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2章 自慢の仲間

八十、現実世界

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ガラハドの持ち物に残った魔力残滓を辿りながら、騎士団の訓練を覗いていていた。

「へぇ…ガラハドよりかは全然まだまだだが…ちゃんと訓練しているんだな…
って、うん?あそこはなんだ?…気になるな、言ってみるか」

訓練に参加せず、袋小路に集まった数名の騎士を見つけ、俺はそこに向かった。

「(…ああ、イジメか…大方、平民とか何とか…貴族と平民に差があると、どこに行ってもこうなるよなぁ…)
"幻影残姿ファントムフォーム"」

箱庭を境に偽りの姿を見せる次元を運用したスキルで騎士の姿になり、その袋小路へと入っていった。

「王国の騎士ともあろう者共が、このような行為をして恥ずかしくもないのか」
「ビクッ…だ、誰だ!…本当に誰だ?いや、さてはお前…入ってきたばかりの新人だな?
先輩に向かってその口はなんだ!
お前も教育してやる!」
「"次元の剣ディメンションソード"
そうか、ならこちらも立場を弁え…お前達を空いてしてやろう」

その瞬間、訓練場にとてつもない殺気が溢れ出し、その姿はまるで"鬼神"の様だった。

「さぁ、かかって来い」
「くっ…かはっ…な、何だこの…殺気…ひぃっ…ち、近付くな…!」
「どうした、先程までの威勢は?
まぁ良い…お前たちのような騎士は、この国には必要ない。
よって…利き手を奪わせてもらう、二度と剣をモテると思うな」

その瞬間、全員の利き腕を瞬時に切り捨てた。

「何をしている!…なっ、全員、臨戦態勢をッ!」
「敵ですか!」

流石副団長と言ったところか…殺気を出しただけで直ぐに場所を特定するとは…

「ふ、副団長!」
「(この魔力、それに…ガラハド団長が自慢していた主から貰ったと言われる、結晶の剣…あれは…)
全員、剣を下ろせ…」
「し、しかし…!」
「いいから下ろせ!」
「くっ…」
「…ユーグ王太子殿下、状況を説明して頂けますか」
「ほぉ、姿を変えていても分かるものなのか」
「…魔力の気配に加え、ガラハド団長の戦姿に酷似したその殺気、そして団長が愛用していた結晶の剣…
間違える筈がありません」
「なら、この姿はもう必要ないな…それよりも、どういうことだ?騎士ともあろうものが、弱者をこのような場所で、訓練をサボってまで、いたぶるとは…」
「…こちらの監視不足です、申し訳ありません」
「ふ、副団長が謝ることでは…!」
「黙れ!お前は事情を知らないだろう!」
「…まぁ良い。これらは家にでも送り返せ。
そして、もう一度騎士の体制を見直せ。
貴族だから、平民だからなどと理由で才能を潰さず、騎士ならば実力を示せ、名誉を示せ、誇り高き志しと国に仕えろ。
…わかったな?」
「…はっ!」
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