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2章 商業都市

83.

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「はぁ…はぁ…か、数多すぎだろ…」
「居たぞ、こっちだ!」
《そろそろ天使化するか?》
「いや、もうちょい行こう。マップがだいぶ埋まってきたし、良さげなところはちゃんとマークしてるから、この鬼ごっこももうちょいやったらそろそろ…」
「増援、到着いたしました!」
「よし、このタイミングだ。壱晴、俺に掴まれ」
《おう!》
「高さは…うん、大丈夫そうだな」
《囲まれたぞ、どうするんだ?》
「ま、逃げ道は地面だけじゃないってことだ」
「居たぞ、捕まえろ!」
「鬼さんこちら、手の鳴る方へ!
鬼ごっこは楽しかったが、そろそろ本命に会いに行かねぇとな?
追える奴は追ってくれば良い、来れるならな!」

俺は壱晴を抱えたまま、建物の影を伝って勢いよく空に飛び入った。

「壱晴、翼を出せ!」
《おう!》
「《〔天使化〕!》」

2人は天使化した後、街で一際目立っていた屋敷に突撃して行った。

「壱晴、こういった街は管理している貴族が居るんだ。で、あの騎士らもその貴族が寄越したわけだが、援軍が来たってことは、俺たちを捕まえる気満々で、かつ敵対関係だ」
《なんで敵だって分かるんだ?》
「敵対関係と敵はちょっと違うんだけど…簡単に言えば、敵と判断できる要因を作ってしまったってことだ」
《それだと何が違うんだ?》
「うーん、そうだな…厳密には俺たちは招待されてただろ?だが、それも結局話し合いになると交渉の場になるんだが、大事なのは向こうから敵対を選択したことだ。
これは、交渉の場において勝った方が有利に進めやすいんだ」
《勝者が優先されるからか!》
「そういうことだ。んで、援軍を送ってきたってことは、今大将の所は…」
《手薄!》
「よし、行くぞ!」

俺たちは屋敷の敷地内に入ったあと、大声で領主を呼び出した。

《マスター、外から入れないようにするか?》
「ん、できるか?」
《おう。〔神聖結界〕》
「じゃ、改めて…領主が誰だか知らねぇが、屋敷ごとぶっ飛ばされたくなけりゃさっさと出てこーい!」
「なっ…だ、誰だ!?」
「お?なんだ、お前が領主か?」
「…あ、ああ!」
《マスター、あれ嘘だぞ》
「うん?なんで分かるんだ?」
《天使の力の一つだ。天眼って言って、真実を視ることが出来るんだ》
「ほぉ…で、それどうやって会得したんだ?」
《天使の力を瞳に集めるだけだ。多分、1度会得したらスキル化して常に使えると思う》
「そうか」

俺は言われた通りに天使の力を瞳に集めた後、相手を見た。

「お、ほんとに嘘が分かる」

『〔天眼〕を獲得しました』
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