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1章 学園

9話 魔道具

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「さてと、とりあえず母さんと父さんの分の結界の魔道具を作りたいが…この世界での魔道具って、全部任意発動なんだよな。
 だからどうにか危機に合わせて自動的に発動する機能が欲しいよな…それと、救難信号も欲しい。
あと、もしもそうなんとかした時用に収納機能も付けないとな。
となるとやっぱり、日頃つけていても問題のない指輪、かなぁ…
魔法陣を作ってそれを基盤に付与した後、最後に製作者を血を流せば魔道具が完成する…魔道具なら血液でいいけど、流石に自分の精液を使ってまでAFを渡したいって訳では無いし…うん、それでいいかな。
じゃ、早速作っていこう。ってか、そういやあの森で入手した道具を使って母さんに杖も作ってやるかぁ…うん、取り敢えずまずは指輪から。
魔鉄は他の金属と違って合金を作ろうとすると反発して片方が崩壊するから、一種合金にして強度と性能を上げ、精錬…よし、とりあえず基盤のデザインとかは決まったな」

レイドはそう言いながら、学園にある鍛冶施設を借りて早速指輪の鍛造を始めた。

「ほぉ…こんなガキが鍛冶とはって思ってたが…坊主、お前鍛冶師の子供なのか?」
「カンッ…ふぅ、鍛冶師の子供じゃない。俺に出来ることを探していたらいつの間にか出来るようになっていただけだ。
さて…それじゃあ、こっからは鍛冶師には出来ない分野だ」
「魔道具か?」
「ああ…って、自分の仕事は良いのか?」
「んなもんとっくに終わってるさ」

この人は学園施設で、模擬戦用の剣や、課外授業のための装備などを作っている専属鍛冶師の人だ。

「なら…折角だから見ていってくれ。ただし、この技術は秘密だ」
「おう」

俺は自身が持つ収納、守護、鏡写し、再生の結界の魔法陣を立体化にて融合させた。

「これで良し。あとは、ここに俺の血を入れたら…ほい、魔道具の完成だ」
「へぇ…結構パパっと作れるもんなんだな」
「んなわけ、これは俺が異常なだけだ。普通なら魔法陣なんていちいち覚えてないからな、特殊な紙に魔法陣を書いて、それを基盤に付与するから、早くて数十時間、平均的には3日くらいは掛かる」
「ほーん…難しいもんだな」
「鍛冶も同じようなもんだろ。
さて、それじゃあこっからは…武器の制作だ」
「何作るんだ?」
「母さんに杖を1本。材料はクリスタルディアの角と魔鉄」
「おいおいおい!坊主、お前それをどこで手に入れた!?
そいつはA級の魔物だぞ!」
「あれが?んなバカな。あんなもの魔法を発動している時に避けて攻撃すれば普通に倒せるぞ」
「んなアホな…んなもん近付けるもんじゃねぇよ」
「ま、いいや。取り敢えず、魔鉄の練度を上げるために錬金術で高品質のものを取りだして…これを数回繰り返したあと、合成。
よし、これで魔鉄…っと、鑑定結果が変化した。
魔鋼鉄インゴットの完成だ。
あとは、クリスタルディアの透明度を保ちながら、魔鋼鉄との合金を作って…」
「お、お前本当にそれ独学か…?」
「よし、魔晶鋼インゴットの完成。
うん、耐久力も然ることながら、魔力伝導率もかなり上がっている。
あとは、これを1度溶かして杖の形で鍛造したら…
最後に、触媒の準備をしたら完成だな」
「な、なぁ…もしかして、クリスタルディアの角ってまだあるか?」
「あるにはあるが…触媒でも使うから多分残らないぞ?」
「…そ、そうか…」
「あれだったら、また今度取りに行ってやろうか?」
「良いのか!?」
「その代わり、俺に武器を作ってくれよ。大剣だ」
「え?あ、ああ…それくらい構わないが…お前、剣の重なる金属音からして長剣か二刀流のどっちかだろ」
「へぇ、そこまで分かるのか。
いやなに、色んな武器を扱えるようにしておきたくてな」
「ああ、なるほど…わかった。材料さえ持ってきたら、いつでも無料で作ってやる」
「お、その取引はありがたい。
じゃあ、俺に可能な限りだが、俺も必要な素材があったら取ってきてやる。
ただしそれで金儲けするなら、素材採取代はキッチリ分配してもらう」
「勿論だ」
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