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レベル1の転生者

中途採用

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「それじゃあ始めよっか」
 神様が圧縮した天使をゆっくりと転生者の胸元に埋め込む、転生者は動けないのか無抵抗で球体を受け入れている、というかよく見ると全く動いていないので動けないが正しいのだろう。
「うん大丈夫だね、一応ここまでレベルを上げていた意味があるみたいだね、あふれ出た経験値を入れる器に加工して……、あぁそっかだったらいっそ」
 神様を転生者に対して手を向けたまま何かぶつぶつと呟いていたが追及しない方がいいだろう、そんな事を考えていると転生者の体が少し光ったかと思うと背中から二対の白い翼が生え、全体的に丸みを帯びると一気に女性の体に変化した。
「ちょうど天使が1匹いなくなったから進化してくれてよかったよ、気分はどうだい?」
「……………あ、最悪です、なんで女になる必要があるんですか?」
「そりゃあこの世界の天使は女性型しかいないからね、とりあえずはもともとの寿命分はこのまま過ごしてもらって、それが終わったら天使の仕事に従事してもらうよ」
「マジですかい……」
「そりゃあね、こんな事になった落とし前はつけないと、君たちは別途請求するからね」
「あ、ハイ」
 天使になった転生者は落ち込んだまま散乱している服を着始める、しかし翼が邪魔なのとサイズが変わったせいで身に着けられる物がなかった、仕方がないので服をナイフでバラシて胸と腰に巻いていた。
「あぁ、服買いなおしだ、というか翼邪魔……」
「そうだったね、普通はいろいろ使い方を学んでから仕事を始めるからね、仕方ないコレはサービスだよ」
 神様が転生者に向かって手を向けると、転生者の頭上に光輪が出現し大きく目を見開く。
「あ、あぁ、あ……あ」
「よし、じゃあもう大丈夫だろうから私は戻るよ、じゃあね」
 そう言って神様は消えてしまった。


「えっと大丈夫ですか?」
「これが大丈夫みえますか?」
「えっと、すいません」
「もうこうなった以上諦めるしかありません、はぁ、先ほど大量の情報を入れられたのに全然頭がスッキリしているんです、ただこのままだと人である事を忘れてしまわないようにします」
 転生者が大きくため息をついた後に軽く手を振ると、先ほどまで着ていた服が天使の体にぴったりと合うように調整されて着用された、どうやら翼も自由に収納できるようになったようだ、こうなってしまえばただの美人がたっているだけだ、ただ元の転生者だったとは誰も気づかないほど変化している。
「人から天使に進化しちゃうほど経験値を頂きましたのでもう大丈夫かと思います、短い間でしたがお世話になりました」
「そうですか」
 端末を確認してみると確かに仕事が完了と表示されていた。
「それじゃあ自分たちはこれで失礼します」
「はい、ありがとうございました」

 もうこの世界にやれる事はないだろうとこの世界を後にした。
「おかえりなさい」
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