異世界に行って転生者を助ける仕事に就きました

召喚されてみた

面倒の押し付け

「コイツは……」
「お前らなら行けるだろう、ぶつけられそうな人がいなくてな」
「ええぇ……」

　何はともあれとりあえず鑑定だ。
ステータス
　・名称：フォレストウルフ
　・ＬＶ：１４
　・ＨＰ：２４７
　・ＭＰ：４８
　・攻撃：１５８
　・防御：６８
　・魔力：８７
　・抵抗：５４
　・俊敏：３６８
　スキル
　・悪食・俊敏増加・切れ味追加・統率・雑食・風切り
　解説
　・様々な森に生息する狼種の親玉、複数の群れを率いて獲物を追い込む、１体でもかなり強力なため発見次第報告が義務付けられている、１匹でいる事はまずないので決して１人では挑んではいけない。
　毛並みは整えれば美しくそれなりに頑丈なので加工すれば良いコートになる。

「強くね」
「そうなのか？」
　メリジュさんにはステータスが見えないのでさきほどの狼より少し大きくなっているだけで大して強さの違いなど分からないのだろう。
「とりあえずサポートするから君は真っすぐに行くんだ」
「わかったよ」
　メリジュさんはやる気なようで小さな銃を手に持っている、準備はできているようなのでフォレストウルフに向かって走りだす、狼は血走った目でこちらに向かって走ってきた。
「わかりやすくしよう」
「何？」
　メリジュさんがつぶやいた後に数発撃ちこむ、弾は放物線を描いてフォレストウルフの頭部に命中して失速させた、そのまま切りかかろうとするが牙で受け止められてしまった。
　このまま押し切ってしまえばしばらく拮抗した状態に持ち込めそうだが、メリジュさんが横に入ってフォレストウルフに向かって発砲していく。
　威力はかなり抑えられているようで大したダメージを与えられていないようだ、相手が２人いると気付いたのか咄嗟に後ろに引いて距離をとり２人を視界に捉える。
　ゆっくりと横に移動してこちらの様子を伺う、　お互いに呼吸を整えるとフォレストウルフが前足を軽く振ると魔法が飛んできた。
　向こうが魔法が使える事は把握しているので防御の構えをとると目の前にメリジュさんが現れて魔法から守ってくれた、正直見た感じ威力はなさそうで簡単に防げそうだがメリジュさんにはそれが分からないので全力で守ってくれたようだ。
「ありがとう」
「うむ」
　メリジュさんがこちらの無事を確認するとフォレストウルフに接近戦を仕掛ける、向こうもいきなり接近されるとは思っていなかったようで一瞬怯む、メリジュはそれを見逃さなかったようで大きな銃で殴打する、その威力は高かったようでフォレストウルフが吹き飛ぶ。
「今だ」
「おうよ」
　改めて薙刀を握りしめて切りつけてる、フォレストウルフが立ち上がろうとするとメリジュさんが空いての足を打ち抜いて動きを封じた、そのおかげでフォレストレッサーウルフと同様に両断できた。