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配達の仕事

4つ目の配達先

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 次の世界に到着した時に目の前に教会がそびえ立っていた。
「お……、おう」
 世界を移動する時は大体周りに森か何もないのがほとんどなのでいきなり目の前に何かあるとびっくりしてしまう。
「今回はココでいいんだろうなぁ」
 目の前に教会があるので目的の人物がその中にいるだろう。

「あのぉ、何か御用でしょうか?」
 扉がしっかりと閉じられており、どうやって入るか考え始めた時に中から修道服を着た女性が不安げに出てきた。
「あ、えっと日本から荷物を持ってきました」
「……日本ですか、ちょっと待っててくださいね」
 日本という単語は初めて聞いたのかその単語に心当たりが無いようで中にいた人に聞きに戻ってしまった。

「すいません、日本という者に誰も心当たりが無いみたいで……、その荷物が何か分かりますか?」
「ちょっと待って下さいね」
 サヨの方を向き荷物を確認するとポケットから眼鏡を取り出した、なんで眼鏡?と思いながらもそれを受け取り女性に渡す。
「コレ、になります」
「これは何ですか?」
「眼鏡、になります」
「眼鏡?」
「コレを使えば人の魔力の波長が見えるようになって個体が判別できるようになります、だそうです」
 ただの眼鏡が渡されただけで説明に困っているとサヨが助け舟をだしてくれた。
「そんな高そうな魔道具は受け取れません、それに誰も覚えがないと言っているんです、何かの間違いじゃないんですか?」
「でもコレは貴女に当てられた物みたいですよ」
 そういえばサヨはそういうのが分かっていたんだっけか。

「ねえねえ、何してるの?」
 押し問答していると置くから少女が出てきた、一瞬こちらを睨んだような気がしたが気のせいにしたい。
「何だか、私に日本という人から荷物が来てるみたいで……」
 日本が人の名前と勘違いするほどなので、この人は元日本人なのか怪しい。
「ふーん、とりあえず貰ったら?」
「でも、そうですね変な物なら売ってしまえばいいですし」
 それはちょっと困る……、とりあえず受け取ってくれたのでこれでこの世界の仕事は終わりだ。
「受け取ってもらえたみたいなんで僕達はこれで……」
 目の前で消える訳にもいかないだろうし、適当に道を歩いて視界から消えるまで続ける、幸いにも別れを告げると早々に中に入ってしまったので少し歩く程度でいいだろう。

「ていうかさっきの人って日本を知らなかったみたいだけど?」
「何も全員が記憶を持ってる訳じゃないよ」
「あそっか」
 転生で記憶を引き継いでいる方がむしろ珍しい方なのかもしれない。
「そろそろ良いかな、じゃあ次の世界に行こうか」
「はい」
 端末を起動して次に世界に向けて出発した。
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