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1章 学園

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「よし、取り敢えず進めるだけ進んで山脈まではこれたな。
っと、見つけた。これだ、この間見かけた鉱石」

〘魔鉱〙
魔素を取り込んで変化した鉱石で、魔力浸透率の高い素材。付近の魔素によって色が変化する。

「へぇ、てことはこれとさっきの結晶を使ったらかなり強い杖とかも作れるようになりそうだな。
いや、それよりもアクセサリー型の魔道具の方がいいな。
杖だと魔法に限定されるし…まぁ、多めにとって母さんに杖をプレゼントするか。
 さてと…んじゃ、こっからなら集中的にスキル強化ができるな。
鷹の目は1つ先の未来を予測して使い続けることでその先のスキルに経験値が入るが、心眼の方はターゲット能力と遠視能力の合わせ技で、範囲内に居る対象の動きを把握するもの。
つまり、これら3つの動きを同時にしないといけない訳だが…この山脈はイベントに出てくる場所で、何度もリポップする中ボス級の魔物が存在している。
それが──」
«グォォォォ!»
「鬼人型の魔物、オーガ。俺の経験値になってもらうぞ」

レイドは迫り来るオーガの動きを鷹の目で集中的に交わし続けながら、行動の予測でカウンターを入れ続けた。

「強敵との戦いは、経験値がより多く入るが、その分死ぬ確率が高い。
ゲームじゃ戦闘前の安全地帯までストーリーが巻き返されるが…そんなもの、時間の無駄だし蘇生なんて必要ない。〘風牢〙
オーガの弱点は風属性…貴重な経験値だ。逃がす訳にはいかないんでな」
«グ、グルル…»
「さぁ、俺の糧になってもらおうじゃねぇか」


「スキルの強化と言っていたが、あいつはどこまで行ったんだ?まさか、黒影の森じゃないだろうな…あの奥地はA級以上の魔物がうじゃうじゃ居るんだぞ…戦闘は問題ないだろうが、体力が切れた瞬間終わりだ」
「ファブルさん、レイドは?」
「あ、あー…それが、鷹の目を試してくるといってどこかに走っていったんだ」
「そう…ファブルさん、貴方はレイドをなんでそこまで信じてくれるのかしら」
「うーん…信じる、という訳では無いのですが…レイド君は、意味の無い行動はしません。
なので、この行動にもなにか意味があるのだと感じたのもありますが…あいつに会ってから毎日が楽しいんですよ。大好きな剣術に更に磨きがかかっているのもそうなんですが、不思議とあいつは皆に勇気を与える。
友人として言いますが、あいつは間違いなく将来、魔王を潰します。断言しますよ、これは」
「そう…ファブルさん、あの子は時々、とんでもないことをしでかすけど、ずっと友人であり続けてあげてください」
「ええ、もちろんです」

…友人、ねぇ…まぁ、してることはちょっと枠を越えているかもしれないが…
確かに、友人ではあるな。灰色の人生に、再び俺に渡り合える程の天賦の才を持った少年…

「あぁ、あいつは良い奴だよ。とてつもなく…」
「ファブル、あの子があなたの慰め役かしら?」
「うん?ミネルバか、ああ…前に話していた、俺と剣術で渡り合える奴だ。スキルありきじゃ、勝率は半々ってとこだけどな」
「私からしたら、そっちじゃなくて、もうひとつの方を聞いているんだけれどね」
「うっ…な、何故それを…」
「分かるかよ、そりゃあ。あの子にあってくる度にスッキリした顔で帰ってくるんだもの」
「う、浮気じゃないんだ!」
「あら、まだ何も言ってないわよ?」
「うぅ…」
「壊さないようにね。私はもうこんな身体だから、普通の生活くらいならできるけれど、夜の方は何もしてあげられないけど…女とのいざこざに巻き込まないなら、何をしてもいいわ。
だって貴方、その歳で若い騎士と同じくらい性欲もあるじゃない」
「な、何も言い返せん…って、良いのか?」
「子供を作るわけじゃないのでしょう?
相手は男の子だし」
「あ、ああ」
「だから言ったじゃない、壊さないようにねって」
「ほ、本当か?」
「もう、何度も言わせないでちょうだい。
ただし、一つだけ条件があるわ」
「な、なんでも言ってくれ」
「あの子、ルイにも手を出してるじゃない?時々あの子が将来レイドと結婚するって言って聞かないのよ」
「手を出してる訳じゃないが…まぁ、そうだな」
「だから、今度あの子と2人で私のところに来てちょうだい。
話を聞きたいわ」
「わ、わかった」
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