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海洋の底へ

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「今って深海どれくらいだろう?」
「この船が私の知ってるのと同じような質量だったら3000メートルくらいかな……」
 それだけ深いのならはたして救助されるか不安になってくる、外を照らしてみると平地のようでこれ以上下に行くことは無いようだ。
 深海はいままでで初めてなのでまだテンションが少し高い、そのおかげかまだ絶望とかそういったマイナスの感情は無い。

「救助って来るもんなんですか」
「まぁ来たり来なかったりするかな、もっと深い所に落ちた人でも救出された例はあるからね」
「ちなみに沈んでからどれくらい経ってました?」
「確か1ヶ月かな?」
「それじゃあ間に合わないのでは……」
「一応手がかりは上げてるから……」

 どうしたモノかと適当に過ごしていると突然全体が大きく揺れ出した。
「え、なに?」
「また魔物か?」
「どこだ?!」
 船の外を見るが海底のたまった土埃が大きく舞っておりよく見ない。
「……下だ!」
「下ぁ?!」
 船を下から持ち上げかねないほどなのでかなり大型と思われる。
 深海なので迂闊に動くことができずに揺れがおさまるのを待つしかなかった、幸いにも船から何かが軋むような音がすることは無かった。

「……収まった?」
「ぽいね」
「もしかしてただの地震かな?」
 船を揺らした正体はいまだに不明だ。

 しばらく外の様子を見ていたが、深海なのでなかなか見えない。
「どうなった?」
「さあ?」
 3人で顔を合わせているいると扉が大きな音を立てて溶断されていた。
「ちょっ、アレヤバくないですか?」
「流石にアレは切断されたらヤバイ」
 3000メートルほど深海の圧力では一瞬で潰されてしまう、念のため宇宙で行動できたアレを起動しておく。

 完全に溶断され、扉が開くと水が流れこむこはなく鉄と機械油のに匂いが漂ってきた。
「あれ?」
「おーい、生きとるかぁ?」
 海水が流れて死ぬかもしれない恐怖とは関係ないとばかりに陽気な声が聞こえてきた。
「生きてますー」
 扉から入ってきた人物はおおよそ救助しにきたというよりはモノを漁りにきたと言った方がしっくりくるような見た目をしている。
「そっか、お前らどうして沈んだ?」
「魔物に襲われて破壊された」
「……そうか、とりあえずお前ら助けてやるからこの船もらうぞ」
「命が助かるのならしょうがない……」
「うむ、これでこの船も修理できそうだ、とりあえずお前らはゲストルームに案内してやるからしばらく休んでろ、おーいクレア」
「あーはいはい」
 クレアと呼ばれた女性がダラダラと出てきた。
「まだ生きていたからゲストルームに案内してくれ」
「あ、生きてたのね、じゃあ君たちついて来て」
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