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赤いスカウト

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 作戦が終わったのでユウキ達は撤収した、後処理などは正規軍の人達に任せて日常に戻ろうとしていた時、

「ユウキ、お呼びですわ」

 ミルシアによって日常から遠ざかってしまった。

「ええぇ、何?」

 やっと終わったと思った矢先にミルシアが笑顔でやってきた。

「良いから行きましょう」

 ミルシアがやや強引にユウキの手を引いて軍の本部までやってきた。



「また何か作戦があるのぉ」

 ユウキとしては学業がまだ残っているし依頼を受けて生活費を稼ぎたいのがある、確かに軍での作戦はゴーレムの開発もあり楽しく、それなりのお金が振り込まれたものの、それが安定してくる訳でもなくましてやそれがユウキの将来的にやりたい事ではない。

「作戦というか教師?」

「なんで疑問形?」

「とにかくいきますわよ」

 更にミルシア引かれて行くと、施設の少し広い部屋に通された、中には優しそうな顔をした人とその両隣に怖い顔の人達が座っていた。

「失礼しますわ、ユウキ・アーノイドをつれてまいりました」

「うん、ありがとう……、初めましてだね私はこの国の軍事を代表させてもらっているよ君の活躍は常々聞いているよ」

「ど、どうも?」

 いきなり軍のトップが出てきてしまい混乱している。

「君は優秀な活躍をしてくれたのはそこにいるロゼッタ嬢からの報告書に記載があったが、君は小隊運営がある程度できるようだね」

「アレでいいのであれば……」

「前回君たちが行動した他国での作戦なんだがね」

「はい」

 優しい顔のハズなのにどんどんと威圧感が増してくる。

「どうも周辺の国の動きが怪しくてね、我が軍には人材が潤沢にいる訳ではない」

「そうなんですね」

「そこでだ、君に是非新規で編成される部隊の隊長をやってほしいんだ」

「それはお断りしても?」

「……何故かね?」

 少しだけ目を開きユウキを睨みつけるように見る、普通の人間ならばそのまま失神してしまいそうな威圧感がある。

「私はまず学生です」

「それは理解している、その辺は簡単に都合がつく」

「それに軍に対しては私は全くと言っていいほど理解がありません」

「だからこそ私は新しい部隊ができると思っているよ」

「それに私は軍属ではありません」

「知っているとも今回もギルド経由の依頼という形でいいかな?」

「裏切る可能性がありますよ?」

「君の友好関係は把握しているからね、もし裏切ろうものならね」

「そもそも私は子供です」

「君は大人の姿になれるのだろう、ならば問題あるまい」

「……そもそもなんで私なんですか?」

「君の活躍を評価しての事だよ、何これ以上は余程のことが無い限りはもう頼んだりはしないよ」



「わかりました……」

「それはよかった、ではよろしく頼むよ」

 まったく隙がなかった、向こうは本気のようでユウキは首を縦に振るしかなかった。
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