異世界に行って転生者を助ける仕事に就きました

仙人掌(さぼてん)

文字の大きさ
上 下
58 / 427
魔法学校の臨時講師

最後の授業1

しおりを挟む
「さて急だが以前から告知があったと思うが今回でゴーレムの授業だ」
生徒達が残念そうな顔をしており、いい授業ができていたと思っている。
「さて今回は実際にゴーレムに武器を装備してみようか」
よく見ると教室の後ろになにやら大きな物が沢山鎮座している。
「みんなも何か持って来ているようで気合いじゅぶんみたいだね」
いたずらを仕掛けているような笑みを浮かべている生徒もいるが死にはしないだろうと気にしないでおこう。
「じゃあ早速持たせてみようか」
教室の隅に鎮座していたゴーレムを自分の近くまで移動させる。
「じゃあまずは誰が待たせる?」
「はいはい、僕の提案した武器!」
男子生徒が返事を待たずに教室の後ろに走る。

「これだ!」
「ずいぶん物騒だな…」
男子生徒が持ってきた物は無数にトゲがついた棍棒だった。
「これはすごいんだ、面じゃなくて点での複数の打撃で敵に攻撃できるし、大きなゴーレムがこいつを持って暴れてたら恐怖でたちすくむだろうから見た目でも良いと思うんだ」
思ったよりもちゃんと考えて持って来ていたようだ。
男子生徒から武器を受け取りゴーレムに持たせてみる、数回素振りさせてみるが大きなゴーレムでは素早く振る事ができず、迫力がいまいちたりない。
「先生が前に見せてくれたものなら素早くうごけたから普通の大きさのゴーレムでもいけると思ったんだけどなぁ…」
「さすがに通常サイズであんなに素早くは動かせないよ」
「いいえ、これでも十分早い方ですわよ、おそらく現在使用されているゴーレムよりかは倍以上早く動けていますもの」
どうやらこの世界のゴーレムは思っている以上にゆっくりらしい・

「次は私が考案した武器ですわ、といっても飾りにすぎませんが…」
今度は貴族の女子生徒の番のようだ、先ほど男子生徒とは違い走ることなく教室に後ろにある物を取りに行く、しかし足取りは軽く今にも走りだしてしまいそうだ。
「これですわ」
持ってきたのは派手な装飾が多くついた人が持つには大きな細見の剣だ。
「これはまた豪華だね」
「ええ、先ほどまででしたらゴーレムに持たせて優雅に戦闘している所を考えておりましたが、あのような動きでは実戦では使えませんわ、ですのでこの武器の使用目的としましてはそうですわね…式典などので構えさせることくらいでしょうか数さえそろえば圧巻でしょう」
生徒が2人ともゴーレムが人並に動けることが前提で作ってきたってことはもしかして全員その前提なのだろうか。

「すまないな、小さなゴーレムなら動かせるんだけど通常サイズになるとさっきの動きが限界なんだ」
生徒達から残念そうな声がして罪悪感がでて申し訳なく思ってしまう、このまま授業を終わらせてしまえば残念な授業だったと記憶に残ってしまうだろう、自分の考案した武器が通用してくれればいいが…。

「じゃあ次は先生が考えた武器を付けてみるか」
しおりを挟む
感想 2

あなたにおすすめの小説

【完結】転生7年!ぼっち脱出して王宮ライフ満喫してたら王国の動乱に巻き込まれた少女戦記 〜愛でたいアイカは救国の姫になる

三矢さくら
ファンタジー
【完結しました】異世界からの召喚に応じて6歳児に転生したアイカは、護ってくれる結界に逆に閉じ込められた結果、山奥でサバイバル生活を始める。 こんなはずじゃなかった! 異世界の山奥で過ごすこと7年。ようやく結界が解けて、山を下りたアイカは王都ヴィアナで【天衣無縫の無頼姫】の異名をとる第3王女リティアと出会う。 珍しい物好きの王女に気に入られたアイカは、なんと侍女に取り立てられて王宮に! やっと始まった異世界生活は、美男美女ぞろいの王宮生活! 右を見ても左を見ても「愛でたい」美人に美少女! 美男子に美少年ばかり! アイカとリティア、まだまだ幼い侍女と王女が数奇な運命をたどる異世界王宮ファンタジー戦記。

魔力∞を魔力0と勘違いされて追放されました

紗南
ファンタジー
異世界に神の加護をもらって転生した。5歳で前世の記憶を取り戻して洗礼をしたら魔力が∞と記載されてた。異世界にはない記号のためか魔力0と判断され公爵家を追放される。 国2つ跨いだところで冒険者登録して成り上がっていくお話です 更新は1週間に1度くらいのペースになります。 何度か確認はしてますが誤字脱字があるかと思います。 自己満足作品ですので技量は全くありません。その辺り覚悟してお読みくださいm(*_ _)m

貴族に生まれたのに誘拐され1歳で死にかけた

佐藤醤油
ファンタジー
 貴族に生まれ、のんびりと赤ちゃん生活を満喫していたのに、気がついたら世界が変わっていた。  僕は、盗賊に誘拐され魔力を吸われながら生きる日々を過ごす。  魔力枯渇に陥ると死ぬ確率が高いにも関わらず年に1回は魔力枯渇になり死にかけている。  言葉が通じる様になって気がついたが、僕は他の人が持っていないステータスを見る力を持ち、さらに異世界と思われる世界の知識を覗ける力を持っている。  この力を使って、いつか脱出し母親の元へと戻ることを夢見て過ごす。  小さい体でチートな力は使えない中、どうにか生きる知恵を出し生活する。 ------------------------------------------------------------------  お知らせ   「転生者はめぐりあう」 始めました。 ------------------------------------------------------------------ 注意  作者の暇つぶし、気分転換中の自己満足で公開する作品です。  感想は受け付けていません。  誤字脱字、文面等気になる方はお気に入りを削除で対応してください。

【一話完結】断罪が予定されている卒業パーティーに欠席したら、みんな死んでしまいました

ツカノ
ファンタジー
とある国の王太子が、卒業パーティーの日に最愛のスワロー・アーチェリー男爵令嬢を虐げた婚約者のロビン・クック公爵令嬢を断罪し婚約破棄をしようとしたが、何故か公爵令嬢は現れない。これでは断罪どころか婚約破棄ができないと王太子が焦り始めた時、招かれざる客が現れる。そして、招かれざる客の登場により、彼らの運命は転がる石のように急転直下し、恐怖が始まったのだった。さて彼らの運命は、如何。

お花畑な母親が正当な跡取りである兄を差し置いて俺を跡取りにしようとしている。誰か助けて……

karon
ファンタジー
我が家にはおまけがいる。それは俺の兄、しかし兄はすべてに置いて俺に勝っており、俺は凡人以下。兄を差し置いて俺が跡取りになったら俺は詰む。何とかこの状況から逃げ出したい。

城で侍女をしているマリアンネと申します。お給金の良いお仕事ありませんか?

甘寧
ファンタジー
「武闘家貴族」「脳筋貴族」と呼ばれていた元子爵令嬢のマリアンネ。 友人に騙され多額の借金を作った脳筋父のせいで、屋敷、領土を差し押さえられ事実上の没落となり、その借金を返済する為、城で侍女の仕事をしつつ得意な武力を活かし副業で「便利屋」を掛け持ちしながら借金返済の為、奮闘する毎日。 マリアンネに執着するオネエ王子やマリアンネを取り巻く人達と様々な試練を越えていく。借金返済の為に…… そんなある日、便利屋の上司ゴリさんからの指令で幽霊屋敷を調査する事になり…… 武闘家令嬢と呼ばれいたマリアンネの、借金返済までを綴った物語

婚約破棄され、平民落ちしましたが、学校追放はまた別問題らしいです

かぜかおる
ファンタジー
とある乙女ゲームのノベライズ版悪役令嬢に転生いたしました。 強制力込みの人生を歩み、冤罪ですが断罪・婚約破棄・勘当・平民落ちのクアドラプルコンボを食らったのが昨日のこと。 これからどうしようかと途方に暮れていた私に話しかけてきたのは、学校で歴史を教えてるおじいちゃん先生!?

母親に家を追い出されたので、勝手に生きる!!(泣きついて来ても、助けてやらない)

いくみ
ファンタジー
実母に家を追い出された。 全く親父の奴!勝手に消えやがって! 親父が帰ってこなくなったから、実母が再婚したが……。その再婚相手は働きもせずに好き勝手する男だった。 俺は消えた親父から母と頼むと、言われて。 母を守ったつもりだったが……出て行けと言われた……。 なんだこれ!俺よりもその男とできた子供の味方なんだな? なら、出ていくよ! 俺が居なくても食って行けるなら勝手にしろよ! これは、のんびり気ままに冒険をする男の話です。 カクヨム様にて先行掲載中です。 不定期更新です。

処理中です...