異世界に行って転生者を助ける仕事に就きました

仙人掌(さぼてん)

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玩具の世界は無駄に壮大になりがち

3人の戦い

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「やっと対戦だよぉ!」
 恵美がやる気満々で前進していく、ゲームだからよかったものの実際の機体であればリミッターを解除して2人を置き去りにしているだろう。

 恵美が射撃用の武器を早々にパージして近接武器だけの状態になる、一応ゲームの仕様でほんの少しだけ機動力が上がるので無駄ではない、もっともそれをするプレイヤーは滅多にいないが……。
 もちろんゲームバランスの関係があるので近接武器だけで戦うのは相当苦しいのだが、ソコは自分達でカバーしていくしかないだろう。


 向こうの部隊編成はスタンダードな物で突出した物はないが隙が少ない構築になっており、しっかりと運用すれば堅実に戦える物になっている、もっともそんな編成は堅実なため練習の時に何度も遭遇している、対処法はしっかりと編み出している。
「チェェエエッストォォオオオオ!!!!」
 恵美が気合を入れて突進してしていく、もちろん叫び声や気合に連動して機体が強くなる訳ではないので、ただの気分だが、十分に迫力がある。
 サヨが狙撃で牽制しつつ自分が煙幕で視界を遮る、いくらレーダーでお互いの位置わかっていてもゲーム画面にはそこまで大きく表示されておらずその画面に頼って戦闘しているプレイヤーは少ない、そこを陣形が崩れた所に先頭に立っている敵に強引に切り込む。
 ゲームなのでその一撃で撃破はできないが陣形を崩すには十分だ、そこに汎用機を使って自分が適当に場を荒らして、恵美とサヨがダメージを与えて倒していく、傍から見れば一方的な試合に見えただろうが、かなりのテクニックが必要な作業になったので割と精神的にきつかったりする。

「試合終了!」
 司会の放送と共に会場から歓声が上がってくる、よかったちゃんと戦えたようだ。

「まずは1勝ぉ!」
 連戦は辛いなーと思っている所に恵美はまだまだやる気に満ちているようだ、サヨもずっと精密な狙撃を繰り返していたようで連戦は辛そうだ。
「お疲れさま」
「えへへぇ」
 労いの意味も込めて頭を撫でてやると一気に腑抜けたような顔になった、どうやら闘争心は解けたようだ。
「……ん」
「はいはい」
 恵美を撫でているとサヨが頭を押し付けてきたので、思いっきり撫でてやる、敵側の陣形を崩せたのは確実にサヨの功績なので念入りなでる。
 はたから見れば女の子2人とイチャイチャしているだけにしかに見えない光景に嫉妬の視線が刺さってくる、そんな訳でそそくさと控室に戻る。
 とりあえず一部から今大会のヒール役になってしまったようだ。
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