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1章 学園

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「言っておくが、手加減はしないぞ。ただでさえハンデを出しているんだ」
「ハンデ?何を──」
「構え」
「まさか、鍛錬の後にこんな子供に手合わせさせるとはな」
「始め!」

レイドはその合図の瞬間、彼に一瞬にして間合いを詰め、彼が反応する未来を逆手にその剣先に自分の剣がいかないように突き立てた。

「所詮、騎士なんざこの程度だ」
「ぐっ…こ、神聖な決闘に言葉で攻めるとは小汚いやり方をするものだ!」
「そうか。なら…ファブル、もう一度合図を」
「おう。だがまさか、俺の管轄っちゃ管轄のところにこんな騎士が居たとはな…
まぁ、良い。構えろ、2度目の言い訳はなしだ」
「くっ…」
「始め!」

レイドは、最後に残った体力を無視するかのよう全神経を集中し、剣王・明鏡止水・先見のスキルを融合させ、擬似的な剣神の再現しようとした。
 すると、不思議と剣からオーラのようなものが現れ、剣を包み込んだ。

「ザンッ…これで文句はないな、底辺」
「なっ…お、俺の愛剣が…」
「そのようなナマクラが愛剣とは片腹痛いな。ファブル、ダン、行くぞ」
「殿下、部下の管理くらいして下さい」
「あ、ああ…」
「(にしても、レイドの最後の技…ありゃあ失われた技術のオーラソードだ。
一体どうやって…)」
「レイドよ、最後のオーラソード、見事じゃった。
この時代でももう一度見れるようになるとはの」
「ああ、その事でちょっと。ファブルさん、剣神の取得条件なんだけど、あれちょっと訂正。
剣聖、未来視、心眼の獲得に加え、心眼で見えるようになるオーラ…うーんこれはなんて言うか分からないんだけど、まぁとりあえず仮の名前としてそう呼ぶけどこのオーラを操れることが条件みたいだ。
それと、まだ出来ていないけど、未来視と心眼の複合技である剣の領域を作り出すこと…これらが全てできて、初めて剣神を獲得できる」
「なら、まずは俺は心眼を獲得しないとか」
「ああ、それについては俺が獲得した後に継承するよ。
時間があまりないのもあるけど、ファブルさんは未来視と心眼、これらを擬似的に俺と同じように使っているから、スキルには直ぐに慣れると思う」
「そうか…って、またあれをするのか」
「仕方ないだろ、俺はともかくファブルさんの方は俺の血統がないんだから」
「ま、まぁそうだが…」
「ああ、そういえば…レイドよ、儂の古き友人たちと連絡が取れた様なのじゃが、会いに来て欲しいとのことじゃ」
「うーん、学園も始まるから当分は無理だぞ?」
「それならば安心するがよい。お主は特待生扱いにすれば、好きな時に勉強して、基本的には外で学ぶ、と言った事も出来るのじゃ」
「へぇ、そりゃ便利な制度だ。んじゃ、その手続きをしておいてくれ。
俺は今のうちに、魔道具を作る。
というか、元々明後日には魔道具作りをする予定だったんだがな…
まぁ、最後ので融合は完全に覚えたから、あとは経験を積んでスキルを進化させるだけだし、そこら辺は瞑想したりでも出来ると思う」
「そうか。ならば俺は、ひとまず城へ戻るとしよう」
「儂はハイエルフとエルダードワーフの友に挨拶をしてこよう」

3人はお互いに予定を立て合うと、顔を揃えてニカッと笑い、拳を合わせた。

「とりあえず、明日のお茶会で」
「おう」「うむ」
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