上 下
135 / 167
2章 商業都市

132.

しおりを挟む
「まずは魔法陣を設置して…この魔法陣を全て、霊力供給用の魔法陣を結合させたあと、この霊力供給用の魔法陣に蓄積と変換の魔法陣の結合、これに純粋な魔素から霊力への変換魔法陣、これに対して魔素から純粋な魔素への変換魔法陣、続けて魔石から魔素への変換魔法陣…最後にこれ全体に隠蔽術式…よし、これで良いはずだ。
 あとは、スイッチごとに反応するか…うーん、これだと全部が反応して余分な霊力が放出されているな。となると…霊力への変換まではそのままでいい、そこから一度1つの貯蓄術式を設置してそこに変換魔法陣を繋げるように設計して…この術式から、蓄積への魔法陣と一定量溜まったら鍵をする魔法文字を加えて魔法陣を作り…各蓄積魔法陣を各階の転移魔法陣に結合…」

 魔法陣の結合は、歯車を繋げるようなもので、ボタンを押すことで最初の歯車が回り、その歯車が回ること繋げられている歯車が回り…
 この連鎖で最後の魔法を発動するという仕組みだ。

「あとは、各階に箱部屋を作って、そこにボタンをつけたらできるな。
 ひとまず、箱部屋だけ作って、正式にこれを設置するのは場所ができてからにしよう」

 ひと段落ついた後、彼は通信魔道具を冒険者ギルドのみんなに渡しにいき、それも終わると研究所に転移した。

「クリスさん、これ皆んなに渡しといてくれないか?」
「これは…魔道具ですか?」
「ああ、俺が作ってみた魔道具なんだが…結構便利だから、是非使ってみてくれ。
 とりあえず、説明書は書いておいたから、暫く使ってみて出来れば使い勝手とかそういうのをメモしておいてほしい」
「分かりました。ちなみにこれはなんの魔道具ですか?」
「ああ、通信の魔道具だ。遠隔の」
「つ、つうし…!?ほ、本当にこれを作られたのですか!?」
「ああとは言っても、長時間使ったりはしていないから、まだ正式に商品化するのは決まっていないけどな。
だが、これが出来れば国内とか、国同士でも遠隔で会議とか要請ができるようになるだろ?」
「す、凄い発明ですよこれ!」
「ま、だからレポートをとりあえず頼むわ。
とりあえず、この通信魔道具には全部の連絡先が入ってるから」
「分かりました」
「じゃ、俺は今日はこれで。っと、そうだ。ギルドマスターにこれお土産ってついでにこっちも渡しといてくれないか?」
「?分かりました。ですがこれ、なんの素材ですか?」
「サプライズだから、それは秘密だ」
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

ママと中学生の僕

キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。

小学生最後の夏休みに近所に住む2つ上のお姉さんとお風呂に入った話

矢木羽研
青春
「……もしよかったら先輩もご一緒に、どうですか?」 「あら、いいのかしら」 夕食を作りに来てくれた近所のお姉さんを冗談のつもりでお風呂に誘ったら……? 微笑ましくも甘酸っぱい、ひと夏の思い出。 ※性的なシーンはありませんが裸体描写があるのでR15にしています。 ※小説家になろうでも同内容で投稿しています。 ※2022年8月の「第5回ほっこり・じんわり大賞」にエントリーしていました。

先生!放課後の隣の教室から女子の喘ぎ声が聴こえました…

ヘロディア
恋愛
居残りを余儀なくされた高校生の主人公。 しかし、隣の部屋からかすかに女子の喘ぎ声が聴こえてくるのであった。 気になって覗いてみた主人公は、衝撃的な光景を目の当たりにする…

勝負に勝ったので委員長におっぱいを見せてもらった

矢木羽研
青春
優等生の委員長と「勝ったほうが言うことを聞く」という賭けをしたので、「おっぱい見せて」と頼んでみたら……青春寸止めストーリー。

ちょっっっっっと早かった!〜婚約破棄されたらリアクションは慎重に!〜

オリハルコン陸
ファンタジー
王子から婚約破棄を告げられた令嬢。 ちょっっっっっと反応をミスってしまい……

私の代わりが見つかったから契約破棄ですか……その代わりの人……私の勘が正しければ……結界詐欺師ですよ

Ryo-k
ファンタジー
「リリーナ! 貴様との契約を破棄する!」 結界魔術師リリーナにそう仰るのは、ライオネル・ウォルツ侯爵。 「彼女は結界魔術師1級を所持している。だから貴様はもう不要だ」 とシュナ・ファールと名乗る別の女性を部屋に呼んで宣言する。 リリーナは結界魔術師2級を所持している。 ライオネルの言葉が本当なら確かにすごいことだ。 ……本当なら……ね。 ※完結まで執筆済み

一家処刑?!まっぴらごめんですわ!!~悪役令嬢(予定)の娘といじわる(予定)な継母と馬鹿(現在進行形)な夫

むぎてん
ファンタジー
夫が隠し子のチェルシーを引き取った日。「お花畑のチェルシー」という前世で読んだ小説の中に転生していると気付いた妻マーサ。 この物語、主人公のチェルシーは悪役令嬢だ。 最後は華麗な「ざまあ」の末に一家全員の処刑で幕を閉じるバッドエンド‥‥‥なんて、まっぴら御免ですわ!絶対に阻止して幸せになって見せましょう!! 悪役令嬢(予定)の娘と、意地悪(予定)な継母と、馬鹿(現在進行形)な夫。3人の登場人物がそれぞれの愛の形、家族の形を確認し幸せになるお話です。

[完結]回復魔法しか使えない私が勇者パーティを追放されたが他の魔法を覚えたら最強魔法使いになりました

mikadozero
ファンタジー
3月19日 HOTランキング4位ありがとうございます。三月二十日HOTランキング2位ありがとうございます。 ーーーーーーーーーーーーー エマは突然勇者パーティから「お前はパーティを抜けろ」と言われて追放されたエマは生きる希望を失う。 そんなところにある老人が助け舟を出す。 そのチャンスをエマは自分のものに変えようと努力をする。 努力をすると、結果がついてくるそう思い毎日を過ごしていた。 エマは一人前の冒険者になろうとしていたのだった。

処理中です...