を上げてローズオーラに触れようとした、次の瞬間――
「ぐぁ!?」
 俺の腹を突然ものすごい衝撃が襲った。
 そのまま俺は後ろに吹き飛び、砂場に落ちた。

 はぁはぁ……いってぇ……この野郎……!
「おい!蹴るなんて聞いてないぞ!」
 俺が倒れたのを見てゲラゲラと笑うローズオーラにそう怒鳴る俺。

 しかし、ローズオーラは全く悪びれている様子は無く、
「蹴らないなんて言ってないぞ?」
 そう言ってきた。
 く……このクソガキ!!

「じゃあ、やってやるよ!」
 俺はそう言うと、痛む腹を押さえながら立ち上がり、もう一度ローズオーラの方へ走り出した。
 しかしやはり、
「ぐっ!?」
 先程と同じ様に、ローズオーラの蹴りが俺の腹に飛んできた。

 だが、
「クッ!」
 先程と同じでは無い!
 俺は蹴られて吹き飛ばされそうになる身体を何とか抑え、必死にローズオーラのほうへと腕を伸ばした。
 しかしそれでも、
「ぐぁ!?」
 ローズオーラが放ったもう一発の蹴りで、俺は吹き飛ばされた。

 この光景を見ていたセリヤは思わず背中の剣を抜こうとする。しかしそれを見たローズオーラは煽る様に、
「ここで別の人間が割り込んできたら反則だぞ?」
 そう言い、セリヤの動きを止めた。

「はぁはぁ……」
 流石にヤバいな……
 俺は痛む身体を何とか押さえながら立ち上がる。
「どうした?こんなものなのか?」
 対してローズオーラは、まだまだ余裕と言う感じだった。

 仕方ない、卑怯になるからあまり使いたくは無かったが……この際しょうがない。
 アレを使うか。

 このままでは勝てないと思った俺は、地面に置いてあった杖を拾うと、
「この手はあまり使いたくは無かったが……仕方ない」
 そう言い、ローズオーラの方に杖を向け、
「草木を燃やせ、ファイアボール!!」
 杖から火の玉を放った。

 いや、やり過ぎと思うかもしれないが、仕方ないんだよ!
 分かってくれ!
 俺は内心「当たったら危ないから避けてくれ」と願いながら火の玉を見る。
 別に当てなくても、少し相手を怯ませられれば良いからだ。

 しかし、ローズオーラは避ける気配は無く、飛んでくる火の玉の方に右手を伸ばすと、ニヤリと笑い、
魔法消滅マジックアウト
 そう言った瞬間、俺の放った火の玉は一瞬にして消滅した。
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

(完結)魔王討伐後にパーティー追放されたFランク魔法剣士は、超レア能力【全スキル】を覚えてゲスすぎる勇者達をザマアしつつ世界を救います

しまうま弁当
ファンタジー
魔王討伐直後にクリードは勇者ライオスからパーティーから出て行けといわれるのだった。クリードはパーティー内ではつねにFランクと呼ばれ戦闘にも参加させてもらえず場美雑言は当たり前でクリードはもう勇者パーティーから出て行きたいと常々考えていたので、いい機会だと思って出て行く事にした。だがラストダンジョンから脱出に必要なリアーの羽はライオス達は分けてくれなかったので、仕方なく一階層づつ上っていく事を決めたのだった。だがなぜか後ろから勇者パーティー内で唯一のヒロインであるミリーが追いかけてきて一緒に脱出しようと言ってくれたのだった。切羽詰まっていると感じたクリードはミリーと一緒に脱出を図ろうとするが、後ろから追いかけてきたメンバーに石にされてしまったのだった。

料理の上手さを見込まれてモフモフ聖獣に育てられた俺は、剣も魔法も使えず、一人ではドラゴンくらいしか倒せないのに、聖女や剣聖たちから溺愛される

向原 行人
ファンタジー
母を早くに亡くし、男だらけの五人兄弟で家事の全てを任されていた長男の俺は、気付いたら異世界に転生していた。 アルフレッドという名の子供になっていたのだが、山奥に一人ぼっち。 普通に考えて、親に捨てられ死を待つだけという、とんでもないハードモード転生だったのだが、偶然通りかかった人の言葉を話す聖獣――白虎が現れ、俺を育ててくれた。 白虎は食べ物の獲り方を教えてくれたので、俺は前世で培った家事の腕を振るい、調理という形で恩を返す。 そんな毎日が十数年続き、俺がもうすぐ十六歳になるという所で、白虎からそろそろ人間の社会で生きる様にと言われてしまった。 剣も魔法も使えない俺は、少しだけ使える聖獣の力と家事能力しか取り柄が無いので、とりあえず異世界の定番である冒険者を目指す事に。 だが、この世界では職業学校を卒業しないと冒険者になれないのだとか。 おまけに聖獣の力を人前で使うと、恐れられて嫌われる……と。 俺は聖獣の力を使わずに、冒険者となる事が出来るのだろうか。 ※第○話:主人公視点  挿話○:タイトルに書かれたキャラの視点  となります。

無能と呼ばれたレベル0の転生者は、効果がチートだったスキル限界突破の力で最強を目指す

紅月シン
ファンタジー
 七歳の誕生日を迎えたその日に、レオン・ハーヴェイの全ては一変することになった。  才能限界0。  それが、その日レオンという少年に下されたその身の価値であった。  レベルが存在するその世界で、才能限界とはレベルの成長限界を意味する。  つまりは、レベルが0のまま一生変わらない――未来永劫一般人であることが確定してしまったのだ。  だがそんなことは、レオンにはどうでもいいことでもあった。  その結果として実家の公爵家を追放されたことも。  同日に前世の記憶を思い出したことも。  一つの出会いに比べれば、全ては些事に過ぎなかったからだ。  その出会いの果てに誓いを立てた少年は、その世界で役立たずとされているものに目を付ける。  スキル。  そして、自らのスキルである限界突破。  やがてそのスキルの意味を理解した時、少年は誓いを果たすため、世界最強を目指すことを決意するのであった。 ※小説家になろう様にも投稿しています

異世界転生!ハイハイからの倍人生

カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
僕は死んでしまった。 まさか野球観戦で死ぬとは思わなかった。 ホームランボールによって頭を打ち死んでしまった僕は異世界に転生する事になった。 転生する時に女神様がいくら何でも可哀そうという事で特殊な能力を与えてくれた。 それはレベルを減らすことでステータスを無制限に倍にしていける能力だった...

異世界をスキルブックと共に生きていく

大森 万丈
ファンタジー
神様に頼まれてユニークスキル「スキルブック」と「神の幸運」を持ち異世界に転移したのだが転移した先は海辺だった。見渡しても海と森しかない。「最初からサバイバルなんて難易度高すぎだろ・・今着てる服以外何も持ってないし絶対幸運働いてないよこれ、これからどうしよう・・・」これは地球で平凡に暮らしていた佐藤 健吾が死後神様の依頼により異世界に転生し神より授かったユニークスキル「スキルブック」を駆使し、仲間を増やしながら気ままに異世界で暮らしていく話です。神様に貰った幸運は相変わらず仕事をしません。のんびり書いていきます。読んで頂けると幸いです。

勇者PTを追放されたので獣娘たちに乗り換えて楽しく生きる

まったりー
ファンタジー
勇者を支援する為に召喚され、5年の間ユニークスキル【カードダス】で支援して来た主人公は、突然の冤罪を受け勇者PTを追放されてしまいました。 そんな主人公は、ギルドで出会った獣人のPTと仲良くなり、彼女たちの為にスキルを使う事を決め、獣人たちが暮らしやすい場所を作る為に奮闘する物語です。

悪役顔のモブに転生しました。特に影響が無いようなので好きに生きます

竹桜
ファンタジー
 ある部屋の中で男が画面に向かいながら、ゲームをしていた。  そのゲームは主人公の勇者が魔王を倒し、ヒロインと結ばれるというものだ。  そして、ヒロインは4人いる。  ヒロイン達は聖女、剣士、武闘家、魔法使いだ。  エンドのルートしては六種類ある。  バットエンドを抜かすと、ハッピーエンドが五種類あり、ハッピーエンドの四種類、ヒロインの中の誰か1人と結ばれる。  残りのハッピーエンドはハーレムエンドである。  大好きなゲームの十回目のエンディングを迎えた主人公はお腹が空いたので、ご飯を食べようと思い、台所に行こうとして、足を滑らせ、頭を強く打ってしまった。  そして、主人公は不幸にも死んでしまった。    次に、主人公が目覚めると大好きなゲームの中に転生していた。  だが、主人公はゲームの中で名前しか出てこない悪役顔のモブに転生してしまった。  主人公は大好きなゲームの中に転生したことを心の底から喜んだ。  そして、折角転生したから、この世界を好きに生きようと考えた。  

ようこそ異世界へ!うっかりから始まる異世界転生物語

Eunoi
ファンタジー
本来12人が異世界転生だったはずが、神様のうっかりで異世界転生に巻き込まれた主人公。 チート能力をもらえるかと思いきや、予定外だったため、チート能力なし。 その代わりに公爵家子息として異世界転生するも、まさかの没落→島流し。 さぁ、どん底から這い上がろうか そして、少年は流刑地より、王政が当たり前の国家の中で、民主主義国家を樹立することとなる。 少年は英雄への道を歩き始めるのだった。 ※第4章に入る前に、各話の改定作業に入りますので、ご了承ください。

処理中です...