異世界に行って転生者を助ける仕事に就きました

火力特盛

緊張

「なんですかアレは？！」
「たぶん主人公だな」
「主人公って物語とかのアレですか？」
「ココで言う主人公ってのは事を成した転生者の事だよ」
「事を成したって何をですか？！」
「いわゆるエンディングまでいった物語の主人公みたいな感じでとにかく強いんだ、正直ボクらではかなうかどうか……」
「増援とか呼べたりしないんですか？」
「うーん、無理だろうね」
「なんでですか？」
「それはボクらの仕事はあの人を倒す事じゃないからね」
「確かにそうですけど……」
「だからココは、【撤退します！！】さぁ逃げますよぉ」
　全員に聞こえるように大きな声をだすと他の人達が煙幕と魔力の壁を構築して撤退の準備を始める。
「待ちなさｧい！」
　女性の叫び声が聞こえて来たが他の人達の助けを借りてこの場から脱出できた。


「何とか逃げられましたね」
「いくつか偽装なりしてみたけど、果たして通用するか……」
　自分を運んでくれた人は自信がなさそうだ。
「とりあえずは遠くへ移動して再び砲撃しないとなぁ、えっとまだ時間はあるハズ……」
　蜘蛛の子を散らすように撤退したので人が少ないので今いる人達で破壊活動ができるか不安ではある。
「一応標準は共有しているから各地で砲撃してくるだろう」
「もしさっきの主人公？がまた砲撃を妨害してきたら？」
「まぁ十中八九単身では勝てないだろうし強制帰還を使用してもらうしかないだろうな、しかしあんなのがいるなんて聞いてないぞ……、よしココから適当に移動して砲撃をしよう」
「了解です」
　最初と比べて大きく人数が減ったがそれでも大人数に移動していく、あまり時間が残されていないようで少し移動して開けた場所に荷物を広げる。
「見つかる可能性があるがそれよりも星の破壊を優先する、今は人が少ないので自分が一点突破型の魔法を構築するのでみんなは魔力の供給をお願いします」
　そう言って足元に魔法陣を出現させて魔法の構築を始める、自分達はその近くに立って魔力供給する、幸いにもこの世界には魔法があり、その魔法と自分達が使う魔法は互換性があるようで大気中や地脈からも魔力を蓄えられたのでひたすら簡単な魔力そうさだけで済みそうだ。
　時折、まとめ役の人の端末から通知音が鳴る。
「まずいな……」
「どうしたんですか？」
「どうやらはぐれた仲間が次々に強制帰還を発動している状態なんだ、早く魔法を完成させて放たないと」
　そう言う彼の全身から汗が噴き出ており緊迫した雰囲気をだしている、自分もそれにつられてできるだけ多くの魔力を集めて供給し完成を急ぐ。