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50話

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「どっからでも掛かってこい」
「じゃ、遠慮なく。多重展開開始」
「?」

その瞬間、彼女は最小魔力でできるだけ多くの魔法を、そして流星の軌跡等も続けて同時に攻撃した。

「魔法系の職業か」
「〔転移〕…〔スイッチ:短剣〕〔短剣術:急所打ち〕〔暗殺術:弱点看破〕」
「後ろ!?チッ…」
「〔暗殺術×闇魔法:霊障〕」

※霊障:幻影を見せると同時に、幻影を斬った相手を恐怖状態を与える。
※恐怖状態:威圧を掛けて相手の精神力を下げる場合や、相手が過去に恐怖を感じた時の幻影を見せる場合もあるが、基本的に心情を見せる。

「〔闇魔法:暗影の束縛シャドウバインド〕〔スイッチ:戦槌〕〔戦槌術:地盤割豪〕」
「ぐっ…」
「〔転移〕〔火魔法×土魔法:隕石墜落メテオフォール
もういっちょ…〔転移〕〔スイッチ:籠手〕〔格闘術:天龍衝〕」

«龍よ、愛し子と英雄王ステータスは英雄王の方が上だが…この勝負、どちらが勝つと思う?»
«魔力切れを起こしたあとも、物理で戦えるが…物理戦となれば、英雄王に勝る者は居ないだろう»
«普通ならばそうだがな。彼奴が物理戦において、英雄王に勝るものがある。
それは、異世界の知識だ»

「〔オリジナル戦術…魔銃:狙撃〕…ズドンッ」
「ウッソだろお前、なんでもありかよ…」
「武器は使わせないよ、〔付与術応用:対象指定×空間干渉:固定…複合:対象固定〕」
「なっ…か、身体が動かな…まっ、ちょっ…」
「どれくらいで倒せるかなぁ…〔爆炎:灯篭祭〕
…当たった所から爆発してくよ」

英雄王が自由落下をする度、その場にある灯篭は触れたものから爆発し、それが連鎖して次々に爆発するが、地面から次々と灯篭が空へと浮かんでいき、爆発は英雄王が地に足を着けるまで行われた。

「まだまだいく──」
「す、ストップ!降参だ!」
「…え?」
「いやまさか、年下にここまで完膚なきまでに倒されるとは…英雄王も引退の時期か…」

そう彼がしょんぼりとしながらつぶやくと、遠くで観戦していたキングが近付いてきた。

«であれば、愛し子の部下になるがよい。彼女ならば武器を作るのはもちろん、新たな戦術も生み出せる»
「部下か…いっそのこと、主従契約でもするか。ああだが、俺の今居る国に弟子を置いてきているんだよな」
«ならば、別れを告げるかそやつも連れてくればよかろう。
最果ての楽園は鍛錬にも使えるぞ»
「そいつは良い」
「いや、勝手に話進めてるけど部下とか要らないんだけど…」
「えぇ!?俺は戦力としてかなり使えるぞ!?抑止力にもなるし、世界最強の称号も持っているし、全国の国王よりも権力はある。
まぁ、今は和国に好き好んで住んでいるが…」
「え、和国ってどんなところ?」
「王国や帝国とは違って…城の形が違うんだ。
それに、建物も殆どが木造だし…ああ後、なんといってもあそこは飯が上手い。米という初めて食べたものだが、あれはなんにでも合う」
「キングさん、私和国に行きたい!」
«会合が終わったあとに行けばよかろう。英雄王よ、あちらの王に先に伝えておけ»
「わかった」
「あ、英雄王さん印だけ付けさせてもらうね」
「印?」
「私の能力で、私が印を付けたものはどこに居るか分かるの」
「ほぉ、そいつは便利だな」
«む、神獣が降りてきたな»
「神獣って…」
«聖獣よりも位階が上の獣だ。基本的には天界の守護か、神に使えている…が、あれはどこの神獣だったか…»
『今代の英雄候補、鳴海 咲桜様。上界にて、主様より招待を受けました』
「上界?」
«この城の上だ。今居るところが1階で、基本的な会合はここでされていて、聖獣や神候補みたく位階が定かではない者たちが来る場所で、2階は神獣や天使などの神の使徒が、そして3階は下級神、そして最上階に上級神と王神、そして神王が居る»
「で、誰の招待?」
『神々を統べる王にて創造の神ゼウス様、同じく破壊の神シヴァ様、生命を司る神ガイア様、死を司る神タナトス様です。
その他にも最上位神様方が何人か…
ブラックフェンリル殿、そなたにも鳴海様の保護者として招待が来ております』
「どうする?」
«そなたが決めよ»
「じゃ、ついでに行こう」
『かしこまりました。では、私の身体に触れてください…〔転移〕』
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