異世界に行って転生者を助ける仕事に就きました

仙人掌(さぼてん)

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玩具の世界は無駄に壮大になりがち

初出社

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「じゃあ、行ってきます」
「いってらっしゃい」
 1人だけ別行動なので乗り気なれない恵美を見送り、出社の準備を始める。

「まさか会社に行く日がくるとはなぁ」
 初めてスーツを着用する、思っていたよりも生地が硬くて動ぎづらい、サヨもレディーススーツを着ているが動きづらいのか機嫌が少し悪い。
「素材があんまり良くない、防御が全然ない」
 そっちでしたか、何ともサヨらしい。
「この世界だったらあんまり戦闘とかないかもしれないからコレらが支給されたんじゃないかな?」
「それもそっか……、でもうーん」
 サヨってそんなに戦闘を重視するタイプだったっけ。
「それにスーツ姿のサヨも可愛いよ」
「えへへ、じゃあ良いや」
 とりあえずコレで納得?させておく。

 
 初めての土地を地図を確認しながら進んでいく、公共交通機関なども駆使して30分ほどかけて目的地であろうビルの前に到着した、変に遠回りしてしまったため余計な時間を使ってしまったのでまっすぐに向かえば半分位には短縮できそうだ、そういえば恵美は無事に到着しただろうか。
「お待ちしておりました、こちらへ」
 自分達を見つけるや否や目の前にくたびれたスーツを来た男性が笑顔で迎え入れてくれた、しっかりと事前に情報等が共有されていたようでこちらから話しかける必要は無かった。
「いやぁ、今日は素晴らしいほどに快晴ですねぇ」
「そっすね…」
 かなりフレンドリーに話しかけてきた、そういえば転生してからいきなり初対面でそんな対応をされたのは初めてなので上手く返せなかった。
「こういった新し事を始める時に快晴というのは幸先がいいですからね」
「そうなんですね?」
「そうですよぉ、これから始める事に曇りが無いって言われてますからね、聞いた事はあるでしょ?」
「いやぁ、確かにそうですね」
「ですよねー、それにしても夫婦揃って研究者というのも素晴らしいですね、もしかして出会いも研究室とかですかね?」
「実は研究とは全く違う所で出会いまして……」
 さすがに自分に用意された嫁だとは言いずらい、反面サヨは夫婦と呼ばれて機嫌が良いようだ。
「それは聞いても大丈夫なヤツですか?」
「うーんちょっと困るヤツです」
 バスジャックに遭遇して気が付いたら膝枕されていたと言っても絶対に信用してくれないだろうし黙っておく。
「まぁ人には言いたくない事ってありますもんね、深追いはしません」
「助かります」

「到着したのでひとまずはこちらで少しお待ちください」
 男性のトークに翻弄されるままビルの中ほどの階に案内される、中は大きな会議室のようで長い机とパイプ椅子が大量に並んでいる。
「というか僕らってこの世界で何をするんだ?」
「さあ?」
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