異世界に行って転生者を助ける仕事に就きました

仙人掌(さぼてん)

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海洋の底へ

水の下へ……

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「さっき嫌な音が聞こえてきたんだけど……」
 船尾の音が船の中まで聞こえてたようでゆっくりと顔を出してきた。
「後ろの方から何かが折れたような音がしましたね……船、動きますか?」
「……動かないな、全部」
 そういえば魔物がいなく船も波に合わせて上下している、おそらく船の機能がすべて停止してしまったのだろう。

「もしかして沈んだりしないですよね」
「……わからん、陸で直接見てみないと何とも言えん」
「マジですか……」
「もしかして沈んでないかな?」
「ウソぉ!」
 確かに船が揺れるたびに海水が船にかかっているがその量が徐々に増えているような気がする。
「とりあえず2人とも中に入ってくれ、シェルターモードにすれば深海の高圧でも耐えれるハズだから救助を待とう」
 男性が複数の信号弾を発射していた、自分達が室内に入ったのを確認してから扉横にあるパネルそ操作していた、どうやら機能がすべてダウンしていた訳ではないようだ。
 窓から外の様子を見る事ができるようになっているので外の様子を観察していると徐々に目線が下へ沈んでいき、5分ほどで完全に水の中に沈んでしまったようだ。
「完全に沈んでしまいましたけど、中ってどれくらい持つんですか?」
「先日にメンテナンスとか交換を終わらせてるから……、大体1週間は持つかな」
「海の底で1週間……」
 救助を待つには1週間は短いような気がする、この世界の救助隊の実力がどれほどの物かは不明だが、果たして見つけてもらえるだろうか……。

「サヨって海中適正ってあったっけ?」
「流石に水深10メートル以下は想定してないからある程度は魔力でゴリ押しできるかもしれないけど少なくても適正はないかな」
 ないと言っているサヨは少し悔しそうにしていたので今後はそれらも対応していくのだろう、ついでに宇宙にも対応してくれないかな。
「じゃあ3日はおとなしくして4日目から動きだそう、魔力がなんとかしてくれるハズ」
 最終的には根性でなんとかするしかないだろう。

 船の設備では生きながらえるための物はあっても暇を潰す物は無いようで3人でひたすら軽くストレッチしたりゴロゴロしたりするしか無いのである、3人の共通の話題などはそもそも世界が違うのである訳もなく、また打ち解けていないので普通の雑談ですら長く続かないものである。
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