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1章 稀代の商人

七十二、自律人形

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「さてと…一通り終わったし、とりあえず店番を作っておこうかな」

そう言いながら必要な材料を世界から取り出していき、早速作り始める。

「えっと、自律型にしないといけないから、まずは人間の形を作って、その後各五感に当たる部位に魔法陣…
んで、心臓には結界を張って、戦闘系の能力も幾つか付けておいてと。
あとは何が必要だろうな…
あっ、商品の説明とかも必要か。なら、脳に記憶、考察、修正の効果を魔法陣化して付与して、商品は…取り敢えず、食料系、石材系、木材系…を用意して、それらの知識を入れる。
あとは、店の中の形を変えて、商品の種類ごとに階を変えて、同じような人形を複数設置。
良し、これで大丈夫だな。
じゃ、早速──起動!」

自律人形に仕上げの魔力を心臓部分のコアに流し込み、店内全体の人形を起動させた。

「よし、あとは売り切れた場合の対処をしとけば良いかな。
うーんと、どうするか…」

売り切れた場合、明日まで待ってもらう方が楽だが、継続的に来てもらうなら、多少のサービスは必要…
となると…

「うん。在庫がで次第、届けると伝えるようにも記憶に入れておくかな。
あとは、届ける用の座標追跡、飛行、収納の効果の魔法陣化をして、鳥の模型にそれらを付与、これでいいかな。
さて、商品は取り敢えず、
木材は家具や訓練用の武器、あとは薪とかも必要。
石材は基本的にはそのままにして、宝石とかはアクセサリーに変化させる。
食料もそのままでいいかな。
あ、菌が入らないようにケースに入れて、殺菌効果のある浄化と、時間停止機能を搭載したら…よし、完成!
あと残した物とかはあるか?
うーん…あっ、アイツらの武器を作ってなかったな…まぁ、武器に関しては最終的にまた変更が出るかもしれないし一旦放置で良いかな。
…うん、やり残したことは無さそうだし、これで問題は無いかな。
ユグドラシル、そういや結局俺は何したらいいんだ?」

何処かでずっとこちらを覗いてる神に問い掛けると、急に目の前に現れた。

「うーん、そうだね…出来るのであれば、まずは魔力溜まりを全て回収して欲しい。
そして、全ての種族の王を従えてくれないかな?
世界を平和にする…それが最終目的だけど、それを実行するにはまず、魔物以外の全ての種族が手を取り会わないといけないんだ。
 だからまぁ、今は龍は君に従ってるから、そうだね…この国以外を旅するのも良いんじゃないかな?」

「旅、ねぇ…わかった。
せっかくだし、準備ができ次第、この異世界を満喫するついでに旅をしよう。
んで、世界が平和になったら…俺を向こうの世界に送り返してくれ。別の人間としてでも良いから」

「…へぇ、未練はないと思ったけど…意外な心境の変化だね?」

「必ず会いに行かないといけない奴が居てな…まぁ、そんなことは今は良いんだ。
とりあえず…メンバーを集めよう。
俺とガラハドは勿論主要メンバーとして…ナインとかはこの国の、あの教会の総責任者として必要だし、他も必要だしなぁ…
うん、取り敢えず俺とガラハド、あとは今から訓練を付けるあの二人にも声を掛けておくか。
それまでに、通信の魔道具も量産しておかないと」
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