上 下
69 / 244

予定は未定

しおりを挟む
「私をのけ者にして皆さんでお茶会ですか……」

 笑顔のまま言葉を放つ、どうやらお怒りの様子だ。

「お、おぉぉおぉお嬢これはででですね…」

 3人いるメイドの内一人だけ明らかさまに大きく同様をしている。



「まあまあこれ飲んで落ち着いて」

 まだ残ってる緑茶をコップに入れて渡す。

「まあ……、いただきますわ」

 少々乱暴にユウキからコップを受け取ってから念入りに冷ましてからゆっくりと飲み始める。

「あら、コレは?」

「どうかな?」

「なかなか珍しい紅茶ですのね」

「これに免じて見逃してもらえないだろうか?」

「ユウキ、あなたから言われてしまえば仕方ありませんわ、メイドの事は不問に致しますので、もう1杯いただけませんかしら?」

「はいはい」

 雰囲気がようやく柔らかくなったミルシアにおかわりの分を渡したあと、忘れていたマキナを起こして朝食にした。



「そういえば今日はどうするの?」

 朝食も終えて食後のティータイム、どうやら緑茶の事を気にったようだ。

「そうですわね、わざわざ長旅で来る価値はありましたけど、正直長居する程ではありませんでしたわ、一応予定では明日に帰るつもりでしたし、一応館内を適当に散策いたしましょうか」

「異議なーし」

「私はゴロゴロしてるー」

「はいはいマキナはこういった物に興味ないもんねー」

「まあ、一日ごろごろするのも悪くはありませんが」

「じゃあ飲み終わったら行きますか」



 皆時間をかけて飲み終え、のんびりと遺跡を散策する、いろいろ探索したが変わった形の旅館程度でしかないため早々に飽きてきたようだ。

「あまり見て回る物はありませんでしたね」

「そうだね、強いて上げるなら玄関にあった大きな絵とあとは人の気配が全くないことかな」

「そうですわね、メイドのロボットも見かけませんし…」

「試しに呼び出ししてみる?」

「そんな事できましたっけ?」

「いや、部屋に呼び出しのボタンあったじゃん」

「部屋まで戻るのですか、いない以上仕方がありませんわね」

「ところで呼び出して何聞くの?」

「そうですわね、まず料理が何故突然テーブルに現れたかとかそもそもこの辺境で食材の調達はどうしてるとかですわね」

「確かに気になるね」

 早速部屋に戻ろうとするが。

「まぁゆっくりと行きましょう」

 ミルシアの体力が残り少なくなっていた。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

憧れのスローライフを異世界で?

さくらもち
ファンタジー
アラフォー独身女子 雪菜は最近ではネット小説しか楽しみが無い寂しく会社と自宅を往復するだけの生活をしていたが、仕事中に突然目眩がして気がつくと転生したようで幼女だった。 日々成長しつつネット小説テンプレキターと転生先でのんびりスローライフをするための地盤堅めに邁進する。

魔力∞を魔力0と勘違いされて追放されました

紗南
ファンタジー
異世界に神の加護をもらって転生した。5歳で前世の記憶を取り戻して洗礼をしたら魔力が∞と記載されてた。異世界にはない記号のためか魔力0と判断され公爵家を追放される。 国2つ跨いだところで冒険者登録して成り上がっていくお話です 更新は1週間に1度くらいのペースになります。 何度か確認はしてますが誤字脱字があるかと思います。 自己満足作品ですので技量は全くありません。その辺り覚悟してお読みくださいm(*_ _)m

気がついたら異世界に転生していた。

みみっく
ファンタジー
社畜として会社に愛されこき使われ日々のストレスとムリが原因で深夜の休憩中に死んでしまい。 気がついたら異世界に転生していた。 普通に愛情を受けて育てられ、普通に育ち屋敷を抜け出して子供達が集まる広場へ遊びに行くと自分の異常な身体能力に気が付き始めた・・・ 冒険がメインでは無く、冒険とほのぼのとした感じの日常と恋愛を書いていけたらと思って書いています。 戦闘もありますが少しだけです。

【完結】悪役令嬢に転生したけど、王太子妃にならない方が幸せじゃない?

みちこ
ファンタジー
12歳の時に前世の記憶を思い出し、自分が悪役令嬢なのに気が付いた主人公。 ずっと王太子に片思いしていて、将来は王太子妃になることしか頭になかった主人公だけど、前世の記憶を思い出したことで、王太子の何が良かったのか疑問に思うようになる 色々としがらみがある王太子妃になるより、このまま公爵家の娘として暮らす方が幸せだと気が付く

伯爵家の次男に転生しましたが、10歳で当主になってしまいました

竹桜
ファンタジー
 自動運転の試験車両に轢かれて、死んでしまった主人公は異世界のランガン伯爵家の次男に転生した。  転生後の生活は順調そのものだった。  だが、プライドだけ高い兄が愚かな行為をしてしまった。  その結果、主人公の両親は当主の座を追われ、主人公が10歳で当主になってしまった。  これは10歳で当主になってしまった者の物語だ。

私の代わりが見つかったから契約破棄ですか……その代わりの人……私の勘が正しければ……結界詐欺師ですよ

Ryo-k
ファンタジー
「リリーナ! 貴様との契約を破棄する!」 結界魔術師リリーナにそう仰るのは、ライオネル・ウォルツ侯爵。 「彼女は結界魔術師1級を所持している。だから貴様はもう不要だ」 とシュナ・ファールと名乗る別の女性を部屋に呼んで宣言する。 リリーナは結界魔術師2級を所持している。 ライオネルの言葉が本当なら確かにすごいことだ。 ……本当なら……ね。 ※完結まで執筆済み

私がいなくなった部屋を見て、あなた様はその心に何を思われるのでしょうね…?

新野乃花(大舟)
恋愛
貴族であるファーラ伯爵との婚約を結んでいたセイラ。しかし伯爵はセイラの事をほったらかしにして、幼馴染であるレリアの方にばかり愛情をかけていた。それは溺愛と呼んでもいいほどのもので、そんな行動の果てにファーラ伯爵は婚約破棄まで持ち出してしまう。しかしそれと時を同じくして、セイラはその姿を伯爵の前からこつぜんと消してしまう。弱気なセイラが自分に逆らう事など絶対に無いと思い上がっていた伯爵は、誰もいなくなってしまったセイラの部屋を見て…。 ※カクヨム、小説家になろうにも投稿しています!

あの、神様、普通の家庭に転生させてって言いましたよね?なんか、森にいるんですけど.......。

▽空
ファンタジー
テンプレのトラックバーンで転生したよ...... どうしようΣ( ̄□ ̄;) とりあえず、今世を楽しんでやる~!!!!!!!!! R指定は念のためです。 マイペースに更新していきます。

処理中です...