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1章 稀代の商人

三十一、商会設立(2)

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「お、不動産屋…ちょっと見てみるか」

「いらっしゃいま──小僧、ここはお前の来る場所じゃないぞ」

店主は俺を見た瞬間、怪訝そうな態度に変わった。

「ああ、気にするな。少し見学するだけだ。
ふぅむ…意外と良い土地も残っているみたいだな」

「お、おい…」

「店主、ここを取っておいてくれるか?
また後日、ここを買いに来る。
ああ先に名乗った方が良かったな…
ファイダー王国第4皇子ユーグ・ファイダーだ」

そう名乗った瞬間、店主はすぐさま態度を変えたが…

「!お、王族の方とは露知らず…」

「構わん、楽にしろ。不敬罪は取らん。
俺が気に食わんのは、不敬罪ではなく侮辱罪のみだ」

「は、はぁ…」

「それで、ここは取っておけるか?」

「はい、構いません。しかし、ユーグ様がご購入される前にこの金額で買われると取り置きは出来なくなります」

「なるほど…ならば、その時は俺が倍の値段を出そう」

「…か、かしこまりました。そう伝えさせて頂きます」

「そうだな…明日、はダメか。魔道具が確立し、目当てのものが見つかるまで…ふむ、最低でも3日は待たすかもしれんな」

「それくらいならば大丈夫です」

「分かった」

俺はそういって不動産屋を出た。

「さてと…ゴーレムを作って甜菜を栽培可能にする…経過は試行錯誤すれば良いから、まずは作る段階だけでもできるようにしなくてはな。
甜菜…の方は、能力の方で購入すれば良い…そういえば、購入できるとはわかっていたが買ったものは一切なかったな…
 うーん、やっぱり俺自身が頼んだことでも、神が改良したのもあって、結局全部は確認していなかったな…うーん、世界を新たに作るべきか、今の世界を改造するべきか…
いや、魔力の供給源となっている今の世界はこのまま開拓はさせても、方針は変えずに行こう。
となると、新たな世界を作るには…
ユグドラシル!」

「お、やっとやる気になったかい?
そうだね…この近くなら、魔の森に魔力溜まりがあるよ。
最近、あそこの魔力溜まりが成長しているから、ここらで根絶しておいてほしいかな。
ちなみに、君のあの世界は使用者の最大魔力量によって変わるから、1つ目の世界と2つ目の世界は同じ大きさになるよ。
必要なのは、作る際に必要な膨大な魔力だけだ」

「分かった。それじゃあ、そこに行こう。案内して…いや、折角だ。仲間全員引き連れて行こうか。
今後の俺の仕事でもあるしな」
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