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2章 商業都市

87. 人工生物とゴーレム

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「うーん、とりあえずこのランクの上げ方を探さないといけないし、尚且つお前のスキルも解析していかないとな」
《だが、普通にスキル自体は使えるぞ?》
「うーん…とりあえず、他人のスキルを確認するには、解析系のスキルが必要なんだが…それを獲得してみないことには分からないな。
 ただ、あの時の遺跡で見つけた資料を一通り読んでみて、なにか書いていないかを確認もしてみるわ」
《わかった。その間俺は何したら良い?》
「うーん…すまないが、草原の鉱山でアラクネの所に行って俺の代わりに鉱石を集めてきてくれないか?」
《わかった》

 俺はその応えを聞いてから、市場で予め買っていた紙に地図と取ってくるものを書いて壱晴に渡した。

「さてと…取り敢えずは研究資料の方から見て行こう」

 ﹣人工生物について﹣
 既存する生物、もしくは新たに制作するか、生物を複合した存在を開発する為に作られたもので、神が種族を作る際に擬似的に創り出すことで、その生物の致命的な欠点を補う。

「これじゃないな…てか、なんでこれ読めるんだろうな?称号の効果だったっけか…」

 ﹣人工生物について﹣
 既存する生物に疑似て作った為、肉体の造りは同じでも性質が多少変わってくる。
 その為、神はこの人工生物に対して、ゴーレムという名を授けた。
 ゴーレムのデフォルトは元々は岩の巨人であった為、振動で出すような、言葉などは発することが出来なかった。
 しかし、空気を使った空洞音を使った感情表現等を利用する所から、ゴーレムは核が心臓の代わりとなり、そこから少しづつ様々なことを学び、そして成長することが判明した。
 神はこれらを更に解明しようと、ゴーレムの肉体は既存する人型の生物と同じなのかを研究した。
 すると意外なことに、姿形は人型であるにもかかわらず、ゴーレムには内蔵を含め、血管、脳など、殆どのものが存在しなかった。
 しかも、呼吸器官も存在していない為、どうやって生命を維持しているのか、という疑問が現れた。

「ゴーレムか…ここで途切れているな。
 バラバラに置いていったから、もしかしたら他のがあるのかもしれない」

 俺は資料を一通り探し、続きを探した。

 ゴーレムは基本的に、呼吸器官がない為、体内はほとんど空洞になっている。
 そのため、口を開いた際に魔素を吸収していることが分かった。
 この原理は、真空状態の場所に急速に空気が集まるのと同じで、ゴーレムの体内にある空洞に魔素が集まることで呼吸のようになっていることが分かった。
 ゴーレムの体内にある空洞は常に坂になっていて、核に辿り着くように風が吹いている。
 魔素はその風に乗って核に集まり、核がその魔素を吸収した後に変換し、生命維持に回している。
 そのため、ゴーレムは体内に存在している魔素を全て生命維持に回しているせいで、魔法を使うことが出来ないが、稀に変異種として魔法を使うゴーレムが存在していた。これらのゴーレムは短命ではあるが、それでも最低でも数千年は生きることができる。
 この変異種のゴーレムの特徴は、魔素の変換を行った後、体内に魔素の吸収を高めるべく核に繋がる呼吸器官と、魔法を使う為の脳を擬似的に造り出している。
 その為、通常種よりも魔素の吸収立が高くなる。

「うわ、ここで終わりか…ゴーレムについて…うーん、関係はしてそうだが…」

 その後、俺は他の資料も一通り見ていたが、人工生物のランクに関しての資料はなかった。
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