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1章 学園

22話 抜け出した先で

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「お、親父に怒られねぇかな」
「怒られるだろうな、お前は特に。てか、俺も怒られる気がする」
「でしょうね。私なんてあとが怖すぎてもう身震いしてるわよ」
「「「でも…楽しい!」」」
「せっかくだし、街を散歩でもするか!」
「というか、貴方いつの間に転移魔法なんて覚えたのよ」
「ん?俺は転移魔法なんて覚えてないぞ?」
「え?でもさっき…」
「ああ、あれは結界の応用だ。結界同士の内部を等価交換する…っていう感じの、結界と錬金術の応用だな。
結界は守ることがメインだから、"結界内を守る"っていうのを等価交換して、場所だけを変える…みたいな感じかな」
「な、なんでもありね…」
「さ、それじゃあ何処に見に行く?せっかくだ、行きたいところに行こう」
「あ、じゃあ俺屋台行きてぇ!この前美味そうな串焼き見つけたんだが、母ちゃんにダメって言われてさ」
「お、じゃあまずはそこから行くか」
「おう!」

ルイがそう元気に返事して1人先に走っていったあと、2人は追いかけるように走っていった。

「…ねぇ、こっちの世界での私の父のさ、犯罪暴くって約束してくれたけど、あれほんと?」
「俺は滅多に約束はしねぇが、1度約束したならそれは絶対だ」
「…お願いがあるんだけどさ、あれもうちょっと早めてくれない?」
「なんでだ?」
「…先日、貴方と話した日の夜にね、婚約の話が来たのよ。父が勝手に話を進めたみたいで…」
「ふーん…ま、博士号を手に入れた瞬間、お前自身が破棄すりゃ良いだろ」
「出来ないわよ。あなたは暴れているから知らないと思うけど、貴族社会の権力なんてそんなものよ」
「おいおい、なにか勘違いしてないか?確かに博士号だけだと伯爵止まりだが、この世界は文学もすごいが、何よりこの国が続いているのはこの国の領地が神が定めた守護龍がいる場所が多いからだ。
んで、そのことからもこの国は武力に対する博士号は特別な意味を持っていて、その博士号を持っている人らは魔法なら賢者、とか言われて権力で言えば王家に次ぐ権力を持っているんだ」
「…えぇ!?は、博士号を取るってそういう意味だったの!?」
「当たり前だろ。
それに…俺もそうだが、精霊士は賢者の上、大賢者の称号を得る条件の1つなんだ。
んで、大賢者の称号を持つ者の権力は、政治にはあまり関わらないとはいえ、実質王家とほぼ横並び程の権力を持つ。
んで、大賢者の獲得条件は、全属性所持、精霊との契約あり、オリジナルの魔法を作ること、魔法論文と精霊論文を提出していること、この4つが条件だから…
精霊と俺がまだ出していない外部魔力に関しての論文を共同にして提出し、その場で全属性魔法とオリジナル魔法を披露したら…」
「大賢者を、獲得出来る…」
「そういうことだ。っと、ルイが呼んでるぞ。
ほら、あとはお前が頑張るだけなんだ。今は楽しむぞ」
「う、うん」
「…うちの娘を連れ去ったのはお前だな?小僧」
「うげっ…お前違和感はあったがやっぱ監視付けられてたか」
「えっ…そ、そんな…」
「安心しろ、学園に入っちまえばいくらこいつでも入ることは出来ない。
とりあえず…ルイ、欲しい分だけ注文しろ!」
「おっちゃん、30本くれ!」
「はいよ、銀貨2枚だ」
「シア、恥ずかしいかもだが、ちょっと我慢してくれよ」
「!護衛部隊、あの小僧を逃がすな!」
「「はっ!」」
「おっちゃん、釣りは要らねぇぜ!ルイ、こっち走ってこい!」
「おう!」
「あばよ、犯罪者!〘転移結界〙」
「なっ…も、申し訳ありません…逃げられた、様です」
「チッ…まぁいい。帰るぞ」
「よ、宜しいのですか?」
「構わん。あの小僧が何をしようと、この婚約は他国との利益だ。断ることは出来んだろう」
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