異世界に行って転生者を助ける仕事に就きました

仙人掌(さぼてん)

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召喚されてみた

初めての召喚

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「今日は使い魔を召喚してもらう」
 教師の一言でクラス全員のテンションが上がる、この魔法学校では最終学年になると使い魔の所持が認められる、卒業後の進路次第では所持し続けられるが基本的には卒業と同時に契約が解除される、召喚されるモノが想像すらできないので一般人の使い魔の所持はかなり制限されている、もちろん過去には使い魔と別れたくないと暴走した生徒がいたらしいが、その時は最終的に使い魔が討伐されるという悲劇で終わったようで、使い魔を召喚する前に長めの講習を受けるようになっている。
 そんな講習も終わり、今日やっと使い魔が召喚できる。

「毎回言うが使い魔は便利な道具ではない、それぞれが意思を持ち、しっかりと生きてるんだ、そこをしっかと意識して自分が召喚した使い魔と向き合うように」
 もはや親の声よりも聞いた先生の注意喚起だ、もう慣れてきたのでみんな聞き流してしまっている、そんな注意喚起をよそに着々と召喚のための準備を進めている。

 召喚をするには大掛かりな設備が必要なので普段は厳重に施錠されている場所を使用する、開錠する時は様々な拘束や仕掛けが解除されていくのでかなり迫力があり、この光景だけでも絵になっている。
「おぉ、すげー」
 大きな音と共に開錠され中は教科書で見たような古そうデザインの祭壇があった。
「アレで召喚をする、名簿の順で1人づつ召喚していくぞ、召喚した者から今日は使い魔と心を通わせるために解散とする」
「せんせー、使い魔と相性が悪かったらどうするんですかぁ」
「そういうのは基本的は無いが、もしそうなったらココに戻ってこい、再召喚させてやる、正し今日の夜までだ、それを過ぎたらその使い魔と卒業まで付き合ってもらう、別に召喚したままじゃなくていいからな、最悪授業の時だけ召喚すればいいからな」
「はーい」

 名簿の先頭から順番に召喚していく、自分は名前が変わっているので一番最後だ、召喚自体はかなり短時間なので流れ作業のように進んでいっている。
 召喚された使い魔は妖精だったり魔獣だったりとバラエティー豊かで見ていて飽きることがなく、最後の自分の順番になった。
「お前で最後だな」
「はい」
 ついに自分の使い魔を持つことができる、祭壇を上がっていくにつれて徐々に緊張が高まっていく、他のクラスメイトが召喚を終えて出て行っているのでココには自分と先生の2人しかいない、そのせいで音が少なく余計に緊張が高まっている。

「改め言うが召喚には心が必要だ、お前が呼べば必ず答えてくれる!」
 先生が自分が緊張しているのを感じ取ったのか活を入れてくれた、おかげで緊張が和らいだ。
「来い、僕の使い魔!」
 文言は勢いで特に決まっていない、叫ぶと祭壇の中心が光りそこから何もかが這い出て来た、他のクラスメイトの使い魔は一瞬で出現していたのだが、自分の時は出てくるのに時間がかかっている。
 出てくるのに手間取っているように見えたので出てきた手を引っ張り上げてみると、爬虫類を思わせるような腕を引っ張り上げると竜を連想させるような手足と魔法の世界に不釣り合いな機械部品や装甲がある少女が出てきた。
「引っ張り上げてくれたのはうれしいけど、呼び出しておいてすっごい狭いんだけど」
「ご、ごめん」
「それで、契約をするんですか?」
「ちなみに状況は分かりますか?」
「まぁ、なんとなく、でどうするんですか?」
「おねがいします……」
「じゃあ契約成立ということで……」
 他とは違い何だかしんみりした雰囲気で契約が成立したっぽい。
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