上 下
294 / 425
配達の仕事

3つ目の配達先

しおりを挟む
「それならそうって言われても……」
「それはそうね、ごめんね閉じ込めちゃって」
「しばらく気が付けないなんてすごいですね」
「まぁね、というかあの中にピンポイントで出てくるから余計警戒したわ」
「そうなんでか、なんかすいません」
「いいのよ、世界が違うからしょうがないわよ、それで望の物は持ってきくれたのかしら?」
 自信満々に手のひらを出してくる。
「ちょっと待って下さいね」
 サヨが難しい顔をしながら黒い箱を取り出した。
「これでいいですか?」
 出てきた物が黒い箱だったのでこれで正解なのか自信がないようだ。

 荷物を受け取った女性はしばらく箱を見つめてから満足そうに頷いた。
「はい確認できました、これで大丈夫です」
「それはよかった、それではこれで」
「はい、ありがとうございました」
 この世界には長くいるべきではないとなぜか思い早々に撤退を始める、端末を取り出して次の世界に移動を始める、飛ぼうとすると(結界を解除してくだい)とエラーメッセージが表示された。
「あの……、移動できないんで結界?ですかね、解除してもらっていいですか?」
「あぁ、ごめんねすぐ解除するね」
 女性は事務的に対応して手を軽く振ると何となく感じた圧迫感がなくなった、端末の画面を確認するとエラーメッセージが消えていたのでこれで世界を移動できそうだ。
「ありがとうござい、それでは今度こそ失礼します」
 端末を操作して世界を移動する。


「え、ここどこ?」
 森の中だったのが一変して砂と岩しかない荒野と呼べるような所に来た。
「大気の成分が違うから世界は変わったと思う」
 サヨもまた周囲に誰もいない状況に困惑していた。
「日本からお届け物です!」

 試しに叫んでみたが待てども返事はない。

「どうしよ……」
「誰もいないね」
 また歩く事になるのかと落ち込んだが仕事なのでやらなければならない、試しに端末を起動してみるとこの世界での仕事は完了の表示が出ていた。
「あれ、終わり?」
「みたいだね、あこの世界に来るだけで良かったみたい」
「そんな事もあるんだ……」
 もって来るものが戦力だったり謎の箱だったりあげく来るだけだったりで謎だらけだ。
「じゃあ次の世界に行きますか」
「そうだね」
「あちょっと待て」
「何?」
「あの岩に向かって1発ドカンと行こう」
「うーんわかった」
 サヨも提案に賛成して大型の銃器を取り出して適当に放たれた、実弾系ではなくエネルギー系だったようで地面がガラス質に変異していた、メリジュになっていた時に乱発してした物を思い出した。
 自分が撃ったわけではないが、サヨが豪快に発射してくれたおかげで少しスッキリしたのでその気持ちまま次の世界に飛ぶことにした。
しおりを挟む
感想 2

あなたにおすすめの小説

私がいなくなった部屋を見て、あなた様はその心に何を思われるのでしょうね…?

新野乃花(大舟)
恋愛
貴族であるファーラ伯爵との婚約を結んでいたセイラ。しかし伯爵はセイラの事をほったらかしにして、幼馴染であるレリアの方にばかり愛情をかけていた。それは溺愛と呼んでもいいほどのもので、そんな行動の果てにファーラ伯爵は婚約破棄まで持ち出してしまう。しかしそれと時を同じくして、セイラはその姿を伯爵の前からこつぜんと消してしまう。弱気なセイラが自分に逆らう事など絶対に無いと思い上がっていた伯爵は、誰もいなくなってしまったセイラの部屋を見て…。 ※カクヨム、小説家になろうにも投稿しています!

最強令嬢とは、1%のひらめきと99%の努力である

megane-san
ファンタジー
私クロエは、生まれてすぐに傷を負った母に抱かれてブラウン辺境伯城に転移しましたが、母はそのまま亡くなり、辺境伯夫妻の養子として育てていただきました。3歳になる頃には闇と光魔法を発現し、さらに暗黒魔法と膨大な魔力まで持っている事が分かりました。そしてなんと私、前世の記憶まで思い出し、前世の知識で辺境伯領はかなり大儲けしてしまいました。私の力は陰謀を企てる者達に狙われましたが、必〇仕事人バリの方々のおかげで悪者は一層され、無事に修行を共にした兄弟子と婚姻することが出来ました。……が、なんと私、魔王に任命されてしまい……。そんな波乱万丈に日々を送る私のお話です。

愛されない皇妃~最強の母になります!~

椿蛍
ファンタジー
愛されない皇妃『ユリアナ』 やがて、皇帝に愛される寵妃『クリスティナ』にすべてを奪われる運命にある。 夫も子どもも――そして、皇妃の地位。 最後は嫉妬に狂いクリスティナを殺そうとした罪によって処刑されてしまう。 けれど、そこからが問題だ。 皇帝一家は人々を虐げ、『悪逆皇帝一家』と呼ばれるようになる。 そして、最後は大魔女に悪い皇帝一家が討伐されて終わるのだけど…… 皇帝一家を倒した大魔女。 大魔女の私が、皇妃になるなんて、どういうこと!? ※表紙は作成者様からお借りしてます。 ※他サイト様に掲載しております。

無能なので辞めさせていただきます!

サカキ カリイ
ファンタジー
ブラック商業ギルドにて、休みなく働き詰めだった自分。 マウントとる新人が入って来て、馬鹿にされだした。 えっ上司まで新人に同調してこちらに辞めろだって? 残業は無能の証拠、職務に時間が長くかかる分、 無駄に残業代払わせてるからお前を辞めさせたいって? はいはいわかりました。 辞めますよ。 退職後、困ったんですかね?さあ、知りませんねえ。 自分無能なんで、なんにもわかりませんから。 カクヨム、なろうにも同内容のものを時差投稿しております。

【完結】仰る通り、貴方の子ではありません

ユユ
恋愛
辛い悪阻と難産を経て産まれたのは 私に似た待望の男児だった。 なのに認められず、 不貞の濡れ衣を着せられ、 追い出されてしまった。 実家からも勘当され 息子と2人で生きていくことにした。 * 作り話です * 暇つぶしにどうぞ * 4万文字未満 * 完結保証付き * 少し大人表現あり

三歳で婚約破棄された貧乏伯爵家の三男坊そのショックで現世の記憶が蘇る

マメシバ
ファンタジー
貧乏伯爵家の三男坊のアラン令息 三歳で婚約破棄され そのショックで前世の記憶が蘇る 前世でも貧乏だったのなんの問題なし なによりも魔法の世界 ワクワクが止まらない三歳児の 波瀾万丈

転生させて貰ったけど…これやりたかった事…だっけ?

N
ファンタジー
目が覚めたら…目の前には白い球が、、 生まれる世界が間違っていたって⁇ 自分が好きだった漫画の中のような世界に転生出来るって⁈ 嬉しいけど…これは一旦落ち着いてチートを勝ち取って最高に楽しい人生勝ち組にならねば!! そう意気込んで転生したものの、気がついたら……… 大切な人生の相棒との出会いや沢山の人との出会い! そして転生した本当の理由はいつ分かるのか…!! ーーーーーーーーーーーーーー ※誤字・脱字多いかもしれません💦  (教えて頂けたらめっちゃ助かります…) ※自分自身が句読点・改行多めが好きなのでそうしています、読みにくかったらすみません

元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~

おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。 どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。 そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。 その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。 その結果、様々な女性に迫られることになる。 元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。 「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」 今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。

処理中です...