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悪魔でシスターですから

記録1

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 教会から派遣されたシスターの村が全滅したとの報告を受け、調査を開始した。

 正直ド田舎に派遣されるような1人のシスターの報告で特殊ランク帯の自分が動く事になるなんて思わなかった、コレは何かあるだろうと思うが余計な詮索はせずに任務をすることにする。
 そもそも自分1人だけで向かう事自体が変なのだが、普通は自分に加えて後戦闘要員と浄化要員が同行するハズだが自分1人で向かっている。
 それかド田舎なので自分1人で十分と判断しての事だろうか……。

 目的の場所まではそこそこの距離があるので近くの村で1泊してから向かった、村に到着すると本当に人がいなくなっているようで昼間にもかかわらず静まり返っており不気味な様相を呈していた。
 教会だけは無残にも破壊されており、その破壊跡から惨劇が安易に想像できる、しかしこんな惨劇の跡でも死体はおろか血痕などがなく、あるのは不自然にある砂の山ばかりだ。
 違和感を覚えつつも試しに近くの民家に入ってみると居間と台所に不自然な砂の山があった、おそらくコレは元々人だった物だろう、こんな事は普通アリエナイ事なので自分だけ派遣されてまずは様子見という事なのだろう。

 そんな訳で慎重に調査を始めるといきなり若い女性に話しかけられた、服装からしてこの周囲の人ではないのは明らかだ、しかし荷物らしい荷物もないので恐らく収納できるような特殊な術をもっているのだろう、彼女以外に気配などが感じられないのでこんな所にいるという事はかなりの実力者だろう。

 彼女の実力を測るついでにこの村の浄化を行うことにする、聖職者の端くれとして死者を利用するのは心苦しいがコレも調査の為の割り切って利用させてもらう。
 本来ならこんな下法に近い除霊は使わないものだが緊急時の戦力利用等に使われるが、利用目的で使い事はない、それに術式的に自分がやったと分かるものなので彼女が対象できなかった場合は自分がかなりの苦戦を強いられる事になる、なんでこんな賭けのような事をする気になったか分からないが、どっちにしても全てが終わった後はしばらくは祈りに多くの時間を使わせてもらおう。





 ………いや、自分よりアレ強くね? 最初は剣術に長けた人かと思えばいきなり詠唱も動きもなしに複数の魔法を連発してやがる、剣術と魔術の組み合わせでここまで戦えるなんて聞いたことがないコレは物凄い掘り出し物だ、さっそく恩を売って繋がりを維持しておこう。
 そしてあわよくば手を出してしまいたい、厳格な教会ではかっちりとした女性しかいないのでこうした女性との交流はなかなかに珍しい、なので浮き上がってしまって失敗しないように注意したい。
 もっとも自分の実力では簡単にあしらわれてしまう可能性が高いだろうが……。
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