スライムすら倒せない底辺冒険者の俺、レベルアップしてハーレムを築く(予定)〜ユニークスキル[レベルアップ]を手に入れた俺は最弱魔法で無双する

カツラノエース

文字の大きさ
上 下
2 / 98
第一章[ミリゴ編]

出会い

しおりを挟む

初めてレベルアップしたあの日から、俺は薬草集めクエストでは無く、スライム討伐のクエストをする様になっていた。
 理由は、薬草集めクエストよりも貰える報酬が多いというのもあるが、何より薬草を集めるよりも効率的にレベルアップをする事が出来るからだ。

 初めて一撃でスライムを倒したあの日、俺は少し自分に自信を持てたんだ。今まで出来なかった事が出来る様になるって嬉しいだろ?
 そうだなぁ――例えるとすれば、全然出来なかった計算問題を、公式を理解して解く事が出来た時に感覚が近い。
 まぁ計算問題とスライムはまったくの別物だけどさ――
 そんな感じだ。

 さて、じゃあ早速今の状況を説明していくとするか。
 今日も俺はスライム討伐の依頼を受け、スライムの森に来ている。
 初めてレベルアップした日から何度もスライムを討伐したから今はもうレベル5にまで上がった。
 どれくらいの強さかって言うと、スライム2、3体なら
 一撃で同時討伐出来る位の強さだ。

「最近はスライム位なら楽勝になってきたな。」
 俺はスライムを探しながらそう呟いた。
 俺はもうレベル5だ。先程言った通りスライム相手ではもう負ける事は無いだろう。
 まぁ、その分レベルは上がりにくくなったがな。

 ――それにしてもスライムが居ないな。
 さっきからずっと話を聞いてるお前らなら分かると思うが、
 今日はまだ一度もスライムが出てきていない。

 おかしいな。
 いつもなら木の影から飛び出してくるはずなんだが――

 それから俺は更に奥に進んだが、やっぱりスライムは居なかった。
「おっかしいな」
 そう言いながら俺は杖を持っていない方の手で頭をいた。
 そしてふと周りを見渡してみると――

「ん?」
 道の脇に立っている看板が目に入った。
 看板には、「これより先、スライム以外のモンスターの出没事例あり。」と、書いてある。

 なるほど……要するにこの先にはスライムよりも強いモンスターがいる可能性があるって事だな?
 じゃあ行こうじゃないか!

 こういう時はちゃんと考えてから行動するのが一番なのだが――この時俺はスライムよりも強いモンスターと戦ってみたい。という好奇心に突き動かされ、特に何も考えずに先へ進んだ。

 それから十分程歩いていると、ある開けた場所に着いた。
 形は、直径十メートル程の円形だ。

 そして、地面にびっしりと生えている草が燦々と照りつける太陽の光を反射していた。

 そんな景色を見た俺は、
「綺麗な所だな」
 と、口から声が漏れる。

 多分俺はここにいきなり神様が現れたとしても驚きはしないだろう。それくらい綺麗で神々しい景色だった。

 そしてこの時俺は。という事を完全に忘れてしまっていた。

 しばらくその景色に見惚れていると、不意に後ろの辺りからガサガサと音が聞こえた。

 なんだ?
 その音で俺は我に返り、後ろにある茂みを見た。
 すると、その茂みの中で何かがガサガサと動いていたのだ。

 ちょっと待ってくれよまじ怖いんだけど!!
 だってこういう時って悪いパターンしか俺知らないもん!

 俺はそうまるでライオンに追い詰められたシマウマの様にガクガクと震えていると――
「しゃァァァァ!」
 突然その茂みからソレは飛び出してきた。
 そしてその姿を見た瞬間俺は文字通り絶望した。

 そこには、全長五メートルはあるであろう大蛇が居たのだ。

「うわぁぁぁ!」
 その姿を見た俺はそう叫んだ。
 というかこんなの叫ぶに決まってる!だって前の世界じゃ考えられない大きさなんだよ!もうこれ龍だろ龍!

 化け物と対峙した俺は急いで来た道を戻ろうとする。しかし――

「うおッ!?」
 焦っていたせいで上手く足に力が入らず、俺は転んでしまった。
 そんな俺に対して、大蛇は舌をべろべろと出したり引っ込めたりしながら近ずいてくる。

 やばいやばいやばい!コレマジで死ぬって!
 俺は後ずさりしながら何とか大蛇を追い払おうと必死で魔法を放つ。しかし、手に上手く力が入らず、放った魔法は全て違う方向に飛んでいった。

「ちょっとマジでタンマ!ごめんって!」
 頭が真っ白になった俺は、遂に大蛇に対して謝罪を始めた。
 しかしもちろん、言葉が通じる訳もなく大蛇は、

「しゃァァァァァァァ!!」
 大きく口を開き、俺に飛びかかって来た。

 マジでやめてくれぇぇぇぇ!
 俺は言葉にならない悲鳴を上げた。というか死んだと思った。しかし、次の瞬間声を上げたのは

「はぁぁぁ!」
 突如として森から飛び出してきた彼女は、俺を追い詰めていた大蛇の背中を手に持っている剣で斬り裂いたのだ。

「しゃァァァァァ!?」
 いきなりの攻撃に大蛇は悲鳴を上げる。

 なにが起こったんだ...?
 大蛇に噛まれる寸前、目を閉じ死を覚悟していた俺はいきなりの展開に唖然としていた。
 そしてそんな俺に突如現れた彼女は、

「早く!今のうちに逃げるわよ!」
 と、俺に急かすように言う。
 その声で正気に戻った俺は、
「あ、あぁ!」
 彼女にそう返事をして、二人で来た道へと逃げた。
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

レベルが上がらない【無駄骨】スキルのせいで両親に殺されかけたむっつりスケベがスキルを奪って世界を救う話。

玉ねぎサーモン
ファンタジー
絶望スキル× 害悪スキル=限界突破のユニークスキル…!? 成長できない主人公と存在するだけで周りを傷つける美少女が出会ったら、激レアユニークスキルに! 故郷を魔王に滅ぼされたむっつりスケベな主人公。 この世界ではおよそ1000人に1人がスキルを覚醒する。 持てるスキルは人によって決まっており、1つから最大5つまで。 主人公のロックは世界最高5つのスキルを持てるため将来を期待されたが、覚醒したのはハズレスキルばかり。レベルアップ時のステータス上昇値が半減する「成長抑制」を覚えたかと思えば、その次には経験値が一切入らなくなる「無駄骨」…。 期待を裏切ったため育ての親に殺されかける。 その後最高レア度のユニークスキル「スキルスナッチ」スキルを覚醒。 仲間と出会いさらに強力なユニークスキルを手に入れて世界最強へ…!? 美少女たちと冒険する主人公は、仇をとり、故郷を取り戻すことができるのか。 この作品はカクヨム・小説家になろう・Youtubeにも掲載しています。

異世界をスキルブックと共に生きていく

大森 万丈
ファンタジー
神様に頼まれてユニークスキル「スキルブック」と「神の幸運」を持ち異世界に転移したのだが転移した先は海辺だった。見渡しても海と森しかない。「最初からサバイバルなんて難易度高すぎだろ・・今着てる服以外何も持ってないし絶対幸運働いてないよこれ、これからどうしよう・・・」これは地球で平凡に暮らしていた佐藤 健吾が死後神様の依頼により異世界に転生し神より授かったユニークスキル「スキルブック」を駆使し、仲間を増やしながら気ままに異世界で暮らしていく話です。神様に貰った幸運は相変わらず仕事をしません。のんびり書いていきます。読んで頂けると幸いです。

爺さんの異世界建国記 〜荒廃した異世界を農業で立て直していきます。いきなりの土作りはうまくいかない。

秋田ノ介
ファンタジー
  88歳の爺さんが、異世界に転生して農業の知識を駆使して建国をする話。  異世界では、戦乱が絶えず、土地が荒廃し、人心は乱れ、国家が崩壊している。そんな世界を司る女神から、世界を救うように懇願される。爺は、耳が遠いせいで、村長になって村人が飢えないようにしてほしいと頼まれたと勘違いする。  その願いを叶えるために、農業で村人の飢えをなくすことを目標にして、生活していく。それが、次第に輪が広がり世界の人々に希望を与え始める。戦争で成人男性が極端に少ない世界で、13歳のロッシュという若者に転生した爺の周りには、ハーレムが出来上がっていく。徐々にその地に、流浪をしている者たちや様々な種族の者たちが様々な思惑で集まり、国家が出来上がっていく。  飢えを乗り越えた『村』は、王国から狙われることとなる。強大な軍事力を誇る王国に対して、ロッシュは知恵と知識、そして魔法や仲間たちと協力して、その脅威を乗り越えていくオリジナル戦記。  完結済み。全400話、150万字程度程度になります。元は他のサイトで掲載していたものを加筆修正して、掲載します。一日、少なくとも二話は更新します。  

【完結】487222760年間女神様に仕えてきた俺は、そろそろ普通の異世界転生をしてもいいと思う

こすもすさんど(元:ムメイザクラ)
ファンタジー
 異世界転生の女神様に四億年近くも仕えてきた、名も無きオリ主。  億千の異世界転生を繰り返してきた彼は、女神様に"休暇"と称して『普通の異世界転生がしたい』とお願いする。  彼の願いを聞き入れた女神様は、彼を無難な異世界へと送り出す。  四億年の経験知識と共に異世界へ降り立ったオリ主――『アヤト』は、自由気ままな転生者生活を満喫しようとするのだが、そんなぶっ壊れチートを持ったなろう系オリ主が平穏無事な"普通の異世界転生"など出来るはずもなく……?  道行く美少女ヒロイン達をスパルタ特訓で徹底的に鍛え上げ、邪魔する奴はただのパンチで滅殺抹殺一撃必殺、それも全ては"普通の異世界転生"をするために!  気が付けばヒロインが増え、気が付けば厄介事に巻き込まれる、テメーの頭はハッピーセットな、なろう系最強チーレム無双オリ主の明日はどっちだ!?    ※小説家になろう、エブリスタ、ノベルアップ+にも掲載しております。

無能と呼ばれたレベル0の転生者は、効果がチートだったスキル限界突破の力で最強を目指す

紅月シン
ファンタジー
 七歳の誕生日を迎えたその日に、レオン・ハーヴェイの全ては一変することになった。  才能限界0。  それが、その日レオンという少年に下されたその身の価値であった。  レベルが存在するその世界で、才能限界とはレベルの成長限界を意味する。  つまりは、レベルが0のまま一生変わらない――未来永劫一般人であることが確定してしまったのだ。  だがそんなことは、レオンにはどうでもいいことでもあった。  その結果として実家の公爵家を追放されたことも。  同日に前世の記憶を思い出したことも。  一つの出会いに比べれば、全ては些事に過ぎなかったからだ。  その出会いの果てに誓いを立てた少年は、その世界で役立たずとされているものに目を付ける。  スキル。  そして、自らのスキルである限界突破。  やがてそのスキルの意味を理解した時、少年は誓いを果たすため、世界最強を目指すことを決意するのであった。 ※小説家になろう様にも投稿しています

外れスキルは、レベル1!~異世界転生したのに、外れスキルでした!

武蔵野純平
ファンタジー
異世界転生したユウトは、十三歳になり成人の儀式を受け神様からスキルを授かった。 しかし、授かったスキルは『レベル1』という聞いたこともないスキルだった。 『ハズレスキルだ!』 同世代の仲間からバカにされるが、ユウトが冒険者として活動を始めると『レベル1』はとんでもないチートスキルだった。ユウトは仲間と一緒にダンジョンを探索し成り上がっていく。 そんなユウトたちに一人の少女た頼み事をする。『お父さんを助けて!』

~最弱のスキルコレクター~ スキルを無限に獲得できるようになった元落ちこぼれは、レベル1のまま世界最強まで成り上がる

僧侶A
ファンタジー
沢山のスキルさえあれば、レベルが無くても最強になれる。 スキルは5つしか獲得できないのに、どのスキルも補正値は5%以下。 だからレベルを上げる以外に強くなる方法はない。 それなのにレベルが1から上がらない如月飛鳥は当然のように落ちこぼれた。 色々と試行錯誤をしたものの、強くなれる見込みがないため、探索者になるという目標を諦め一般人として生きる道を歩んでいた。 しかしある日、5つしか獲得できないはずのスキルをいくらでも獲得できることに気づく。 ここで如月飛鳥は考えた。いくらスキルの一つ一つが大したことが無くても、100個、200個と大量に集めたのならレベルを上げるのと同様に強くなれるのではないかと。 一つの光明を見出した主人公は、最強への道を一直線に突き進む。 土曜日以外は毎日投稿してます。

序盤でざまぁされる人望ゼロの無能リーダーに転生したので隠れチート主人公を追放せず可愛がったら、なぜか俺の方が英雄扱いされるようになっていた

砂礫レキ
ファンタジー
35歳独身社会人の灰村タクミ。 彼は実家の母から学生時代夢中で書いていた小説をゴミとして燃やしたと電話で告げられる。 そして落ち込んでいる所を通り魔に襲われ死亡した。 死の間際思い出したタクミの夢、それは「自分の書いた物語の主人公になる」ことだった。 その願いが叶ったのか目覚めたタクミは見覚えのあるファンタジー世界の中にいた。 しかし望んでいた主人公「クロノ・ナイトレイ」の姿ではなく、 主人公を追放し序盤で惨めに死ぬ冒険者パーティーの無能リーダー「アルヴァ・グレイブラッド」として。 自尊心が地の底まで落ちているタクミがチート主人公であるクロノに嫉妬する筈もなく、 寧ろ無能と見下されているクロノの実力を周囲に伝え先輩冒険者として支え始める。 結果、アルヴァを粗野で無能なリーダーだと見下していたパーティーメンバーや、 自警団、街の住民たちの視線が変わり始めて……? 更新は昼頃になります。

処理中です...