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悪魔でシスターですから

ようやくの合流

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 ギルドでも言われた通りに3日間は宿でダラダラしていた、宿屋に大金を払ったので扱いが良い、それで適当に飲食店で食べ歩いていたりして何とか暇を潰していく、娯楽らしい物がないので食べるか寝るしかないのでこれ以上はゆっくりするとなんだか心が腐りそうだった。
「お待たせしました、外傷が一切ない物が複数ありましたし内部に関しても完全な物複数でかなりの高額になります、今回は本当にありがとうございました」
「はいはい、それじゃあ移動しましょうか」
「はい、それでは行きましょうか」
 職員の案内で丈夫そうな馬車に案内されて乗り込むのを促される、そのまま乗り込むと座り心地は日本でも十分に勝負できるほどだ。



 自分が乗り込むを確認してから馬車が動き出した、最初は少し揺れたが徐々に揺れが少なくなっていった。
「さて中央までおおよそ5時間ほどになります」
「5時間はかなりかかりますね」
「はい、私達の町は中央からはかなり離れた所にありますからね、これでも最速達手段なんですよ、普通に歩くだけは3日はかかってしまいますからね」
「そんなに遠かったのか……」
「はい、ですので特別待遇の人用のこの馬車もあまり使われる事が無い物で、コレを使うのは3年ぶりなんですよ」
「もしかして3日ってこの馬車のメンテナンス期間だったりします?」
「それもありますがデスリアリゲーターの解体に3日かかってしまったのは本当なんですよ、メリジューヌさんが一切の傷を付けなかったので、我々も解体に苦労しましたからね、何せ一番価値があるのが表皮で傷がなければそのまま装飾品や防具など使用用途は多岐にわたります」
「じゃあもしかして私に報酬金を大量に払っても余裕で回収ができるほどなんですね」
「そうなんです、それに肉や内臓、骨なんかも用途がありますので全て余すことなく使用させていただきます」
「無駄が無いのは良い事ですね」
「はい、こうして特別待遇の馬車も使わせていただいてますからね、それから中央で報酬金を受け取った後はどうしますか?」
「そうですね、そろそろ移動しようと考えているので中央?の方でのんびりしてから適当に放浪します」
「わかりました、偶にギルドに立ち寄って依頼を受けてくださいね、そうすればどこに行ったか記録がとれますので」
「そうですね、すっと仕事をしない状態っていうのは退屈でしかないですから」
「良い考えです、割りとずっとゴロゴロだけしていたいって人が多いですからね」
「何ていうか何もしてない期間があるとイライラというか動きたくなりませんか?」
「それわかります、私以前に予定もなく1カ月間の休みを取ったんですけど、1週間後には職場に戻って仕事してました」
「やっぱりそうなりますよね」

「そういえばメリジューヌさんってなんでそんなに強いのですか?」
「……なんででしょう、ごめんなさい自分でもわからないんです、そもそもなんで魔法が使えるのか、それこそデスリアリゲーターをガチンコ漁でやろうとしたのかわからないんです、何ていうか本能に近い感覚なんですよ」
「本能ですか?」
「はい……」
「そうなんですね、秘密ってことですね、そうですよね強さの秘密はそう簡単に開示できないですよね、ギルドカードでも外国生まれということもあって個人情報があまり記録されてないですもんね」
「ま、まぁそんな所です」
「もしかしてこの国は適当にきたんじゃなくて目的があって来たとかですかぁ?」
「うーん、目的かぁあったような無かったような……」
「ふふ、そういう事にしておきます、なんにせよデスリアリゲーターを大量に無傷で持ってこれるような人をまともに相手にできないですからね、貴女の個人的な事についてはこれ以上追記しないようにしますよ」
「それは助かります、自分でもわからない事が多いんですよ」

 そうして話している馬車がいきなり止まり反動で座席から落ちそうになる。
「何があったんですか?」
「賊です」
「そうですか、すいません対処をお願いできませんか我々は戦闘力は全然でして」
「いいですよ」
 おそらく自分がいれば万が一の事があっても護衛は不要という考えなのだろう、だとしたら帰りはどうするのだろうと考えるが気にしないでおこう、全く考えてない訳はないだろうしこちらがわざわざ首を突っ込む事ではない。
 そんな事より賊、山賊が行先と後方を塞いでいる状態だ、今の自分が美人の部類に入る事は承知しているが、それでも視姦まがいの視線しかないのは不愉快でしかない。
「ちなみに全滅させても?」
「構いませんよ、この馬車はそういった役目もあります、この馬車みたいに高ランクの馬車を襲撃した場合は返り討ちにあって殺されても止む無しです」
「それって貴族が自分の保身のために作ったルールかな?」
「正解です、なのでこいつらはやってしまって大丈夫です」
「わかった【電磁を帯びた敵を貫く鋼鉄を音速で連続で射出する】」
 俗に言うレールガンを山賊に発射しただけなのに長ったらしい詠唱になってしまった、しっかりとした詠唱のため、当たると貫通どころか完全に上下に分かれてしまっている、コレは威力が高すぎた。

「すごいです!」
「うーんもうちょっと手加減したかったな」
「賊におちるような奴はそれで十分なんですよ、もしかし魔力が切れそうな感じですか?」
「うーん魔力は大丈夫だね、でもさっきみたいに長い詠唱だったら言っている途中に攻撃されちゃうじゃん」
「あー確かにそうですね、それじゃあ再出発しましょうか」
「おっとちょっと寄り道の要請があったがいいかな」
 馬車を動かしていた従者が待ったをかけてきた。
「いやね、メリジューヌさんほどじゃないんだけど高額な報酬が発生してね、丁度いいだろうからこちらも拾って乗せて欲しいと来ましてね」
「私は別に構いませんよ」
「メリジューヌさんがいうなら私も大丈夫です」
「ありがたい、それじゃあ広いに行く連絡をするよ、なあにそこの町で馬を交換する手はずも整えてあるようだから到着はむしろ早くなるよ」
「じゃあなおさらいいじゃないですか」

 従者は馬車の機能なのかどこかけ連絡を取っていた。
「それじゃあちょっとそれますよ」
 寄り道をして20分ほどで目的の町に到着したようだ、そこの町のギルド職員が少し申し訳なさそうにしていた、それから職員同士で簡単にすり合わせが行われたようでこの馬車に追加で乗り込むのは1人ということになった。

「よろしくお願いしますね」
「はい、よろしくお願いします」
 乗り込んできたのはシスター服を来た女性だ、こちらを一目見るなり一瞬だけ目を大きく見開いたすぐに平常心を装って挨拶を続けた。
 自分としてはこの世界の人間に因縁などはあるはずないので、他人の空似かな何かだろとスルーしておく。
 こうして従者を含めて4人で中央に向かう事になった。
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