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1章 始まり

15.

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「…ん、敵か?」
«ワウッ!»
「…なんだっけこいつ…」

 〔緑犬〕
 草原狼より弱いが、草原狼よりも多く群れを成す。
 火に弱いが、かなり素早くその機動力で大抵の攻撃は避けてしまう。

「あれ、なんで説明文が…って、解体屋のおっちゃんから貰った図鑑!光ってるってことは、これが関係してるのか…ってか、解体スキルもアクティブ状態になってる?ってことは、レベルが上がればもしかしたら情報量が増えるかもしれないな…
 …って、この果物くれるのか?」
«ワウッ!»
「う、うーん…なんか申し訳ないな。よし、今まで使わずに放置してたウサギが大量に居るからそれ全部解体して…
 緑犬、これと交換だ」
«クウン…»
「ありがとな。また果物持ってきてくれたら肉と交換しよう」
«ワウッ!»

 さてと…改めて、魔力草を集めていこうか。緑犬がまだ居るってことは、夜にはなってないはずだしな…

「…お、これだな」

 [魔力草]
魔力ポーションの材料になる薬草

「後はこれを集めるだけだな」

 俺は緑犬との交易を楽しみつつ、森を颯爽と駆け回り、出来るだけ多くの魔力草をかき集めていった。

「…ふぅ、緑犬も家に帰ってすっかり夜だ。
 それじゃ、薬草採取もここらで終わりにして、黒狼討伐と行こう!」

 俺は再び夜の草原へと戻り、黒狼を探しながらレベル上げとして出会った魔物達を倒していった。

 «アォォォン!»
「この声は…見つけた、黒狼!」

 俺は早速黒狼と礼をしてから、速攻で倒しにいった。

「っし、まだ1割しか削れないが、前よりかは削りやすい!今度は直ぐに倒させてもらうぞ!」
«グルルル…アォォォォォン!»
「な、なんだ!?…って、おいおいおいおい!それはやり過ぎだろ!黒狼を呼び出しやがった!」
«クイッ…ガウッ»

その狼はいつの間にか身体が大きくなっており、その狼が顎で指した方を見ると、黒狼達が列を成してこちらに近付いてきていた。

「…うん?お前まさか…黒狼じゃないのか!?」

 [黒王狼]
 黒狼の王で、夜の平原のランダムエネミーのボス。
 黒狼の群れ:5を倒すと戦闘開始となる。

「おいおい、マジかよ…フィールドボスとは違うボスまで居んのか…す、スクショだけとりあえず取っとこう」

 とりあえず、落ち着け…多分さっきのは黒狼を相手しろって事だ。てことは…素材取り放題ってことだよな?

「っし!やってやろうじゃねぇか!」

 俺は早速、一体の黒狼と戦い、難なく突破した。

「逃亡がない分かなり楽になったな。それに、黒王狼がいるからか仲間を呼ぶを使わなくなったし…よし、次は2体同時か」

 って、これ…まさか5体同時に戦うのを勝つってことじゃ…

「黒王狼!すまんが今日ちょっと忙しくてな!取り敢えず挑戦資格の5体までさせてもらうが、その後戦わなくても良いか?」
«ガウッ»
「よし、ありがとう!じゃあ早速…乱戦だ!」
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