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1章 学園
25話 エルフの里
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「さてと、道中色々とあったがまぁ、取り敢えずエルフの里には着いたな」
『そうだな、本当に…結局搾り取られたし、そのあともこっち来る途中で守護龍やら聖獣やら色々と捕まえやがって…おかげで証1つで大行列が出来ちまったじゃねぇか』
「失敬な、ちょっと龍一匹と虎一匹と鳥一羽と馬一頭居るだけだろ」
『そのちょっとのサイズがデカすぎんだよ!
ったく…こりゃどっちみち説教コースじゃねぇかよ…』
「で、ここを通れば良いんだよな?」
『聞いちゃあいねぇ…もう良いか…そうだ、そこの木に証を付けてから森に入れば良い』
「…お、結界の発動音。へぇ、この結界…幻影を見せる結界と感覚を狂わせる結界、それと暗示の結界と守護もあるな…魔力で膜を張っているから、入れはするが、効果だけちゃんと効いてる状態に…しかも、森に設置する恩恵でその場所から出るまで永遠にこれ機能するみたいだな」
『流石結界師、真似は出来るのか?』
「ああ、さっきの発動で術式は記録したからな。
あとは、動力さえあれば動かすことはできる。
解除もできるが…まぁ、エルフは狙われやすいからしない方がいいか。
白虎、鳳凰、麒麟、風龍、行くぞ」
『あーあー…こりゃもう言い逃れできねぇな…』
「…お、気配が増えてきた。世界樹って初めて見るが、相当デカそうだよなぁ…」
«世界樹はこの世界で最も巨大な木だ。人の目では全長は測れぬだろう»
「へぇ、そんなに大きいのか」
«世界樹といっても、表世界の1本ですがね»
「麒麟、世界樹ってのはもう一本?」
«はい。表の世界と裏の世界に1本ずつあります。
ですが、裏の世界は捨てられた地…あの場に居るだけで身体が蝕まれるほどなので、そう滅多に行くことはできないでしょう»
「なるほどねぇ…ま、だったらそっちはあまり気にしなくても良さそうだな。
お、そろそろ──」
レイドたちはいつの間にか森の結界を抜け出し、エルフの里の入り口へと着いていた。
「ほぉ、あの真ん中のが…」
«うむ、世界樹である。
そして、あの森の結界は、エルフ共が世界樹に結界を張ってもらうよう頼んだ代物だ»
「へぇ、だからあんなに脆いのか…結界をあまり必要としない世界樹と、自分たちの保身が大事だったエルフ…面白いことになりそうだな」
「人間よ!今すぐ立ち去らなければお前を射抜く!」
「ほぉ、敵対するか!」
『お、おいレイド!』
「敵対するなら別に構わん、俺の手で滅ぼしても魔王軍が勝利するという事実は消せるからな!」
『お待ちなさい!』
その声が聞こえた瞬間、森がざわつき始めた。
「…今の、誰の声だ?」
『れ、レイド、頭を…下げろ…』
「うん?」
「せ、世界樹様…ですが、この侵入者を…」
『貴方達を仕方なく麓に住まわせているとは言え、貴方達が私を所有物と扱うのは許しません。
彼はこの地にやってきた来訪者──彼を害するならば、この地から立ち去りなさい』
「世界樹ってのは生き物なのか?大樹かと思ったら、随分とお喋りなものだ」
『お待ちしておりました、改変者よ』
「その呼び名は俺が勝手に言ってるだけだけどな」
『いいえ、貴方が運命に導かれたように、改変者という称号は貴方が所有している最も尊い称号なのです。
改変者レイドよ、私の元へ来てください。
そこで、セイレーンとクリスティンも待っております』
…クリスティン?誰だそれは…俺の知らない奴…だが、こいつの話が本当なら、行く必要があるか…
「白虎達も一緒に行っていいんだな?」
『ええ、問題ありません』
「じゃ、行くぞお前ら」
『そうだな、本当に…結局搾り取られたし、そのあともこっち来る途中で守護龍やら聖獣やら色々と捕まえやがって…おかげで証1つで大行列が出来ちまったじゃねぇか』
「失敬な、ちょっと龍一匹と虎一匹と鳥一羽と馬一頭居るだけだろ」
『そのちょっとのサイズがデカすぎんだよ!
ったく…こりゃどっちみち説教コースじゃねぇかよ…』
「で、ここを通れば良いんだよな?」
『聞いちゃあいねぇ…もう良いか…そうだ、そこの木に証を付けてから森に入れば良い』
「…お、結界の発動音。へぇ、この結界…幻影を見せる結界と感覚を狂わせる結界、それと暗示の結界と守護もあるな…魔力で膜を張っているから、入れはするが、効果だけちゃんと効いてる状態に…しかも、森に設置する恩恵でその場所から出るまで永遠にこれ機能するみたいだな」
『流石結界師、真似は出来るのか?』
「ああ、さっきの発動で術式は記録したからな。
あとは、動力さえあれば動かすことはできる。
解除もできるが…まぁ、エルフは狙われやすいからしない方がいいか。
白虎、鳳凰、麒麟、風龍、行くぞ」
『あーあー…こりゃもう言い逃れできねぇな…』
「…お、気配が増えてきた。世界樹って初めて見るが、相当デカそうだよなぁ…」
«世界樹はこの世界で最も巨大な木だ。人の目では全長は測れぬだろう»
「へぇ、そんなに大きいのか」
«世界樹といっても、表世界の1本ですがね»
「麒麟、世界樹ってのはもう一本?」
«はい。表の世界と裏の世界に1本ずつあります。
ですが、裏の世界は捨てられた地…あの場に居るだけで身体が蝕まれるほどなので、そう滅多に行くことはできないでしょう»
「なるほどねぇ…ま、だったらそっちはあまり気にしなくても良さそうだな。
お、そろそろ──」
レイドたちはいつの間にか森の結界を抜け出し、エルフの里の入り口へと着いていた。
「ほぉ、あの真ん中のが…」
«うむ、世界樹である。
そして、あの森の結界は、エルフ共が世界樹に結界を張ってもらうよう頼んだ代物だ»
「へぇ、だからあんなに脆いのか…結界をあまり必要としない世界樹と、自分たちの保身が大事だったエルフ…面白いことになりそうだな」
「人間よ!今すぐ立ち去らなければお前を射抜く!」
「ほぉ、敵対するか!」
『お、おいレイド!』
「敵対するなら別に構わん、俺の手で滅ぼしても魔王軍が勝利するという事実は消せるからな!」
『お待ちなさい!』
その声が聞こえた瞬間、森がざわつき始めた。
「…今の、誰の声だ?」
『れ、レイド、頭を…下げろ…』
「うん?」
「せ、世界樹様…ですが、この侵入者を…」
『貴方達を仕方なく麓に住まわせているとは言え、貴方達が私を所有物と扱うのは許しません。
彼はこの地にやってきた来訪者──彼を害するならば、この地から立ち去りなさい』
「世界樹ってのは生き物なのか?大樹かと思ったら、随分とお喋りなものだ」
『お待ちしておりました、改変者よ』
「その呼び名は俺が勝手に言ってるだけだけどな」
『いいえ、貴方が運命に導かれたように、改変者という称号は貴方が所有している最も尊い称号なのです。
改変者レイドよ、私の元へ来てください。
そこで、セイレーンとクリスティンも待っております』
…クリスティン?誰だそれは…俺の知らない奴…だが、こいつの話が本当なら、行く必要があるか…
「白虎達も一緒に行っていいんだな?」
『ええ、問題ありません』
「じゃ、行くぞお前ら」
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